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それは例えばブルーアイズでも、くちなし色の鋳物琺瑯鍋でも│ひとりアドベントカレンダー#20

鍋・フライパンのスタメンを増強する

年末年始はとことん家にこもろうと思っている。そうすると、例年通り、やることといえば、NETFLIXでまだ見れてない映画を見たり、まだ読めてない積ん読を消化したり、見て見ぬふりをしてきた場所を思い切って掃除するとか、そこそこいろいろある。が、殊、今年のわたしには「煮込み料理をつくる」という一大目標がある。

キッチンの調理道具といえば、「一人暮らしでそこそこ料理する人が最低限持っているアイテム」くらいだった。鍋・フライパン類はこの3つ。

・和平フレイズの18cmの雪平鍋
・パール金属の26cmのフライパン(※一人暮らしには若干大きいが、作り置き派なのでこのくらいあったほうがいい)
・パール金属の20cmのフライパン

ここに、長時間調理と保温に適した、「煮込み用の両手鍋」を追加することにした。だんだん、「そこそこ料理する人」から「けっこう料理好きな人」にスライドしていっているのかもしれない。圧力鍋とか買いだしたらもうガチ勢(いずれ買いそう)。

新潟・燕三条の鋳物ホーロー鍋をお迎え

煮込み用の鍋を検討するにあたり、有賀薫さんのnoteを大いに参考にした。スープ作家で知られる有賀さんのnoteは、調理器具比較レビューも豊富でありがたい。

私が重視したのは「料理した感が出る、テンションの上がるビジュアル」「そこまで重くない」「永く使える品質」「(だいぶ思い切った金額は覚悟しているが)3万円以下」だったので、上記記事で有賀さんが紹介している鋳物ホーロー鍋・ユニロイに決めた。新潟・三条特殊鋳工所の今や看板商品ラインである。

私が買ったのは、同じ「キャセロール20㎝」の「くちなし」カラー。

とてもかわいい!かすかにざらっとした表面のテクスチャもいい。

取っ手に蓋をひっかけられる仕様も、気が利いている。

ユニロイが家で待ってる

ユニロイをひととおり鑑賞して、洗剤で軽く洗い、その日の用事を済ませるために外出していたのだが、「家に帰るとあの黄色いユニロイがいる」と思うだけでなんだかうきうきしていた。

いや、いるだけでは何をしてくれるわけでもなく、帰ったら私が煮込み料理を作らないことには何も起こらないけれど、「ユニロイさえあればなんかどうにかなる気がする」みたいな謎の自信があった。ユニロイがいて、あとは私が食材を選んできて、ちょっと丁寧に料理をすれば、美味しい煮込み料理ができるはずなのだ。たぶん。可能性がオープンな状態というのはいいものだ。

この感じ、「クリアアサヒが家で冷えてる」も近いのかもしれないが、私が思い出したのは、ラッパー・Dr.マキダシさんの「千年バズル」。

カードバトルゲーム「遊戯王」において、数多あるカードのうち、「ブルーアイズ」と総称されるドラゴンのカードには、一枚40~60万円もの価値がつくという極めて稀少なものがあるらしい。そのカードを持っていることを、曲中のリリックでは「ブルーアイズもってる」のリフレインで聞かせる。

ラップ上手くないけど、ブルーアイズもってる
1枚60万のブルーアイズもってる
(中略)
雨の日も風の日もブルーアイズもってる
仕事から帰るとブルーアイズ待ってる
────Dr.マキダシ「千年バズル feat.オオイエ」より

この「もってる」から「待ってる」に言い回しが変わるあたりも、「これさえあれば」的アイテムを持っている者の主観を的確に言い表していると思う。モノのほうで「待ってる」ことにしちゃうのは持ち主の勝手だが、それが本人の思う以上に大きな心の支えになったりすることもある。それはブルーアイズのカードでも、くちなし色のユニロイの鍋でも、なんでも。

ということで、家でずっとユニロイを待たせておくのも悪いので、この年末年始は早速活躍してもらおうと思う。手羽元とか、牛すじとか、煮込みたいねえ。

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