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歯のない父にそっくりなわたしの話③

また引越しすることになった。

中学までいた居酒屋が併設された自宅を
逃げるように引越し

その後1年経たずで親の離婚で引越し

母と2人で暮らすことになった

母は一生懸命働きながら
私を高校に通わせてくれていた
そんなことあの当時から分かっていた

けど

あの頃は
縛られたくない
遊びたい

そして
もっと親に甘えたかった

上手く言えなくて
変な瞬間に泣いてしまったり

ある日街で
ストリートで歌ってた男の人と
仲良くなった
すごく良くしてくれて
信用していて
色々相談もしていた。

もしかしたら少し恋になり始めてたかもしれない。

だけど

家に連れ込まれて
危険を感じて
逃げたことがあった。

なにが悲しいって
連れ込まれる前の日にも
変質者に追いかけられて
怖かったと
その話をした次の日だったのだ。

自らたくさん隙を見せては
危険な目に合って泣いていたんだ。

泣きたかったのかもしれないとさえ
今は思う

助けて欲しかったのかもしれない

うまく言えなかった。
ただそれだけ。

すぐに助けを求めろと言うけれど
伝え方が悪く相手に勘違いをさせてしまうような
若さや経験のなさがわたしにはあった。


寂しさをどう伝えていいのか
今だったらもう少し伝えられたと思う。

母は昼も事務、夜はスナックでも働きながら
わたしを高校卒業まで見守ってくれた。
その恩も愛も返したい

ただ父とも会うことをやめなかった

父と定期的に食事に行っていた
それを母はよく思ってなかった

わたしにとっては
父はなんでも話せる友だちのような人だったからだ

親と言うより父は友だちだった

聞けば聞くほど
父は最低なことをした

若い頃は
まだ姉も兄も小さいのに
パチンコにはよく行くし
飲みいっちゃうし
挙句の果てには他に女がいて
その女から母に連絡が入り
「子どもを引き取るから別れてくれ」と言われたりと
本当にどうしようもない父親だったらしい

わたしが産まれた時
父も30代になり落ち着いたのか
末っ子のわたしを可愛がりすぎて
姉、兄から反感を買っていたようだった

お陰様で
わたしも20代の中盤まで
本当に恋愛にクズっぷりを大発揮した

そこもきっと父に似たんだと思う。

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