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【TRPG】『ハイフェッツをなぞる病』【CoC】

ボンチノタミ、ジョーカーです。

以前より気になっていたCoCシナリオ『ハイフェッツをなぞる病』にいってきました。
相方は『ぼくしら』でご一緒したハトムラさん
KPらぎーさんオススメのハイフェッツ! とても楽しみ!
ハトムラさん、お声がけいただき本当にありがとうございました。

※途中まではネタバレありません。
※後半、ネタバレ部分の前に注意書きをしております。


『ハイフェッツをなぞる病』概要

今回のシナリオ概要。
天才と秀才の物語です。

■セッション概要

これは天才と秀才の物語である。

対応PL数:HO有二人用
推定時間:2時間半程度
推奨技能:高INT。だが高INTの方が、後遺症が大きい。
ロスト率:ロスト有だが可能性は低い

【前提】 継続可、2PL(改編でタイマン可) 職業は同種であり、顔見知り以上が好まれる。
なお、製作、運転、操縦、芸術(または二人に関わるセッション内のみのオリジナル技能)のいずれかを最初に設定していただく。HO天才はそれをセッション内でのみ80%で振れる。HO秀才はそれを60%で振る事が出来る。これはキャラシに記入している技能以外で構わない。所謂シナリオ限定ボーナスポイントである。

『ハイフェッツをなぞる病』概要より

事前の相談で、HOはハトムラさんが天才、わたしが秀才に
秀才やりたかったので嬉しい! ありがとうございます。
職業は映画監督に決定しました。
オリジナル技能は「芸術(映画)」です。

探索者

今回、探索者のキャラシを作るにあたり、お互いの最低限の情報を事前に相談しました。
秘匿があるのでキャラシを見せ合ったり事前に全てを相談したりはできませんが、互いに知り合いであるということもあり、いくつか設定を考えました。

・年齢はふたりとも29歳
・大学の同期で、映画研究サークルに所属
・天才は学生時代は観る専、秀才は学生時代も映画を制作
・大学卒業後、天才は一度弁護士になるが趣味で撮った一本の映画がバズり、映画監督に
・大学卒業後、地道に映画制作を続けてきた秀才も同じころ、有名映画監督に
・半年程前、ある小さな映画祭の審査員として再会し連絡先を交換したが特に交流はなし

そしてもうひとつ。

お互いの名前に共通性を持たせることにしました。
朝と夜、太陽と月など、対になる言葉にしようかとも思ったんですが、最終的に「花言葉」をベースにすることに決めました。
互いの探索者の名前や簡単なプロフィールなどはセッション直前に公開するので、互いに対する感情や探索者自身を表す花言葉などをモチーフにした名前を考え、公開時に初めてお互いの名前の花言葉を調べて知る……ってエモくない??? ということになりました。
結果として最高にエモかったです。

さらに映画監督なので好きな映画も考えたんですが、秀才が『ガタカ』を選んだのに対し、天才は『素晴らしき哉、人生!』というエモさ。
※どちらもいい映画なのでご存知ない方はぜひ観てみてください。

ということで、今回の探索者はこちら。

映画監督・烏頭葉千寿(29)
身長164.8cmでちょっと童顔

名前・誕生日の由来について。
烏頭葉:烏頭(トリカブト)の葉
▷トリカブトの花言葉は「栄光」⇔「あなたはわたしに死を与えた」
千寿:千寿菊(マリーゴールド)の花
▷マリーゴールドの花言葉は「信頼」「友情」⇔「絶望」「嫉妬」
6月22日の誕生花:ガマズミ
▷ガマズミの花言葉は「私を無視しないで」

天才への嫉妬と友情の気持ちを抱えた秀才です。

相方の立ち絵と対にしたくて
追加で描いた立ち絵

HO天才:立浪 有志美(たつなみ あしび)PL:ハトムラさん
HO秀才:烏頭葉 千寿(うずのは せんじゅ)PL:JOKER★

そして今回は、既にこのシナリオを通過済みのイチコさん氷さん両名が「見学」という形でわたしたちのセッションを見守ってくださいました!
リアルタイム感想やセッション中に描いてくれたイラストなどを終了後に拝見させていただくことができ大変嬉しかったです! ありがとうございました。

せっかくなので対になる感じも撮ってもらいました

結果は両生還エンドでした。

天才&秀才、ふたりの映画監督による金曜ロードショー。
観客もいるなんて最高!
本当に、あなたと行けてよかった! ありがとうございました、ハトムラさん。
素晴らしいキーパリングをありがとうございました、らぎーさん。

俺の天才は、最高の天才だったよ。





以下、ネタバレありの記録と雑感






ネタバレありです!気を付けてください。




※『ハイフェッツをなぞる病』シナリオのネタバレを含みます。




※自分用のメモ程度の記録や感想を書いています。
※今回もあまりメモ取れていないのでうろ覚えも多いです。




まず、PLがお互いにお互いのプロフィールを確認したのがセッション2日前だったのですが、前述した名前の由来や好きな映画の内容により、既に情緒がめちゃくちゃ。
始まる前からアクセル全開の自陣。

さらにその気分を爆アゲしてくれたのが、KPらぎーさんのご用意くださったお部屋!
らぎーさんは毎回、ハイフェッツのPLの職業に合わせて部屋のレイアウト、演出、BGM、描写などを細かく作ってくださるということでめちゃくちゃ楽しみにしていたんですが、今回、我々映画監督の部屋はシアター風で、オープニングも映写機のカタカタと回る音に合わせてナレーションが入り、スクリーンにカウントダウンが表示されるというレトロ映画の雰囲気。
ああもう、本当に最高です! 映画監督部屋! ありがとうございます。

秀才は初っ端から秘匿SAN値チェック
これは事前に言われていたことだったので、秘匿タブで淡々とダイスを振るわたし。成功しSAN-1。
ハトムラさんの「エッ!? なんか秀才のSAN値いきなり減ったんですけど!?」という驚きの声が響きます。「気のせいです」と返すわたし。きのせいじゃねえよ。
この後も、秀才のコッソリSAN値チェックは何度かおこなわれました。
終了後に知ったんですが、このシナリオ、秀才のSAN値が減りやすいらしく、発狂率が高いとのこと。
が、烏頭葉は一度も発狂しませんでした。POW12でSAN値60くらいなんで、そんなに高くはないんですが、SAN値チェックで大きな失敗もなく発狂もせず、割りと終始冷静なままでした。

導入、ラーメン屋で霊山 和保(よしやま かずほ/NPC)なる人物と食事をしていた天才と秀才、突然意識を失って、目覚めると白い部屋にいました。

部屋の壁には貼り紙。右側と左側にそれぞれ1枚ずつあります。
右側を見たのは天才。『合言葉を決めましょう』と書いてありました。
ここでアイデアロール。ふたりとも成功。
合言葉は決めておいた方がいいっぽいです。
天才「合言葉だって」
秀才「決めとくか」
天才「開けゴマ! とか?」
秀才「いやいや、あんだけいい台詞書いてあんだけいい映画撮る人間が語彙力それ?
天才「だって、扉を開けるといえばこれでしょ。ここから出たいんだから」
秀才「いや、出るための合言葉かわかんないじゃん。もしかしたらプレデターみたいなやつが襲ってきたときにすごい力が使える合言葉とかかもしんないし」
天才「あー」
秀才「プレデターvs開けゴマはないだろ?」
天才「じゃあ烏頭葉は何かいいの思いつく?」
思いつかない秀才。
秀才「……じゃあ、ゴマでどうよ」
秀才も語彙力なかった。
もっと映画に絡めた言葉とかにしたかったんですが、しっくりくる言葉も浮かばず……最終的に合言葉は、ふたりで声を揃えて「ゴマ!」と叫ぶことになりました。
いいのかそれで。

左側を見たのは秀才。『才を奮え、さすればこの空間は消える』と書いてありました。

秀才「才を奮え?」(賽を振るえじゃなくて?)
天才「才……映画監督だし、映画を撮れってことかな」
ここでアイデアロール。
天才は成功。
秀才は失敗。まさかの100ファンです。いきなりファンブルかますな。

才というのは、やはり自分たちの才能のことらしい。
つまりここでシナリオのオリジナル技能である「芸術(映画)」ロールに挑戦です。
天才は成功。オーディション会場でイメージピッタリの役者さんと出逢えるビジョンを見ました。
秀才は失敗。衣装確認でスタッフとすれ違ってしまうビジョンを見ました。
どうやら映画制作の工程についてのビジョンのようです。

ビジョンを見終えたふたり。
秀才「なんだ今の。立浪は何が見えた?」
天才「特に悪いものは見なかったよ」
秀才「俺は悪いもん見たんだけど……違うもの見てたのか?」
天才「もしかしたら、同じだけど見え方が違っただけかもしれないし」
特に互いが見たビジョンの内容には言及せず。
ここで目星ロール発生、成功。
部屋の中央の壁に大きな白いポスターが貼ってあることに気付きました。
天才「これはがせるかな?」
KP「ではその白いポスターをドラッグして横によけてみてください」
PL「えっ、自分ではがせるんですか?」

KP「はい。どうぞ」
これ、らぎーさんのハイフェッツ部屋で新しく導入したギミックだそう。
KPがポスターを操作するのではなく、PL自身がポスターをはがす動作ができるように。こういう細かいところ良~!
ポスターをはがすとそこには、真っ赤な血文字で『天才を殺せ』と書いてありました。

アイデア成功。
秀才の脳内には「天才を殺せ」という言葉が響いています。
これ実はシナリオの頭からずっと遠くで響いていたんですが、もう、無視できなくなるくらいにその思考で脳内が埋まっていきます。
なお秀才、この少し前で『ハイフェッツ症候群』という短期発狂になっています。
天才に勝ちたい。天才は狡い。天才を殺せ。
そんなに言われたら殺意高くなっちゃうよわたし。(今回はPvPじゃねえぞ!)
ということで、最初に比べて少しずつ、天才への当たりが強くなっていく秀才。
PL的にこの加減どうしたらいいんだ~と悩みつつも、ここから先のRPには少しだけ憎さや苛立ちを込めました。

天才によると、あの文字は霊山の字に似ているらしい。
秀才「じゃあ、霊山がこんな部屋用意したのか? なに? ドッキリとか?」
天才「なんだろう。どこかで撮ってるのかな」
秀才「学生のときドッキリネタの映像みたいの撮ったけど、ああいう企画なのか?」
ドッキリ企画を疑うふたり。

さて、白い部屋がパカーッと開きました。
外かと思いきや、また別の白い部屋。あのへんな空間はもう消えたのか? いや、まだおかしなところにいるな。音もない、においもない空間。
今度の部屋には窓と本棚があります。
本棚には本が一冊だけ置かれているのがわかりました。

KP「どこを調べますか?」
天才「窓!」
秀才「本棚!」
手分けして……とかではなく、ただバラバラなふたり。
天才が窓を調べると、外は雨が降っているらしい。

続いて本棚を調べる秀才……ですが、わたしはKPと、秘匿でこんな会話をしていました。

JOKER★「今窓のところにいる天才突き落せないですかね。殺せって言われてるので気になっちゃって」
KP 「あ~~窓は開かないので、もし突き飛ばすなら窓にべしゃって当たる?感じになりますね。本棚より先にHO天才にちょっかいだします?
JOKER「いいですか?」
KP「いいですよ」

ログより

いやだからPvPじゃないって言ってんだろ。
なんで殺意高いんだよ。

余談ですが『天才を殺せ』の文字を見たときから、逆説的に『殺されたほうが天才』ということになるのでは? と思い、もし自分が天才を殺してしまったらそれこそ「あいつは天才だ」と認めることになってしまうのではないか、などと考えておりました。
じゃあ、相手に殺されたら秀才は天才になれるのか?
……って話を感想戦でしたら「そこまで考えてたんですか……?」「その発想はなかった……」と言われました。あれぇ???
それもあって、殺意が高くなることはあっても「お前さえ殺せば俺が……!」みたいな感じにはならなかったんだと思います。だって相手を殺しちゃったら、自分が天才じゃないって認めることになるもの。

……ということで、脳内に響く声に従い窓から外を覗いている天才に近づく秀才。
ドン! と天才を突き飛ばすと、天才は窓に思いっきりぶつかりました。
ぶつかった天才、CON*5を振り、結果ファンブル。めっちゃびっくりしたんだね。かわいそう。1d3のダメージ判定でHP-1。かわいそう。

天才「痛ーっ! 何するんだよ烏頭葉!?」
秀才「いや、外もっとよく見てみろよって思って」
何言ってんだ秀才お前。
脳内ではまだ変な声が響いています。どうしろっちゅーのよ。

あと、この辺で他にも殺意高い発言がいくつか出ました。
秀才「お互いの首でも絞めてみる?」
天才「はあ?」
秀才「冗談だよ冗談」
首を絞めて殺すっていうのはね、愛なんだよ。

なんやかんやあって、結局、本棚の本はふたりで調べることになりました。
内容をふたりで読むことはできましたが、秀才はアイデアロールに失敗し、天才だけ追加情報を得られた模様。

本の最後に描かれていたのは『才を奮え、さすれば五感が与えられん』という言葉。
才を奮え……来たぞ、芸術(映画)ロールだ!
ここは天才も秀才も成功。
それぞれ、撮影がうまくいったり役者とのコミュニケーションがうまくいったり、映画制作が順調に進むビジョンを見ました。
今日も貴方は最高だ!自分の才能をコントロールして、いかんなく発揮する事が出来る。そうだ、これこそが天才と秀才を繋ぐ「才」というものなのだ』

ちなみにこのオリジナル技能ロールの成功・失敗時の細かい描写、らぎーさんが毎回PLの職業に合わせて丁寧に作ってくれているそうなのですが、本当にすごい。本当にすごい。ありがとうございます。こういうところ凝ってくださるのめちゃくちゃ嬉しいし楽しいしテンション上がります。

またまた部屋がパカッと開いて新たな白い部屋へ。
音が聞こえます。
ここでふたりとも目星成功。どうやらここは汽車の中らしい。ガタンゴトンと音が聞こえます。部屋の中にはピンクのマトリョーシカがひとつ。そして扉が3つ。
左側に『天才』と書かれた扉。右側には『秀才』と書かれた扉。
もうひとつの扉には『合言葉と鍵を』と書かれています。

秀才「出た、合言葉。この扉で外へ出られるのか?」
天才「でも鍵なんて持ってないよ」
秀才「どこかにないか……ちょっと探してみるか。立浪は部屋を探して。俺、そのマトリョーシカ調べるから」
天才「わかった」
天才は部屋の中をうろうろ。秀才はマトリョーシカを調べることになりました。

マトリョーシカの中にはメモ。知識ロールで追加情報も得て、中に入っていた次の人形に触れます。
血がべっとりとついている。なんか嫌な予感。

天才「マトリョーシカに鍵あった?」
秀才「今探してる。そっちは?」
天才「何もないなあ」

ここで秀才は、マトリョーシカを一切天才に見せないように調べ続けることを選びました。
血のついた人形なんて見せられるかよ。
というわけで、わたしは秘匿タブでKPとふたりでマトリョーシカを調べながら、秀才は天才との会話を続けます。

秀才「立浪。なんで今さら映画なんて撮ったの?」
言い方に棘があります。嫉妬が、羨望が、脳内の言葉が、秀才の中をぐるぐるしています。

秀才「昔は全然撮らなかったじゃん。なんで撮ってんの?」
天才「楽しいからかなあ」
秀才「……もしあれがバズってなかったら、立浪はもう映画撮るのやめてた?」
天才「いや、やめないよ。だって楽しいもん。烏頭葉だって、そうだろ?」
秀才「……」

次の人形は『天才』と書かれており、顔をサインペンでぐちゃぐちゃにしてありました。
まるで自分の醜い心を具現化したような、血のついた人形、顔を塗りつぶされた人形。そしてなおも響く、自分の心の醜い部分を増長させるような声。
最後の人形を開けると、鍵の模型を発見。それだけを取り出して、秀才はマトリョーシカをこっそりと元の状態に戻しました。
会話を続けていたことで、天才に見られることなくマトリョーシカを調べ終えた秀才。よかった。

このときの秀才の心情について。
「もしあれがバズってなかったら、もう映画撮るのやめてた?」の本心は、彼が本当に映画を撮りたくてその後も映画監督を続けているならいいけど、うっかりバズって有名になってしまったばかりに周りから「もっと撮ってほしい」「次回作は?」などと言われて撮りたくないのに撮ってるんだとしたら、そんな状態で彼に映画を撮って欲しくなかったからです。
純粋に映画が好きで、自分とは違う次元の才能を持つ彼の自由さを、ずるい、悔しい、と思いながらも好きだったから。
血のついたマトリョーシカや塗りつぶされたマトリョーシカを見せなかったのも、そんな彼に見せていいものだとは思わなかったから。
ハイフェッツ症候群になりながらも、根底に彼(自由なところも作品もすべて含めて)を好きだと思っていたから、衝動的に殺してしまえという気持ちが沸いたとしても、ギリギリ抑えられたんだと思います。

正直、PL自身がPCの「絶対にこいつにこんなもん(マトリョーシカ、自分の醜い本心)を見せるもんか」と思いつつ「こいつさえいなければ」という本当に醜い心を抑えきれずに刺々しい言葉を吐く、というRPにめっちゃ集中しながら必死に秘匿でマトリョーシカ開けてたので、細かい会話を覚えていないんです。(プレイ中はちゃんと覚えてたし、会話もできてたし、PLは天才の言葉ひとつひとつを受けながらエモ~~~ってなってました)
だからあとで見学者さんのリアルタイム感想部屋を見たときにRPからその部分が伝わっていたっぽい(ギスギスしてる、ふたりの気持ちがすれ違ってる、など)のを読んで、嬉しくなりました。
そう、必死だったんだよわたし!!!

どうしても天才に対する態度がきつくなる秀才。天才はときどき「邪険にされてる気がする……」としょんぼり。「そんなことねーって」と言いつつもやっぱり当たりの強い秀才。ほんとごめんねぇ。

秀才「鍵の模型見つけた」
天才「模型? それでその扉開くかな」
秀才「やってみるか」
『合言葉と鍵を』の扉に近付くも、鍵穴に鍵は合わない。

天才「じゃあ、他の扉に入ってみるしかないかな」
秀才「お前、どっち開けんの?」
天才「え、一緒に行かないの?」
秀才「じゃあ先に入れよ、俺もついて行くから」

先に『天才』の部屋へ入ることに。
確かここだったと思うんですが、秀才が天才に「天才が天才の部屋に行くもんだろ。天才はお前だろ」みたいなことを言ったときに「別に天才はひとりじゃないだろ」って言われたんですよ。
これ、天才は結構さらっと言ってたんですが、秀才にとってはものすごいぶっ刺さった。
なにそれ。こちとらお前こそが天才だと思ってるからこんな気持ちになってんだぞ。

ここで、天才が部屋に入ったら勝手に扉が閉まってしまった、ということにして単独行動ターンに入ります。
天才は『天才』の部屋へ。
秀才は『秀才』の部屋へ。

『天才』部屋の探索が別室でおこなわれ、続いては『秀才』部屋で秀才の探索のターン。一方そのころ形式を取っているので、お互いほぼ同時にそれぞれの部屋へ入ってほぼ同時に出てきている状態です。

『秀才』部屋には脳が入った細長い管とデスクがあり、第十五楽章(NPC)がいました。
第十五楽章は、天才を越えられるような才能が欲しくはないかと聞いてきます。望むなら与えてくれるらしい。
その才能に代償は必要かと聞く秀才。まあ、一応聞いてはみたけど、答えなんて最初から決まってるんだよね。
秀才「断る」
そんなもんもらってあいつを越えたいわけじゃないんだよ。

第十五楽章は、第十二楽章に会いに行くと言っていなくなります。
仕方ないのでひとりで探索開始。
デスクと天井のドアを調べることができました。
デスクでは『天才へ』と書かれためちゃくちゃ気持ち悪い手紙を発見。また自分の醜い心と向き合わされたような心地になって、手紙をポケットにしまいます。
さらにデスクの引き出しには毒のついたナイフ。これもこっそり隠して持っていきます。これでワンチャン天才を殺せるなとも思いつつ。(でも殺さんよな)

天井の扉には鍵穴。模型の鍵がぴったりとはまります。
扉を開けて外を見ると、オレンジ色の夕暮れが広がっていました。
外か?
JOKER★「これ、このままひとりで外に出ることもできるんですか?」
KP「できますよ」
JOKER★「天才を置いてけぼりにしてここから出られる可能性も……? いや、烏頭葉はしないな。このまま天才を置いて自分だけ脱出したところで天才が死ぬわけでも消えるわけでもないし、何も解決しないもんな~」
このまま出ることもできるけれど、秀才は一旦扉を閉め、再び鍵をかけました。

ここで別室探索終了。元の部屋に戻ります。

天才「ついてくるって言ったのに~!」
秀才「いや、立浪が部屋に入ったら扉が閉まったから……そっちの部屋調べてた。で、そっちは何があった?」
天才「第十二楽章っていう子がいて……」
秀才「第十二楽章? こっちにいた第十五楽章って子が、その子に会いに行ったぞ」
天才「え、会わなかったよ?」
秀才「そうなの? あっちの部屋には扉があった。外に出られるかも」

お互い得た情報のすり合わせ。
天才は、なぜか手に着物とヴァイオリンを持っています。
こっちは手紙とナイフを持っていますが、天才には見せません。
こんなもん見せられるかよ!!

とりあえず『天才』部屋に今度はふたりで入ってみることになりました。
部屋の中にはロッカーと本棚。
第十二楽章も第十五楽章も姿が見えません。
第十二楽章は床に繋がれていた、と天才は言っていたのに。
一応、ロッカーと本を秀才が再度調べてみますが、天才が得た以上の情報は得られませんでした。

ここでちょっとしたお遊びタイム。
KPから「天才が見つけた着物とヴァイオリンから、映画の構想を練ってください」という指示を受けます。その構想について芸術(映画)ロールをおこない、成功したら次のロールで+5%のボーナスがつきます。

まずは天才から。
天才「着物とヴァイオリンから連想されるのは、オペラ『蝶々夫人』……」
ここで「だよね!!!」と全力で同意のPL発言をかますわたし。

そうよな、わかる。その組み合わせ見たら『蝶々夫人』浮かんじゃうんだよな!PL同士で「ですよね」「わかる」となりつつ、天才は『蝶々夫人』をベースとした映画の構想を提案。ロールは成功。次回技能値+5%ゲット。

さて『蝶々夫人』構想が被ってしまった秀才、苦し紛れに『名器ストラディバリウスを盗んだ大怪盗が次に狙うのは、日本の国立博物館の奥深くに眠るという幻の着物。果してこの怪盗を捕らえることはできるのか!?』という探偵vs怪盗ものの映画構想を提案します。
しかしながらPL発言で「まあ、烏頭葉はこういう映画撮らないと思いますけどね」などと言っていたら……ファンブル出ました。

これに関しては解釈一致ファンブルです。
だって烏頭葉こういう映画絶対に撮らないもん。そりゃファンブルするよ。撮りたくない映画なんだもん。

着物とヴァイオリンは荷物になるのでロッカーへ戻し、今度はふたりで『秀才』部屋へ向かいます。
天才がデスクを見るも、何もない。そらそうだよ。全部秀才が持ってるもん。(ここでハトムラさんは「向こうにアイテムがあったのにこっちに何もないはずないから絶対に秀才が見つけた何かを隠してるよな」と思っていたそうです)
ここでKPから「ナイフさっき隠したじゃないですか。あれ上手く隠せたか判定したいので『隠す』の技能を振ってください」と秘匿に業務連絡。
秘匿ダイスロール『隠す』で本日2度目の100ファンです。
完全にナイフ見つかったじゃん。

KP「あ、あ~~~~……。……立浪さん、あなたは、烏頭葉さんのポケットに何か光るものを見つけます……それは……」
だよね!100ファンじゃ隠せるわけねえよ!!!

しかしここで天才が意外な行動に。
PLハトムラさんから「スルーします」という発言。

これは天才から秀才への信頼……というか、感想戦でわかったんですが、天才が秀才へ抱く感情からくる「烏頭葉が隠したがるなら無理に暴こうとは思わない」という心情からの「スルーします」だったのです……。
なん……だと……???

さて『秀才』ルームの屋根から出たふたり。
夕暮れ広がる景色の中、橋の上を走る汽車。その屋根の上にふたりは立っています。
車両を移動し、鍵を発見。秀才がそれを持って戻ります……が!
ここで大きく揺れる車体。DEX*5ロール。
秀才は成功。揺れる汽車から落ちずに済みました。
天才は+5%で挑むも失敗。落ちることはありませんでしたが、ちょっと怪我したし、精神的にも動揺したみたい。HPとSAN値がちょっと削られました。

天井の窓から『秀才』部屋に戻ってきたふたり。
『合言葉と鍵を』の扉を開けるため、元の部屋に向かいます。

鍵穴にピタリとはまる鍵。
秀才「せーのでいくぞ、せーのっ」
ふたり「「ゴマ!!!」」
かくして扉は開きました。

ここからクライマックス。
真っ黒な空間には、第十二楽章と第十五楽章。普遍的無意識の話。
この世界に屈しないために、自分の信念を貫くために、我々は、自分たちの才能を以て立ち向かいます。
でもひとりじゃない。隣にはあいつがいる。
やるしかねえなあ、立浪!

ここでKPからルールが提示されます。
①天才はINT*5、秀才はEDU*5でアシスト(+5%の補助)を行う
②<共通技能>を振る
③3回のうち2回成功で信念を貫く 2回以上失敗したら世界に屈する

ここで決戦前にアイデアロールとPOW*5ロールが発生するんですが、天才がアイデアロールでクリチケを使用し、アシスト+15%となります。
秀才に関しては特になし。ルール通り。

1回目。
秀才「俺から行く」
天才によるアシストは成功し、秀才は芸術(映画)技能に+15%で成功。
映画が無事にクランクアップしたビジョンが見えました。

2回目。
今度は立浪のターンですが、秀才がここでアシストロールをファンブル。
なんでここで出すの、秀才お前、なんで!!! まじでごめん。
天才はそのファンブルの煽りを受け、芸術(映画)技能-5%で振ることになってしまいました。
秀才「お前なら(俺のアシストなんてなくても)大丈夫だ、いけ、有志美!!」
天才、芸術(映画)ロール成功。
映倫の試写も無事終わり、ヒット作を生み出すビジョンが見えました。
よかった。

「なんだ、二人で上手く連携できるじゃん」
そんな声がどこかから聞こえる気がした。けれどそれだけ。
貴方がたの意識は光の中へと消えていく。

ログより

そして、ふたりは目を覚まします。

山の中。きらめく鉱石。どこだここ?
秀才「ここどこだ……」
天才「ラーメン屋じゃないね」
秀才「出られたのか……」

KP「ここが最後のRPになります。言い残したことなどありませんか?」

しばしの会話の後、どうしても言いたかったことを告げる秀才。
秀才「立浪。……俺はさ、昔からお前と映画撮ってみたいって思ってた。絶対いいものができるって。……一緒に、映画撮らないか

これ後で知ったんですけど、キャラシの設定時点で天才は「秀才と一緒に映画撮ってみたい」って思ってたらしい。
実はこっちも学生時代からずっと「天才と一緒に撮ったら楽しいだろうな」と思っていたので、まさかそんなところで両想いだと思ってなかった。
なんだよお前らずっとすれ違ってたのかよ。

天才「烏頭葉に嫌われてると思ってた」
秀才「……(ハイフェッツ症候群のこともあったとはいえ酷い態度取ってた気がする……)立浪、その、ごめんな」

ここでラストダイスロール。
天才が芸術(映画)ロールを……まさかの100ファン!!!!!

KP・PL・見学者「えええええええええ!???wwww」

KP「えー……立浪さんは映画の最高のネタを思いついたんですが、その瞬間に転んでしまい、すべて忘れてしまいました」
PL「革靴で山の中歩いたらそうなるわ」

天才「痛った……」
秀才「大丈夫か? 今から山降りるんだぞ」
天才「うう……(しょんぼり)」
秀才「そういえば、今何か言いかけてなかった?」
天才「もういい……(しょんぼり)」

秀才が天才の手を取り、立ち上がらせます。
そのまま手を離さずに。その手を引いて、山道を降りて行くのでした。

シナリオクリア!ヤッタネ!!
両生還です!!!


このあと、見学者さんも交えての感想戦。
お互いのクソデカ感情について語り合い、お互いめちゃくちゃ好きだなということを実感する我々。

立浪さんの名前の由来。
立浪:タツナミソウ
花言葉「私の命を捧げます」

ハトムラさん「映画に命を捧げているんですよ」
有志美(あしび):馬酔木
花言葉「あなたと二人で旅をしましょう」「危険」「献身」「清純な心」

ハトムラさん「これはひとつめの『あなたと二人で旅をしましょう』が秀才に対する心情です」
JOKER★「これセッション2日前に花言葉調べてまじでウワァってなった……」
誕生日(4/14)
誕生星:エータ・ピスキウム(η Piscium)
星言葉「魅力あふれる芸術的才能」

ハトムラさん「これは天才自身を表す言葉ですね」
JOKER★「わたしは誕生花にしたんですが、まさかの誕生星とは……スバラシイ……!」
すっごい。めちゃくちゃエモい。

そしてもうひとつ、立浪さんの立ち絵で煙草を持っていることについて、わたしから「これも意味があります……よね?」と聞いたところ、ハトムラさんから「敢えて書かなかった(言わなかった)んですけど……」とのご回答。
煙草は別名「思い草」と呼ばれ、先立った愛する人の墓に生えてきた草を加工しその煙を吸うことで悲しみを紛らわせたのが始まりとする伝承を持っている、という情報を本当に偶然たまたまセッション前日にTLに流れてきた情報で読んだわたし。
エッモ。
JOKER★「ちなみに烏頭葉は煙草は吸わないです。あと、低身長童顔なのを気にしてます」
ハトムラさん「あー、だからあごひげ生やしてるんですね?」
JOKER★「ひげ気付いていただけてましたか……! あとブラック飲むのも大人になりたいからです」

好きな映画について。
ハトムラさん「秀才のディスプレイに好きな映画『ガタカ』とあったのを見て、じゃあ天才は何が好きかな、と考え『素晴らしき哉、人生!』にしました」
JOKER★「それを見て、セッション前日に映画を観ました」
作品をご存じない方は詳しくは映画をご覧になるかあらすじを読むかしてもらえるとわかるんですが、これってある意味、真逆の映画なんですよ。
自分の運命や逆境に抗い努力で人生を切り開いていく男の話(『ガタカ』)と、つまらないと思っていた自分の人生は知らず知らずのうちに世界を変えていて本当は素晴らしいものだったんだ気付く男の話(『素晴らしき哉、人生!』)みたいな感じ。
ハトムラさんに「立浪さんはこの映画のどういう部分が好きなんですか?」をどうしても聞きたかったのですが、立浪さんは自分ではなく烏頭葉のことを主人公と重ねているらしく、主人公がいることで世界が変わった、主人公のおかげで今の人生を選べた、という、映画の中のモブ的な立場なんだそうです。
なにそれすごい。エモ。

ファンブルの話。
ファンブル出まくりでしたねって話。
うち、100ファン2回の秀才もさることながら、ラストダイスロールの「芸術(映画)」80で100ファンする天才って何!?
あれは本当は秀才の救済措置の一部だったそう。このシナリオ、秀才が狂気状態に陥りやすいらしく、最後に「すごくいいネタを思いついて、それを聞いた秀才が回復する」みたいな部分だったそうで……。
まあ、自陣は秀才にまったく発狂する気配がなかったので何も問題ありませんでした。
らぎーさんたちもPLで回ったときは発狂したらしい。烏頭葉は強かった。
なんなら、最後100ファンで転んでちょっと拗ねてる立浪さんを見て和んだなくらいの気持ち。
おかげで手を繋いで(引いて)歩くこともできたので。結果オーライです。

そんな感じ。


その他、時系列覚えてないけど楽しかった会話▼

・見つけたメモなどを天才に見せまいとする秀才に対し、身長差があるのをいいことに覗きこんでくる天才(天才は186cm、秀才は164.8cm)
天才「見せてよー」
秀才「待て、見るな! おい、後ろから覗くな!でかいんだよ!」
天才「読ませてくれてもいいじゃん」
秀才「お前、でかいんだって!」
20cm以上の差があるので自分の体で何かを隠すということができない秀才。

・事前情報で秀才が学生時代ブラックコーヒーが苦くて飲めずカフェオレばかり飲んでいたことを知っていたが、今は飲めるように案っていることを知らない天才
天才「お前ブラックコーヒー飲めないでしょ」
秀才「飲めます~~」
天才「カフェオレばっかり飲んでたじゃん」
秀才「今は飲めます~~。29歳にもなってブラックが苦くて飲めない奴なんているかよ」
そんなことをムキになってドヤ顔で言われてもな。
別に天才だってブラック飲めないのを馬鹿にしているわけじゃないと思うぞ。


セッション中も感想戦もエモが振り切れてテンションが上がっていたせいで記憶がかなり曖昧なところもあるんですが、最高の天才と一緒にこのシナリオをまわることができて本当に楽しかったです。
ありがとうございました!
思い出したらまた追加しよう。

KPらぎーさんのこだわりのハイフェッツ部屋、演出、本当にどれも素晴らしくて最高でした。もう本当に書ききれないんですけど、細かい部分までめちゃくちゃ丁寧なの。らぎーさんに回してもらえてよかった! 気分ブチアゲで映画みたいでした。ありがとうございました。

見学してくださったイチコさんと氷さん、あとで見学部屋を見たらリアルタイムでRPや展開に対する臨場感溢れるコメントばかりで、めちゃくちゃ嬉しかったです。RPのニュアンスとか伝わってたんだな~とか。
さらにはシーンイラストまで描いてくださっており……宇宙一速い自陣イラスト!!! ありがとうございました。

そして相方のハトムラさん。
優しく穏やかで純粋な天才。秀才のことを大好きでいてくれる天才。
キャラシを読ませていただいて、本当に秀才への感情を細やかに考え、立浪有志美さんというキャラクターの人生に秀才の存在を落とし込んでくれたのだなと感じました。
ぜひ一緒にどこかへ行きましょう。ふたりでどんな映画を撮るのかも楽しみですね。
俺の天才は、最高の天才だ!

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