見出し画像

2023.12.7 北海道議会 予算特別委員会(第2分科会) 質問

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和5年12月7日、第4定例道議会の予算特別委員会(第2分科会)において、質問を行いました。


(一)価格高騰等経済対策について

 はじめに、先日提案された補正予算案について、農業分野における実施内容や期待される効果などについて、以下、伺います。

1 酪農生産基盤の確保について

(1)酪農経営の現状について
 道では、これまで飼料価格の高騰対策や生産基盤の確保に向けた支援など、物価高騰による生産者負担を軽減する対策を実施してきましたが、道として、酪農経営の現状をどのように認識しているか、伺います。

答弁:黒島 農政部生産振興局畜産振興課長
 酪農経営の現状についてでありますが、道では、これまで、生乳の生産抑制や飼料価格の高騰など厳しい酪農経営の現状を踏まえ、配合飼料価格安定制度に係る生産者積立金の全額支援や優良な乳用後継牛の確保に必要な経費の助成など、北海道独自の支援策を講じ、生産者負担の軽減に取り組んできたところでございます。
 こうした中、本年度のプール乳価は、キロ当たり113円7銭と、昨年度に比べ約1割上昇し、酪農家の収入増加が見込まれます一方で、生乳生産量は、この夏の猛暑の影響などから、生産目標数量を下回って推移するとともに、配合飼料価格の高止まりに加えまして、乳用雄子牛、いわゆるヌレ子の平均価格も低迷していることから、依然として厳しい経営環境が続いているものと認識してございます。

(2)追加対策について
 今回追加提案のあった事業では、飼料価格の高止まりなどの影響を受けている酪農家に対し、自給飼料を生産するための経費を支援するとのことですが、どのような内容であるのか、及び、どのような効果が期待されると考えているか、伺います。

答弁:牧野 農政部生産振興局長
 自給飼料生産支援酪農対策事業についてでございますが、配合飼料価格の高止まりなど、厳しい生産環境が続く中、本道酪農が持続的に発展していくためには、良質な自給飼料の生産と利用の拡大を推進していくことが重要でございます。
 このため、道では、本道の恵まれた土地基盤に立脚した飼料の生産体制の確立を後押しするため、自給飼料の生産拡大やスマート農業技術の活用による生産の効率化・高品質化などに取り組む酪農家に対し、搾乳牛1頭当たり5,000円を支援する「自給飼料生産支援酪農対策事業」を、本定例会に追加提案したところでございます。
 道といたしましては、国の対策と併せ、本事業の実施により、自給飼料の生産性の向上と経営支援につながり、酪農経営の安定に寄与するものと考えております。

(3)今後の対応について
 酪農経営は依然として厳しい経営環境が続いていることから、国や道による対策が措置されましたが、道として、今後、酪農経営の維持に向けて、どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:水戸部 農政部長
 酪農経営に対する今後の取組みについてでありますが、我が国の生乳生産量の約6割を占める酪農王国、北海道が、今後ともその役割と責任を果たし、 地域を支える基幹産業として持続的に発展をしていくためには、酪農家の方々が安心して生産できる環境を整えていくことが重要であると考えてございます。
 このため、道では、この度、自給飼料の生産拡大や高品質化などに取り組む酪農家に対し、独自の対策により支援を行うこととし、併せて国の事業も効果的に活用しながら、優良品種を用いた計画的な草地の整備改良やコントラクターなどを営農支援システムの整備のほか、スマート農業の導入による省力化や牛乳・乳製品の輸出を含めた消費拡大など、生産と消費の両面から施策を総合的に展開し、酪農家の方々が将来にわたり、意欲を持って営農を続けられるよう取り組んでまいります。 

2 施設園芸の生産基盤強化について

(1)施設園芸の経営状況について
 燃料価格の高止まりが、施設園芸の経営を圧迫しており、このような状況が続けば営農を継続することができなくなるとの不安や危惧の声も聞かれます。
 燃料や資材の高騰による道内の施設園芸農家に対する影響について、道はどのように認識しているか、伺います。

答弁: 畠山 農政部生産振興局園芸担当課長
 燃料等の高騰による施設園芸への影響についてでありますが、野菜や花きなどを生産する施設園芸は、冬期の加温に使用する暖房費や農業用ビニールなどの生産に必要な資材費の経営費に占める割合が高く、今般の燃料や資材の高騰の影響を受けやすい経営構造となっております。
 具体的には、農林水産省の農業物価統計によりますと、最近の燃料等の価格は、令和5年9月期では、燃料用A重油は、200リットルあたり2万3,620円と、前年同月期に比べ8.2%上昇し、農業用ビニールの価格は100メートルあたり2万1,090円と、11.8%上昇するなど、生産コストが増大し、施設園芸農家の経営に大きな影響を与えているものと認識しております。

(2)国の対策について
 国では、施設園芸の燃料価格の高騰対策として、燃料価格が一定基準を上回った場合に補填金を交付する「施設園芸セーフティネット構築事業」を措置していますが、その実施状況を伺います。

答弁: 畠山 農政部生産振興局園芸担当課長
 施設園芸セーフティネット構築事業についてでありますが、本事業は燃料価格の高騰に備え、3戸以上の農業者が、省エネルギー化や生産性の向上に取り組む計画を策定し、国と生産者が1対1の割合で資金を積み立てることにより、燃料価格が国の定める発動基準を上回った場合に、差額分が補填される仕組みであります。
 近年の実施状況につきましては、令和3年10月から4年6月までの令和3事業年度では、A重油と灯油を対象に15団体275戸に対し、1億1,633万円が補填され、令和4事業年度には、対象燃料にLNGやLPガスが追加され、26団体322戸に対し、2億6,396万円が補填されたところでございます。
 また、本年10月からの令和5事業年度の加入申込みは、これまで過去最高となる27団体336戸となっております。

(3)追加対策について
 燃料価格の高騰に対しては、国の事業が活用されていることもあり、追加提案のあった事業では、エネルギー転換や高温障害による収量減のリスクへの対応に向けた取組みなどを支援するとしていますが、どのような効果を考えているのか、伺います。

答弁: 畠山 農政部生産振興局園芸担当課長
 施設園芸生産基盤緊急支援事業についてでありますが、園芸用ハウスなどの省エネルギー化や暑熱対策を推進するため、この度、追加提案している「施設園芸生産基盤緊急支援事業」では、燃料使用量の削減が図られ、温度や稼働時間を細かく設定できる暖房機や、燃料を使用せず加温するヒートポンプ、暖房が不要な無加温ハウスのほか、ハウス内の温度を下げて、高温障害の発生を抑制するミスト送風機や自動換気装置の導入などを支援することとしたところでございます。
  道といたしましては、こうした機器や設備の導入を推進することにより、省エネルギー化や暑熱対策の双方の効果を期待しているところでございます。

(4)今後の対応について
 燃料等資材価格が高騰する中、国や道による対策が措置されましたが、施設園芸はもともと経営費に占める燃料費の割合が高いことから、燃料価格高騰の影響を受けにくい経営への転換を進める必要があると考えます。道は、施設園芸経営の安定に向けて今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:水戸部 農政部長
 施設園芸の経営安定に向けた取組みについてでありますが、燃料やビニール等の資材価格の高騰が長期化する中、施設園芸の経営安定を図るためには、 ハウス内におけるエネルギー利用の効率化を進め、本年のような猛暑のほか、資材価格の変動など外的要因の影響を受けにくい安定した生産・供給体制に転換していくことが重要であると考えてございます。
 このため、道では、国の燃料価格高騰対策と併せ、本定例会に追加提案しております「施設園芸生産基盤緊急支援事業」を実施し、ハウスなどの施設における省エネルギー化の促進や暑熱に対して効果のある設備の導入に加えまして、スマート農業技術などの先進的技術の活用などにより、さらなる生産性の向上と作業の効率化や省力化を図り、本道の施設園芸の経営体質の強化に努めてまいります。

3 水田の畑地化に向けた取組みについて

(1)畑地化促進事業の採択状況について
 国は、畑作物の本作化対策に係る水田活用関連予算を補正予算で措置しましたが、「畑地化促進事業」については、採択されず保留とされた農業者が多数生じていると聞いています。
 この点については、第3定例道議会予算特別委員会で我が会派の同僚議員からも伺ったところですが、その後の状況も含め、改めて北海道における採択状況について、伺います。

答弁:花岡 農政部生産振興局農産振興課長
 畑地化促進事業の採択についてでありますが、国の令和4年度第2次補正予算におきまして、水田を畑地化して、小麦や大豆、野菜などの生産に取り組む農業者への支援として、畑地化促進事業が措置され、本年9月に1次採択とされたものの、北海道では多くの農業者の採択が保留となったところです。
 こうした中、先月29日に成立しました国の令和5年度補正予算が追加措置されたことによりまして、保留されていた道内の農業者の畑地化の取組みがすべて2次採択されたところです。

(2)土地改良区決済金等支援について
 「畑地化促進事業」のうち、畑地化に伴い土地改良区に支払う必要が生じる地区除外決済金等を支援する「土地改良区決済金等支援」については、第3回定例道議会に続き本定例道議会においても補正予算案に計上されています。
 これまでの実施状況と追加採択が見込まれる時期について、伺います。

 【答弁:花岡 農政部生産振興局農産振興課長
 土地改良区決済金等支援についてでありますが、道では、先の第3定例会において、農業者が土地改良区に支払う地区除外決済金等を支援する「畑地化推進事業費補助金」を予算措置し、9月に1次採択された農業者に対する補助金の円滑な支出に向けた体制整備を進めてきたところです。
 この度、国の令和5年度補正予算の成立を受け、これまで保留となっていた農業者の全てについて、2次採択されたことから、道では、本定例会において、必要な予算を追加し、年度内に支払いを終えることができるよう手続を進めているところであります。

(3)今後の対応について
 先ほど、保留されていた畑地化の取組みについて、すべて2次採択されたとの答弁がありましたが、国の令和5年度補正予算による追加措置まで、農業者の採択が保留されたことで、円滑な水田の畑地化に支障が生じたと伺っています。
 道として、畑地化の推進に向けて今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:水戸部 農政部長
  水田の畑地化の推進についてでありますが、水田地域における畑地化に伴い、小麦や大豆など需要のある作物への転換をはじめ、営農支援組織や水利用のあり方などが大きく変わることが見込まれる中、本道の水田農業が将来にわたり発展していくためには、農業者や関係団体などが、地域の目指すべき将来像に向けて一体となって取り組んでいくことが重要であると考えてございます。
 このため、道としては、関係機関・団体と連携しながら、地域における産地形成に向けた検討の加速化や、将来のビジョンづくりを後押しするとともに、その実現に向けて、農業生産基盤の計画的な整備やスマート農業技術による生産の効率化、普及センターの技術指導、さらには、国の事業を活用した乾燥調製施設の整備などの施策を総合的に推進し、地域の農業が持続的に発展されるよう取り組んでまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 ここまで価格高騰等に対する農業分野への対応等について答弁頂きましたが、今回の追加対策に込めた知事の思いなどを改めて伺いたいと存じますので、委員長よろしくお取り計らい願います。(知事総括へ)

(二)花きについて

 次に、花き(花卉)について、伺います。

1 花きの位置づけについて

 花きの振興について、道は、令和2年7月「北海道花きの振興に関する条例」を制定し、令和12年度(2030年度)を目標年度とする「北海道花き振興計画」に基づいて諸施策を展開していると承知しています。
 まず、確認の意味で、道の農業振興策全体のなかでの花きの位置づけについて、道の認識を伺います。

答弁:畠山 農政部生産振興局園芸担当課長
 道産花きについてでありますが、本道の花きは 昭和40年以降、冷涼な気候を生かした水田転作作物として、道南や道央を中心に生産される中、小規模でも経営が成り立つ高収益作物であり、新規就農者でも比較的取り組みやすい作物として位置づけているところでございます。
 また、産出額は、令和3年で130億円と、北海道全体の農業産出額の1%程度のシェアとなっておりますが、道産花きは、冷涼な気候を生かし、府県の生産が減少する夏場の主産地として高い評価を得るとともに、花には、日常生活に彩りや安らぎを与えるなど、私たちの暮らしにおいても、大きな役割を担っていると認識しております。

2 花きの輸出について

 本年11月17日から19日、ベトナム・クアンニン省・ハロン市で、「北海道フェスティバルinハロン」が開催されましたが、道内花き関係者のご協力の下、レセプションの会場等に、北海道産の切り花が飾られたり、参加者に配布されるなどして、花文化が盛んなベトナムの皆さんに好評を博しました。
 私自身も訪越しましたが、言葉を使わずとも思いが伝わるという花の力を再認識したところです。
 日本産、北海道産の花きは、海外の花きとは異なる繊細さを持ち、海外からも一定の需要があると聞いているところであり、北海道産花きの輸出については、大きな可能性があるものと考えます。
 「北海道花き振興計画」でも一部触れられておりますが、北海道産花きの輸出をめぐる状況について、道はどのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:牧野 農政部生産振興局長
 道産花きの輸出についてでありますが、道産花きを扱う市場関係者からは、現在、恒常的に輸出している道内の産地はないものの、先月、ベトナムのハロン市で開催されました「北海道フェスティバル」において、道産のアルストロメリアが展示され、花色の鮮やかさや日持ちの良さから、参加した関係者から大変好評だったと聞いているところでございます。
 道といたしましては、令和3年3月に策定いたしました「北海道花き振興計画」におきまして、道産花きの輸出に向けた取組みを推進することとしており、具体的には、関係団体と連携し、植物検疫などに関する情報の収集・提供、花きの品質保持や貯蔵管理の技術開発と普及、輸送中の鮮度保持や日持ちの向上の技術開発と普及など、道内外への出荷を拡大するのみならず、今回イベントを実施したベトナムをはじめ、諸外国への輸出に対応できる産地の体制整備などに取り組んでまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 花き関係者はもとより、経済部など関係部局ともしっかり連携して、取組みを進めていただきたいと思います。

3 花き生産の安定化について

 一方で、花きの流通・販売に携わる方々からは、花き生産者の減少が続き、このままの状況が続けば、花の種類によっては、道内での調達が難しくなってしまうとの危惧の声が寄せられています。
 道は現状及びその要因をどのように認識しているか、また、花き生産の安定化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、併せて伺います。

答弁:水戸部 農政部長
 花き生産の振興についてでありますが、近年、高齢化の進行や生産資材コストの高止まりの影響によりまして、花き生産農家は減少しているものの、生活に潤いと安らぎを与える花きは、私たちの暮らしになくてはならないものであり、本道において花き生産の安定化を図ることが重要であると考えてございます。
 このため、道としては、高品質な花きの安定生産に向け、北海道花・野菜技術センターで実施しております花きの栽培技術研修をはじめ、普及センターによる品目の特性に合わせた生産技術の指導、スマート農業技術の導入による生産の省力化、日持ち性を向上させる流通の高度化 や効率化を推進するとともに、令和2年7月に制定した「北海道花きの振興に関する条例」に基づき、「北海道花の日」を中心とした道産花きの認知度向上や需要拡大の取組みの推進など、生産と消費の両面から総合的な施策を推進し、関係者と一体となって本道の花き振興に努めてまいります。

(三)ホッカイドウ競馬について

 次に、ホッカイドウ競馬についてであります。
 本年のホッカイドウ競馬は、門別競馬場で、4月19日から11月9日まで開催され、本年も発売額が4年連続で500億円を超えるなど、引き続き好調に推移していると承知しています。
 道は、令和3年3月に「北海道競馬推進プラン」を策定し、3年近くが経過しましたが、本年度の取組状況や発売傾向などを分析し、来年度以降も安定的な運営を続けていくことが重要であると考えますので、以下、伺います。

1 発売額について

 はじめに、本年度の発売額と近年の推移について、伺います。

答弁:木村 農政部競馬事業室参事
 発売額についてでありますが、今年度のホッカイドウ競馬は、春先まで走路整備を行ったため、昨年より3日少ない4月19日から11月9日までの82日間の開催であったことから、発売額は前年比97.2%の512億8,091万円となりましたが、1日当たりの発売額は、前年比100.7%と昨年より445万円多い6億2,537万円となったところでございます。
 近年の発売額の推移については、平成23年度から令和4年度まで12年連続で前年実績を上回るなど好調に推移しておりまして、直近では令和2年度が520億円、3年度が522億円、4年度が527億円と、4年連続で500億円の大台を確保しているところでございます。

2 全国の発売傾向について

 全国には、北海道の門別及び帯広競馬場を含めて、地方競馬場は15カ所ありますが、地方競馬全体の発売状況はどのような傾向になってきていると把握しているのか、伺います。

答弁:木村 農政部競馬事業室参事
 地方競馬全体の発売状況についてでありますが、全国では現在、14の地方競馬の主催者が、15カ所のいずれかの競馬場で365日競馬を開催しており、全体の発売額は、平成24年に3,326億円となった以降、11年連続で前年実績を上回り、令和4年度には史上初めて1兆円を超える1兆700億円を記録するなど、好調に推移しているところでございます。
 本年度につきましては、4月から10月におけるこれまでの 発売額は、開催日数の減少などから、前年比99.3%の6,131億円と昨年をやや下回っているものの、1日あたりの発売額では、前年比100.1%の7億5,692万円と昨年と同水準となっておりまして、引き続き堅調に推移しているところでございます。

3 本年度の取組みについて

 ネットでの発売額が全体の9割を超え、馬券の購入者も全国区となっており道民のみならず全国の方々に支持されるよう取り組むことが必要と考えます。
 本年度はどのようなことに重点を置いて取組みを行ってきたのか、また、その効果についてどのように分析しているか、伺います。 

答弁:安田 農政部競馬事業室長
 本年度の取組みについてでありますが、近年、インターネットなどによる発売額が9割を占め、全国の主催者との競合が増す中、ホッカイドウ競馬が発売額を着実に確保しながら、安定的な経営を続けていくためには、全国の競馬ファンの皆様に選ばれる魅力あるレースを提供していくことが重要でございます。
 このため、出走頭数の確保に向けて、本年はこれまでの冬期間に門別競馬場で調教する馬への支援や出走馬の購入補助に加えまして、賞金・諸手当を充実するとともに、レース情報の提供や競馬ファンの皆様と一緒にレース予想を楽しむYouTube番組の解説など情報発信を強化するほか、門別競馬場への無料バスの再開や特産品の来場者プレゼントといったファンサービスの充実などに努めてきたところでございます。
 こうした取組みにより、1日当たりのレース数や出走頭数が前年を上回り、レースの充実が図られますとともに、5月3日には門別競馬場の来場者数が3,546人の入場レコードを記録したほか、11月3日に実施しました第4回JBC2歳優駿競争では、発売額が10億円を超え、1レース当たりの発売額の過去最高を更新するなど 発売額の確保につながったものと受け止めております。

4 門別競馬場きゅう舎地区などの整備について

 門別競馬場のきゅう舎は、昭和57年に門別トレーニングセンターとして開所された当時から使用されており、老朽化が著しいため、本年度から整備に着手していると承知しています。
 整備の進捗状況、今後のスケジュールや全体の整備計画などについて、伺います。

答弁:安田 農政部競馬事業室長
 門別競馬場の整備についてでございますが、道では、一昨年3月に策定した「第3期北海道競馬推進プラン」に基づき、老朽化した門別競馬場につきまして、騎手や調教師など関係者にとって住みやすく働きやすい職場環境を整えるとともに、多くの競馬ファンの皆様が楽しめるよう、来場スペースを拡張するなど安全で効率的な競馬の運営に向けまして、再編整備することとしてございます。
 このため、本年度は、老朽化したきゅう舎の整備に着手するとともに、今月から移設先エリアの森林伐採工事を行い、順次、用地造成やインフラの整備、きゅう舎の建築を進めるとともに、業務施設や住居などにつきましても、今後、計画的な整備に向けた検討を行い、将来に向けて競馬事業が安定的に運営できるよう努めてまいります。

5 今後の取組みについて

 ホッカイドウ競馬の財源となる馬券発売額は、4年連続で500億円台を確保していますが、一方で、物価や人件費の高騰等、必要な経費は大きく増加していると考えます。
 単年度黒字決算を継続し、今後も安定的な運営を図るためには、ホッカイドウ競馬の魅力を一層高めていくことが必要であると考えますが、今後、どのように取り組んで行くのか、伺います。

答弁:水戸部 農政部長
 今後の取組みについてでありますが、ホッカイドウ競馬は、馬産地に立脚した競馬として、全国への競走馬の供給はもとより、市場で成立しない馬を生産者自らが馬主となって出走させるセーフティネットを担うなど、地域の雇用や経済を支える重要な役割を果たしておりまして、今後とも多くの競馬 ファンに支持されながら、発展していくことが重要であると考えてございます。
 このため、道としては、「第3期北海道競馬推進プラン」に基づき、産地をはじめ関係者の方々と一体となって、競馬ファンに選ばれるよう出走頭数の確保やJRAとの交流競争など魅力あるレース番組の提供や情報発信の強化等に努め、門別競馬場への来場促進による新たなファンの掘り起こしや発売額の拡大を図るとともに、老朽化したきゅう舎や業務施設などの基幹施設の整備を計画的に進めながら、ホッカイドウ競馬が我が国の競馬界を下支え、将来にわたって安定的に運営できるよう取り組んでまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 先ほどの答弁にもございましたけれども、ネットでの発売が9割ということでございます。そうしますと当然、他との差別化というものをしっかり図っていく、他の娯楽であったり、他の地方競馬場との差別化をしっかり図っていくということが重要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

(四)農業の担い手・労働力の確保について

 次に、農業の担い手・労働力の確保についてであります。
 令和4年の道内での新規就農者は410名で過去最も少ない人数となったと承知しています。新規就農者の減少は、全国的にも同様の傾向であり、人口減少が進む中、今後も益々道内での新規就農者の確保が難しくなると考えます。
 そこで、道の認識や取組みなどについて、以下伺います。

1 新規就農者数の推移について

 道の第6期農業・農村振興推進計画においては、令和12年度(2030年度)までに新規就農者数を670人とする目標を掲げていますが、近年の道内における新規就農者の推移と道の認識について、伺います。

答弁:鈴木 農政部生産振興局技術普及課長
 新規就農者数の推移などについてでありますが、北海道の新規就農者数は令和元年は454人、2年は474人、年は477人、4年は前年と比べ67人減少し、410人と過去最少となったところです。4年の内訳をみますと、学校卒業後すぐに親元に就農する新規学卒者は145人で、前年の146人と比べ1人減少しましたが、他産業に従事してから親元に就農するUターン就農者は156人で、前年の203人と比べ47人と大幅な減少、また、農外から新たに就農する新規参入者は109人で、前年の128人と比べると19人減少しています。この要因といたしましては、農家戸数の減少に伴い後継者が減ったことや、近年の雇用情勢の持ち直しによる他産業への就職、増加傾向にある農業法人への雇用増、さらには、新型コロナウィルス感染症拡大による就農相談や研修機会の減少などによるものと考えております。

2 新規就農対策について

 新規就農者の確保は、農政において最重要課題のひとつであると考えますが、道では、これまでどのような対策を行ってきたのか、伺います。

答弁:鈴木 農政部生産振興局技術普及課長
 新規就農者の確保についてでありますが、道では、新規就農者の確保に向け、高校生や大学生に農業に関心を持ってもらうことを目的として、振興局で農業者を講師として行う就農促進セミナーを開催するとともに、就農準備段階の方々に対しては、担い手育成センターにおける相談対応や研修先の紹介・あっせん、農業大学校での実践教育や技能の習得の機会の提供、研修に必要となる資金の交付などを行っています。さらに、就農後間もない方々に対しましては、就農時に必要となる資金の交付や施設機械の導入支援、就農後における普及センターによる技術指導など、就農準備段階から経営が軌道にのるまでの各段階に応じた取組みを行っているところです。

3 法人数の推移について

 農業経営の法人化は、離農者の農地引き受けや就農希望者の研修受け入れなど地域農業の維持につながることが期待できます。
 道内における農業法人の大部分を占める、農地を所有する農地所有適格法人の推移、及び、法人化に向けた道の取組みについて併せて伺います。

答弁:佐々木 農政部農業経営局農業経営課長
 農地所有適格法人についてでありますが、本道の農地所有適格法人数は、毎年1月現在で、平成31年は3,605、令和2年は3,716、3年は 3,830、さらに4年は3,889と、年々増加しております。
  こうした中、道では、農業者や企業による農地所有適格法人の設立を支援するため、経営相談会の開催や税理士など専門家の派遣による経営計画づくりへの助言・指導に加えまして、本年4月には、農業経営・企業連携サポート室を新たに設置し、就業規則の作成支援など雇用人材の確保に向けた働きやすい環境づくりについても一体的に支援する体制を強化したところでございます。

4 雇用労働の現状について

 道内の農業分野における雇用労働者の確保も難しくなってきていると聞いています。トマトなどの野菜類は収穫時に多くの人手を必要とし、規模縮小を考えなければならない事例もあると耳にするところです。
 道内農業の雇用労働の現状について、伺います。

答弁:佐々木 農政部農業経営局農業経営課長
 道内の雇用労働の現状についてでありますが、農林水産省の農林業センサスによりますと、令和2年の道内の雇用労働者数は、従事期間が7ヶ月以上の常雇いが1万5,430人、従事日数は延べ329万日であり、従事している経営形態は通年雇用がしやすい酪農、肉用牛、施設野菜の順に多くなっております。また、従事期間が7ヶ月未満の臨時雇用は9万3,985人、従事日数は延べ221万日で、従事している経営形態は、収穫時期に多くの労働力を必要とする稲作、露地野菜、施設野菜の順に多くなっております。

5 雇用労働力確保に向けた取組みについて

 農業における労働力確保に向け、道ではこれまで、どのような取組みを行ってきたのか伺います。

答弁:佐々木 農政部農業経営局農業経営課長
 雇用労働力の確保についてでありますが、道では、担い手を支える雇用人材の確保を図るため、農業者を対象とした働きやすい環境づくりのセミナーの開催や、退職予定自衛官を対象としたインターンシップの実施に加えまして、1日単位の農作業が可能なアルバイトアプリの利用促進に向け、実際にアプリを利用して農作業を行った体験談などを集め、農産物直売会など地域 イベントで情報発信してきたところです。
 また、外国人の方々や農福連携による人材の確保に向け、特定技能外国人を酪農家に代わって搾乳などの作業を行う「酪農ヘルパー」として雇用するためのモデル事業を実施するとともに、農福連携の取組みへの指導助言を行う人材育成を目的に、農業者や福祉事業所の職員などを対象とした道内初となる農林水産省認定の研修会を実施したところであり、今後は研修修了者を農業現場に随時派遣し、障害者の円滑な受入れや定着に向けた支援を行うこととしております。

6 今後の取組みについて

 本道の国内における食料供給地域としての役割はますます重要なものとなっていく一方、農業従事者のうち65歳以上の方の割合は、他の都府県の72パーセントを下回ってはいるものの、40パーセントと高い水準にあります。
 新規就農者や雇用労働力確保に向け、道は今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:水戸部 農政部長
 今後の取組みについてでありますが、本道の農業・農村 が持続的に発展していくためには、新規就農者をはじめ、農業生産を担う多様な担い手とそれらを労働力で支えるパートやアルバイト、外国人、農福連携など多様な人材の育成・確保が極めて重要であると考えてございます。
 このため、道では、新規就農者の確保に向け、担い手育成センターにおいて、農業の理解を促進する情報発信、就農希望者に対する相談対応や研修先の紹介・あっせんをはじめ、研修時や就農時に必要となる資金の交付、施設・機械の導入支援による農作業の効率化、さらには、雇用人材の確保に向けて、外国人の方々や障害者などが、農業現場において働きやすい環境づくりを支援しているほか、農作業のアルバイトアプリの利用促進などに取り組んでいるところでございます。道としては、今後とも、関係機関や団体と一体となって、こうした施策を効果的に組み合わせながら、多様な担い手と人材の確保に努め、我が国最大の食料供給地域としての役割を果たしてまいります。
 
(指摘:千葉 真裕)
 先ほど「雇用情勢の持ち直しが新規就農者の減少の要因の一つと考えられる」といった旨の答弁がありましたが、人手不足は、全産業にわたり深刻な問題であり、今後、状況はますます厳しくなってまいります。あらゆる施策を活用して、根気強く取り組んでいただくようお願いして、質問を終わります。(了)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?