北澤千晃

コンテンポラリーダンサー・ドラマトゥルク・企画プロデューサー・webライター。27歳。…

北澤千晃

コンテンポラリーダンサー・ドラマトゥルク・企画プロデューサー・webライター。27歳。アーティストとして活動しながら、事業家を目指して仕事・勉強を続けています。/自身の運営する団体「潜熱」でアーツカウンシル東京2023年度第5回スタートアップ助成採択を獲得。

最近の記事

苦手な"表現者"について

同世代のコンテンポラリーダンサーの多くが「自由な表現」というお題目を隠れ蓑にして、ダンスを自己効力感や承認欲求を満たすための道具にしていることが嫌いだ。 そういう人はだいたいダンス史の勉強をしていない。文化をファッションや遊び道具の延長として捉えてしまっている。 勉強していないと、「芸能は観ている人と場を共有するために存在するもの」だということをなかなか理解できない。 自分が時間を割いて練習してる芸能を自己憐憫のために使えば使うほど、観客は関心を失ってしまう。このことは、

    • 疲れにくく爽やかな日常を送る

      日々の活動の中で、毎日掲げている目標がある。 それは、「脳と身体の両方を可能な限り疲れさせる」というものだ。 頭と体をへとへとになるまで使って、十分な休息を取って、また翌日元気に活動する。 そのサイクルを毎日重ねていくことが、人間という生き物にとってこれ以上ないくらい健康的な生き方なんじゃないかと思う。 頭と体の両方を目一杯使うなんて回復が追いつかないんじゃないか、と思われるかもしれないが、むしろ頭と体のどちらか一方しか使わなかった日よりも満足度が高くて疲れを感じにくく、

      • 『美の呪力』を読み始めている

        『美の呪力』は、岡本太郎が70年大阪万博の開催がほど近い頃に『芸術新潮』で連載していた評論を単行本化した書籍だ。彼の芸術的価値観が丹念に記されている。 昨日から読み始めたのだが、やっぱり岡本太郎ってすごいな、と思わされる。 岡本太郎と言えば、『強く生きる言葉』や『自分の運命に楯を突け』といった、人間存在そのものを説いた比較的カジュアルな書籍が有名だけれど、それらを読むだけで彼の理解を終わらせてしまうのは非常にもったいない。 「芸術は爆発だ」という彼の代名詞ともなっているフ

        • アートマネジメントと文化政策学を学び始めて半年ほどが経ったいま、考えていること

          最近読み終わった本。 どうでもいいことだけど、仕事や練習に時間を費やしている中でも読書で勉強をする暇を設けるのはとても大事なことだと思う。豊かな毎日に感謝。 私がアートマネジメントに興味を持ったのは昨年の11月頃。 当時は、神社に設置されている「絵馬堂」という建造物で定期的なパフォーマンス企画をやろうという構想を友人と練っていた時期だった。 (構想を深めていくうちに、現状の自分らの力量では到底実現させられないアイデアだと発覚したため、現在は計画を保留している。) 神社と

        苦手な"表現者"について

          2024/03/28 『アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』の読了

          昨年の7月頃に買ってから少しずつ読んでいて、2/3ほど読んだところで保留した本だったんだけど、2月中旬から再開して最近読み終えた。 実力のあるアートディレクターの方が書いているだけあって、理論も用語も専門的で内容は一筋縄ではなかったのだけど、その分得るものも多い本だったと自信を持って言える。 やはり、現代芸術のシーンからコンテンポラリーダンスが学ぶべきものは多いように感じる。 日本におけるコンテンポラリーダンスの沿革は、海外諸国・特にヨーロッパ・アメリカに比べて特殊である

          2024/03/28 『アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』の読了

          2024/03/27 芸術論/マーケティングの勉強

          芸術論アーティストとして世の中にインパクトを残そうとするなら、質の高い表現を提示できるように技術を磨いていくよりも、もっと楽な近道があります。 それは、巨大な経済資本を持って大規模な企画を継続的に開催していくことです。 確かに、資本や社会に対抗するようなムーブメントは、現代芸術における代表的な潮流の一つです。 しかし一方で、芸術というものは世界中にいる人々の大多数にとっては無用なもので、生活や精神が豊かな一部の人々だけに共有されているただの道楽に過ぎません。 芸術は、確か

          2024/03/27 芸術論/マーケティングの勉強

          2024/01/05 仲間の言葉

          三が日が終わり、1/4も経て2日目の平日である今日。日常に移行したと思われる空気感が確かに漂っていますね。 個人的にも正月特有の高いモチベーションも熱が冷めて、練習も読書も平常心のままぬるっとやるようになりました。仕事も緩やかに始まっている。 昔からせっかちで辛抱弱く、やる気に任せて短期間でごっそり時間をとってやりたいことをやるタイプなので、モチベーションに左右されず毎日淡々とやるべきことをやれるようになりたいな、と思っています。 そのためには定期的に自分の習慣や癖を見直

          2024/01/05 仲間の言葉

          今年27歳になるんだけど、20代後半には身に付いていて当然なはずの自制心や社会性が一向に身に付けられないでいるのが年々すごく恐ろしく感じるようになっていっている。 多動不注意の失言だらけで愛想が悪い。練習不精でプロとしての詰めも甘い。自分の中の歪みや矛盾と向き合える体力が欲しい。

          今年27歳になるんだけど、20代後半には身に付いていて当然なはずの自制心や社会性が一向に身に付けられないでいるのが年々すごく恐ろしく感じるようになっていっている。 多動不注意の失言だらけで愛想が悪い。練習不精でプロとしての詰めも甘い。自分の中の歪みや矛盾と向き合える体力が欲しい。

          2024

          あけましておめでとうございます。 昨年の年始、SNS更新を活発にするためにnoteの更新継続を行なっていましたが、毎日更新していた無理が祟って結局は2月中に頓挫してしまい、そのまま年越しまで一度も更新ができませんでした。 当時はダンサーとして人前に露出できる機会がほとんどなく、練習と勉強に明け暮れる日々を過ごしていました。 そのため、少しでも自分の日頃考えていることをアピールして人の目に留まれるようになりたい、という一心でnoteの更新をしていたのです。 今は状況がだいぶ

          今日はお休み

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          【日記】美術展2件行った・今日読んだ本 ほか

          美術展2件行った 出光美術館の「江戸絵画の華 第一部」と、五島美術館「茶道具取合せ展」に行った。今日は時間がなくて詳細な感想を書けないんだけど、どちらもとても素晴らしかった。Twitterに書いた軽い感想だけ載せておく。詳細は明日書きたい。  最近日本文化の美術展に連続して行っているから、次は西洋美術を一回挟みたいな。 今日読んだ本『どうせダンスなんか観ないんだろ!? 激録コンテンポラリー・ダンス』  2日前から読み始めてる。  この本は、著者である乗越たかお氏が雑誌

          【日記】美術展2件行った・今日読んだ本 ほか

          今日はお休み

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          【日記】「自分にしかできないこと」って存在するのか ほか

          「自分にしかできないこと」って存在するのか 以前までは存在すると信じていたけど、今は存在しないと思う。自分にしかできないことがある、と信じることは確かに日々努力を重ねていくときに励みになることはあるけれど、たとえどんな人であろうとも、人間がひとりいなくなったところで社会の活動が停止することはない以上、本当に「自分にしかできないこと」ってないんじゃないか。  芸術家が表現するものは、その者の来歴と当時の社会背景に左右される。そして、その二つのうち、圧倒的に影響力が大きいのは後

          【日記】「自分にしかできないこと」って存在するのか ほか

          【日記】会期最終日の「兵馬俑と古代中国」 ほか

          会期最終日の「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」会期最終日の混雑具合、すごく怖かった  11月からやっていた展覧会で、上野に用事があるときよく目の前を通り過ぎることも何度かあった「兵馬俑」展、1月より休みの日に美術館に通う習慣を始めてから興味が湧いてきたので行ってみることにした。  個人的なスケジュールの都合で会期最終日にしか訪問できなさそうで、どのくらい混雑するか心配していたのだけど想像以上に人が多くて大変だった。自分の鑑賞したい順序やペースで観られるような状況では決

          【日記】会期最終日の「兵馬俑と古代中国」 ほか

          【日記】技術職の「上達」と「慣れ」・生活に張りの出る疲れ方 ほか

          一日の振り返り今日の仕事と明日の予定  今日は出勤日だった。明日は休みで、会期最終日の「兵馬俑と古代中国」と最近始まった「エゴン・シーレ展」を観に上野へ行く。前者は開館と同時に行くけど最終日だし、後者も始まって間もないとはいえ平日よりも混み合っていそうなのが不安なのだけど、果たしてどうか。  今日の仕事も全体にわたって集中力を高く保つことができていて、悪くない生産スピードで作業することができた。もうすぐ鮮魚加工業に携わって一年になるけど、一年間分の妥当な成長スピードで上達

          【日記】技術職の「上達」と「慣れ」・生活に張りの出る疲れ方 ほか

          【日記】

           今日は節分で巻き物を大量に作る日だったのだが、想像していたよりもスムーズに仕事が進んだので達成感があった。オペレーションや数の計算がすごく苦手なのに今日はその辺りのこと任されることになってしまったんだけれど、ちょこちょこリカバリの必要な場面が生じつつも何事もなく終えられたからそれだけでもだいぶ嬉しい。  ここ数日ストレッチとトレーニングに割く時間がだいぶ多い。以前までは空いた時間を見つけるとすぐに本を開いていたんだけど、その時間が丸々運動に変わってあんまり本開かなくなって

          【日記】