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KAGANHOTEL(河岸ホテル)現地内覧会

建物特性を活かし、アーティスト支援環境を生む
KAGANHOTELの現地内覧会に参加してきました。
今回は解体中の現場の内覧会。
現地で見て聞いてきたことをシェアします。

京都市中央卸売市場にある、食品加工倉庫兼女子寮の建物を
これからリノベーションして新たな場所に生まれ変わります。

外観。窓の丸みがかわいい。

KAGANHOTELとは

名称はホテルですが、主に3つの用途を持ち合わせた
アーティストが住むホテルなのです。

1. スタジオ付きシェアハウス
若手現代アーティストが住むみながら24時間制作に専念できます。
住まいと別にスタジオを借りる必要がなく、
シェアスタジオ利用込みの家賃がなんと45,000円。
他の入居者や宿泊客と交流できたり刺激を受けたりできる環境でもあります。

2. アーティストインレジデンス
アーティストがウィークリー/マンスリーで滞在できるプランも。
世界中からアーティストが訪れることのできる受け皿となります。

3. 作品レンタル付きホテル
ホテルには、アーティストの作品を購入したい人が泊まることができます。
とはいえ、アート作品を買うなんて、日本では馴染みのない方も多いはず。
ここでは、宿泊費に作品のレンタル代が含まれており、
滞在中に自分の部屋で作品を楽しむ、作品購入の疑似体験ができます。
そのため、各宿泊室には作品設置に必要な広さや照明などが備わった
床の間スペースと呼ばれる空間が計画されているのが独特です。

それぞれの利用者たちが交流できるスペースも計画されています。
アーティスト同士やパトロンとの距離を近づけ、ハードルを下げ、
アーティストが活躍できる環境を生んでいこうというプロジェクトです。

エントランスになる大空間。飲食等も併設して、それぞれの立場の人たちのコミュニケーションが生まれるスペースに。

プロジェクトの根底にある建物の特性

プロジェクトに説得力を感じられるのは、建物の特性が活かされているから。

もともと卸売市場の食品加工と倉庫の機能を持っていたことから、
加工・運搬が容易な造りの建物です。
広い作業スペースや大開口のエントランスは、
大きな作品の制作や搬出入にも便利です。

そして、卸売市場という立地は、早朝の競りのために
真夜中から大きなトラック等が行き交う、騒音の激しい場所です。
一般的な住居としてはマイナス要因の騒音ですが、
周囲は騒音に対して寛大で、制作音を出しても近所迷惑になりにくいので
アーティストの制作環境としてはメリットなのです。

さらに、徒歩4分ほどの場所にJR山陰線の新駅が建設予定で、
周辺の再開発の計画もあり、注目を集めているエリアでもあります。
新駅ができれば交通の便は抜群なので宿泊客も訪れやすいですし、
アーティストにとっても注目エリアで制作できることが価値になりそうです。

寮だった時代の看板。この立地ならではの機能を持つ建物。

クラウドファンディングも実施中

そんな夢のような企画を実現するために、クラウドファンディングも実施。
運営者の熱い想いや詳細な図面や料金プランも載っていますので、
ぜひ読んでみてください。

最後に…

現場で撮った萌え写真を貼っておきます。
解体現場って、たまらんな〜

取り残されたコンセントボックス

配管シンフォニー

なんだか整然とした瓦礫の山

自然光のやわらかな陰影

屋上ーーー!
京都でこんな景色を見られる場所って実は少ない

JRの高架の向こうに京都タワー、そして東山の稜線

配管シンフォニー 天井編

バックヤードに自然光、贅沢な空間

地下室ーーー!アングラ感がすごい

いつか見えなくなると想うと切ない
作り手がいることを、せめて覚えていたい


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