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魔術師のようなサッカーコーチの指導法

息子が小学生になり、地元の少年サッカーチームに入った。

よくあるボランティアのコーチがやっている小学生向けのサッカーチームと思っていたら、その本格度において想像と全然違った。

なんとメンバー数170人以上、コーチ、監督もボランティアではなくスポーツで生計を立てているプロのコーチが10人以上。前回指導してくれたコーチはなんとセリエAの2部リーグでプレーしていたと聞いてビックリ。「おいおい、こりゃJリーガーユース養成チームじゃないか?!」と思ってうちの子大丈夫かなと思ったが、それは杞憂に終わった。

全部で5チームもあって、一番上の選抜チームは東京都内でも上位を狙うようなバリバリの精鋭チームだが、一番下のチームは楽しくやることが目的のチームのようだ。

早速息子は週2回の練習も楽しく通ってて、自分も小学校からサッカーをやってる身としては嬉しい限り。ということで週末は練習を観に行ってるのだが、とても興味深いのはコーチの指導法だ。

つい先日まで幼稚園児だった子供たちが相手なので、まず話を聞かせることから大変だ。「さあ、どうやるのかな?」と見ていたから、それが見事に子供の心を掴む巧みな指導だった。

まず子供に受けそうなユーモアを交えて、大袈裟なリアクションで笑いを取りながらクイズなんかも交えて子供の気分を乗せていく。

楽しいだけじゃなく、一線を越えてふざけたり、話を聞かなかったりすると、ピシッと叱って、すぐにまた楽しく指導する。そのメリハリが実に見事なのだ。

一つひとつの練習メニューも鬼ごっこやダンスなど楽しくやるゲームにアレンジされているが、よくよく見るとサッカーの基礎に必要な基本的な動きの反復が上手に組み込まれている。子供たちは夢中でゲームのような練習をこなしていると無意識のうちにサッカーの基礎に必要な体の動きを体得していくのだ。

最高の教育は、教わってる子が教わってることを忘れること。

つまり教わっている子が教わってることを意識しないぐらい楽しく夢中になってやった結果、自然と大事なことが身に付いている。このサッカーチームのコーチたちはそれを高いレベルで体現していて、仕事でビジネスの教育に携わっている身としては見習いたい部分が満載だ。

「無意識のうちに身体に覚え込ませる」

これを実現するための教育カリキュラムの設計。

多摩川の河川敷で子供たちの楽しそうな声と笑顔を見ながら「「教える」ということは想像以上に奥が深く、まだまだ未知の領域が広がっていそうだな。」なんて考えていた。

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