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「ほとんど」だけど、「大きな」こと

ワインや料理に合わせるおいしいパンを焼きたくて、
何度かトライしてみたが、うまくいかない。

何が悪いのかわからず、
いくらやっても、同じようなパンしか焼けない。
これはいちど、基本を習おうと思い立ち、
近所のパン屋さんの体験教室に参加してみることにした。

パン教室では、言われるとおりに
生地をこね、形を整えて、オーブンで焼いた。
するとどうだろう、驚くほど簡単に、
おいしそうなパンが焼けた。


何が違ったのか。
材料に特別なものはなく、
作業も、これまでやってきたものと「ほとんど」変わらない。
こねるときの姿勢とこね方、生地の重ね方が違うくらいだ。

とはいえ、うまく焼けたのは紛れもない事実。
とりあえず、習ったことを復習すべく、翌日、自宅で
再度パンを焼いてみた。

材料はぜんぜん違うが、いつもの自分の行程に
教室で教わったことを組み入れながら、作業を進めた。

はたして、これまでとはまったく違う、
自分の目指していたようなパンが焼けたのだった。


変更したのは、ほんのささいなことだけだった。
どんなに単純に見える作業でも、そこには大きな技と知恵があるものだ。
それは「ほとんど」だが、「大きな」違い、だった。

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