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鈴木涼美先生の「可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい」を読んで、ツイートしたらリツイートしてもらえたので書いてるnote

こんばんは。おっさんが、「可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい」って、PCに向かって書いてる絵図を客観的に俯瞰してみて、「キモいな」と思っている42才厄明け男です。

出だしから涼美先生のようにかきたいって思っても、なかなか難しいものであります。さてみなさん鈴木涼美さんはご存知ですか?

最近本を出版されました。

昨日渋谷の大盛堂(あえてTSUTAYAじゃない)に赴き、店員さんに聞けば一発で出てくるわけだから、聞けばいいものを、タイトルの「可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい」ありますか?って、いうのもなあって思い、必死に一人で舐め回すように探していたのです。(鬼滅の刃のコミックを2冊持ちながら。ただし最新刊ではない。発売日なのに。)

いやそもそもAmazonで買えるだろって話なのですが、そんなことを引用リツイートされた。いや、それは必死に探してる感を涼美先生にアピールしたいだけだから。と返してやったさ。

そんなことはさておき、私が鈴木涼美先生を知ったのは、3、4年前だったか、以前いた会社に、新卒才女(だがいい感じで変態)が入ってきたからである。その後、一緒に働くんだけど、ある業界のカンファレンスで、講演タイトルを何にするか決めようかって話していた時に、AIに関する講演だったから、AIの話題で盛り上がった。「AIとの未来を書いた小説ありますよ」「著名な作家がAIとの恋愛とかいろいろ書いてるのww」と言われた。

でも、「でも鈴木大先生がおもろすぎるからwww」「他のものはエンタメとして物足りない」って言われ、なぜか鈴木大先生の話になったのである。とにかくその才女が鈴木大先生と呼んでいた、その人物は誰って調べたら、ああ、社会学者なのね、くらいの認識であった。

そしてまた、つい最近になってというか昨年のクリスマスイブ。この記事を見て呟いたのです。そしたら鈴木大先生からいいねがついた。

この問題について右から左から色々論評があったけども、一番すっきりした考察だったな〜と思っておる。さすが鈴木先生やって思ってそれからツイートとかインスタとか日刊SPAをウォッチしておりました。

で、本が出るというのでそりゃ買うでしょ。って事です。

まだ3分の1くらいしか読めてないのだが、冒頭からニヤニヤが止まらない。どうしよう。自分は世代としては先生より6つくらい上なのだが、なんとなく同じ時代の先を生きていた気がする。(バブル崩壊からまだ余韻が残る、そう90年代。渋谷にはチーマーがいて、女子高生はルーズソックスを履いていた。ブルセラとかが流行った時か?。渋谷に行くと絡まれたりあるいはカツアゲされるのではないかという恐怖感にかられ、中堅私立のワイは、大塚のゲーセンに入り浸るか、部活に必死だった時代です。でも江戸っ子を自負していたワイは、「池袋や新宿、渋谷にいる高校生は、田舎から来てる電車の路線に住んでんだろ、どうせ。俺は浅草で遊ぶ。」と。喧嘩には勝てないので、心で蔑みながら、本当に浅草によくいました。打楽器の専門店があったから。そうJPC。)

散りばめられる、単語一つ一つに、懐かしさを感じざるを得ず、またその単語が割とパワーワードだったりするので、涙なしには読めない本である。(涙といっても、どっちかというとこっち→😂)

この時代の背景や文脈を理解できてないと楽しめない本なんじゃないかと、一瞬懸念をするのであるが、さすが大先生。ちゃんと注釈をつけております。(ぴったり140文字で書いといたぞ)

今日読んでてツボったのは、SOLEの話。スーパーベッドスパゲッティベッド。わかってしまう自分がいて恥ずかしい。自分はスーパーでしたけど、黒歴史ですよこれ。SOLEだけに。

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ほんと、まだ最初のページの方しか読んでないのだが、めちゃくちゃ共感できたところがここ。

「だけど、実はギャル系全盛期の1989〜2000年頃だって、ギャルと非ギャルの区別というのは、当人たちにしかよくわからなかった。金髪だろうが肌を焼いていようがラブボのワンピにエスパの厚底だろうが、ギャルと認められない子だっていた。「ギャル系ではあるけど、全然ギャルじゃないじゃん」「あの子、ギャルになりたい子だよね」というのが、ギャル系女子高生の間で最大の蔑みの文句だった。」〜中略〜「要するに、ギャルというのはファッションのジャンルというより精神論に近いのであって、運動神経が良いというのとスポーツマンシップを理解しているというのが似て非なるものであると同様、ギャル系ファッションに優れているというのとギャルであるというのはまた別の物差しで図られるものであるらしい。」(P25)

当方、男子校だったのであるが、当時ギャルの男版?ギャル男?という単語が既にあったか覚えてないが、とりあえず日サロ行って、色黒くして、白シャツの第2ボタンまで開けてそうな、ギャル男グループというのがもれなく母校にもいました。(まあどこにでもいると思うけど)

自分は、中高6年間吹奏楽部に打ち込んでいたので、女子との絡みなんてほとんどなく、年に1度の吹奏楽コンクールで順番待ちの間、眺めてるくらいだったのであるが、彼らにとっては毎日が女子高生をハントする日々だったに違いない。

で、同時eggだかFineだかそっち系の人が読んでる雑誌に、いけてる都内の私立高校的な特集がよくされて、もれなく我が母校も出ていたのであります。その大会なのか?何かの集いなのかよくわからんけど、ある日そのギャル男グループの一人に、「俺たちさ、〇〇(大会だっか集会だったか、とにかくなんかの集まりだかで人気投票みたいなやつ)に出るんだよ!」「俺らガンバっからさ!」「ぜって〜負けねえ」みたいな意気込みを語られ、当時ネットスラングもないのに、「お、おう」ってなったのだけは鮮明に覚えている。

そして、前述の涼美先生の言うようなことが起きたのである。そのグループの中に、「え、お前は違うだろ」って奴が居た。「ちょっと待てよ、流石に俺はあんたらみたいに、毎日女子と戯れてないし、あんたらが女子のケツ叩いてる間、俺は太鼓叩いてたよ」と、血管切れそうになりながらも、俺は俺。そっちの領域ではない人ってちゃんとわきまえてた。住む世界が違うって。ちゃんと自負があったよ。自分で線引いてたよ。なのになのに、明らかに「お前はそっちじゃねーだろ」ってやつが居た。ほんと草。(これに関してはかの有名な脚本家、前田司郎も同意するに違いない。確かあいつが言ってた。あいつはちげえって。)


あいつ元気かな〜。名前も忘れたけど。あと明らかにお前ブサイクだろってやつも、色黒ければなんとかそのグループに入ってたりしたので、今思えば、SOLEさえ行けば許される「ダイバーシティ」やん。時代の先をいってたんじゃね、我が母校って懐かしくなりました。涼美先生!思い出させてくれてありがとう。そう言う私も、大学後半くらいから夜のお店とかで働くようになり、遅咲きでSOLEにデビューしてしまつたのである。まさに黒歴史。SOLEだけに。

まあ、ちょっと読んだだけで、懐かしさで、ノスタルジーに浸ってるわけだが、鈴木先生の文章からほとばしる知的レベル、教養レベルの高さをあなたは理解できますか。できたら楽しいよきっと。二葉亭四迷とか、廃藩置県とかさらっと使ってくるんだけど、最低限の教養がないと理解できないでしょこれ。先生のコラムからは、教養が見え隠れ(いや隠れてはない)しています。さらに時事ネタ(ちゃんとニュースとかでやってることを把握している)もウォッチしてないと理解できないのである。

脳みそ刺激してくれる人好きっす。

ふと思うと、鈴木大先生と呼んでいた、あの才女もすげえ知的レベルの高い子だ。共通点は二人とも東村アキコ先生が好きなところであった(笑)

と同時に、うちの奥さん(知的レベル高い)も東村アキコ好きだったなと思い出すのでした。

是非みなさん東村アキコ先生を、じゃなかった鈴木涼美先生の本を読んでみてください。まじでおもろいから!



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