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お風呂の順番。

         (約900字)

 毛布がかかってなくて、朝、指先が冷えきっていてびっくりすることがある。
 
 冬じゃん!
なんで毛布を蹴って外してしまうんだろう。
それでお腹を下しちゃって、
下痢で数時間、苦しんだりする。

 仕事に行く日だと、それで遅刻したことがある。トイレ通いが止まらないんだから、当然のこと。

 何故か?

 実家で甘やかされていたから。

 私は実家で暮らしていたとき、必ず、
入浴は最後だった。

 家族は一番多いとき、7人で暮らしていた。

 父、母、祖父母、弟、妹、と私。

 他の家族が起きているとき、お風呂に入れなかった。脱衣所と歯磨き、洗面をする部屋が一緒で、家族相手でも「いま、着替えてるから、入って来ないで」と言う一言が言えなかった。

 家族は気を遣えるひとたちだから、着替えをしているところに入室することはないし、虐待されていたわけではない。

 でも、異様に私は恥ずかしい気持ちがあって、子供の頃から母や妹と入浴することもなかった。
 バスタブは、二人でも入れるサイズだったのに。

 家族(母や妹)と入浴した記憶は、旅行先の露天風呂くらいだ。

 妹なんか脱衣所でも堂々として、露天風呂で泳いでいた。

 私には人前で無理なことが、弟や妹は平気だった。
  
 夜中にお風呂から上がって、長い髪を乾かすのが面倒で、本を読んだり音楽を聴きながら
ボーっとして、自然に乾くのを待ったりした。

 そのまま横になって、眠ってしまい、夜中に母や祖母が私がリビングにいるのを見に来て、布団を掛けてくれたり、早く布団に入るように声を掛けに来た。

 家族にとって、幾つになっても世話がかかる存在だった。

 孫がいても不思議じゃない年齢になっても、実家に帰省すると、母は丑三つ時に二階から降りてきて、私の心配をする。

 静岡でも、田舎の実家では雪が降ることもある寒さがくるため、お腹を出して寝ていたら、命の危険がある。

 一人暮らしの部屋は、死ぬほど寒いわけではない。
 
 だから、父や母は仕事があるなら、実家に帰って来ない方がいいと笑う。

 家族で一番、心配をかける私は、書くことは立派でも、「残念なおとな」で。

 おせっかいを焼いてくれる家族には、こんな長女でもかわいい存在だから、それも親孝行と心得る。

 笑える投稿記事があり、元気になった。

 今日は、実家に電話しよう。


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