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購入本 #001 (2022年12月下旬~2023年2月頃)

昨年の春頃からツイッターで購入本の記録(といってもたまに本の写真を撮って貼るだけ)をしているのだが、ツイッターがいろいろな意味で不安定になってしまったので、これを機に備忘録も兼ねてnoteでしっかり記録してみることにした。

この頃はまだ本の購入日をメモしていなかったのでいつ買ったか覚えていないものがちらほらある。たぶん2022年12月下旬~2023年2月頃‥のはず。





書籍の日付は発行日ではなく発売日。


画像①の本

📙白井もも吉『にゃん年にゃー組』(2023年2月中旬)

「偽物協会」の白井もも吉がコミティア143で出した漫画。


📙トマトスープ『天幕のジャードゥーガル』第2巻、ボニータ・コミックス、秋田書店(2023年2月中旬)

後宮では賢さこそが美しさ。13世紀、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」の捕虜となり、後宮に仕えることになった女・ファーティマは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランの出身。その知識と知恵を持ち、自分の才能を発揮できる世界を求めていたファーティマは、第2代皇帝・オゴタイの第6夫人でモンゴル帝国に複雑な思いを抱く女・ドレゲネと出会い、そして……!?
大帝国を揺るがす女ふたりのモンゴル後宮譚!

天幕のジャードゥーガル | 秋田書店


📗『みすず』2023年1・2月合併号、みすず書房(2023年2月上旬)

読書アンケート特集。


📕エドワード・ケアリー『望楼館追想』古屋美登里(訳)、創元文芸文庫、東京創元社(2023年1月下旬)

歳月に埋もれたような古い集合住宅、望楼館。そこに住むのは自分自身から逃れたいと望む孤独な人間ばかり。語り手フランシスは、常に白い手袋をはめ、他人が愛した物を蒐集し、秘密の博物館に展示している。だが望楼館に新しい住人が入ってきたことで、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされていく……。創元文芸文庫翻訳部門の劈頭を飾る鬼才ケアリーの比類ない傑作。訳者あとがき=古屋美登里/解説=皆川博子

望楼館追想 - エドワード・ケアリー/古屋美登里 訳|東京創元社


📕キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』カン・バンファ(訳)、早川書房(2023年1月下旬)

謎の蔓草モスバナの異常繁殖地を調査する植物学者のアヨンは、そこで青い光が見えたという噂に心惹かれる。幼い日に不思議な老婆の温室で見た記憶と一致したからだ。アヨンはモスバナの正体を追ううち、かつての世界的大厄災時代を生き抜いた女性の存在を知る

地球の果ての温室で | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン


📕山尾悠子『迷宮遊覧飛行』国書刊行会(2023年1月下旬)

迷宮的作家・山尾悠子の足跡を辿る500頁。
泉鏡花・澁澤龍彦・ボルヘス・デルヴォーなど、偏愛する作家や画家をめぐる文章、自作解説、回想、掌篇小説など全80余編。20代の若書きから現在に至るまで、初のエッセイ集成。書き下ろしの「読書遍歴」も収録。

迷宮遊覧飛行|国書刊行会


📗藤田直哉『ゲームが教える世界の論点』集英社新書、集英社(2023年1月中旬)

コロナ禍の「おうち時間」によって急速な成長を遂げたゲーム産業。
米大統領選のキャンペーンに「どうぶつの森」が用いられたり、オリンピックの開会式にゲーム音楽が使用されるなど、その影響力は現実の社会にも及んでいる。
そうした状況を反映するかのように、世界中で支持されているゲームは、さまざまな社会問題の解決策を示している。
本書では大人気ゲームの読解を通して、陰謀論、分断、叛乱、新自由主義、家族といった重要なテーマを考え、理想的な社会のあり方を提示する。

ゲームが教える世界の論点 – 集英社新書


📗黒川みどり『[増補]近代部落史──明治から現代まで』平凡社ライブラリー、平凡社(2023年1月中旬)

1871年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識に内面化され維持されてきた被差別部落の差別構造をていねいに解き明かす一冊。原著刊行後の動向を入れた増補版。

増補 近代部落史 - 平凡社


📗宇野重規『日本の保守とリベラル──思考の座標軸を立て直す』中公選書、中央公論新社(2023年1月上旬)

近年、日本政治においても、「右」と「左」ではなく、「保守」と「リベラル」という対立図式が語られることが多くなった。しかし、混乱した言論状況のなか、保守とは何か、あるいはリベラルとは何か、という共通理解があるとは言えない。本書は、欧米の政治思想史を参照しつつ、近現代の日本に保守とリベラル、それぞれの系譜を辿り、読み解く試みである。福沢諭吉、伊藤博文以来の知的営為を未来につなげ、真の「自由」を考える。

日本の保守とリベラル -宇野重規 著|全集・その他|中央公論新社

◉購入のきっかけ
・【Youtube】哲学の劇場「#138 注目の新刊/『江戸パンク!』『ホメロスと色彩』『日本の保守とリベラル』『システム・エラー社会』『社会学の力』『はじめて学ぶビデオゲームの心理学』ほか」(2023年1月20日)の吉川浩満さんの話


📗村山綾『「心のクセ」に気づくには──社会心理学から考える』ちくまプリマー新書、筑摩書房(2023年1月上旬)

「不運は日頃の行いのせい」「天は二物を与えず」など、人間には「ついこう考えてしまう」クセがある。時には、そのクセが困った事態を引き起こすことも。その背景がわかれば、もっと心から自由になれるはず。

筑摩書房 「心のクセ」に気づくには ─社会心理学から考える / 村山 綾 著

◉購入のきっかけ
・古田徹也「社会心理学にいざなう最良の授業」『ちくま』2023年2月号(Kindle版)、筑摩書房(2023年2月1日)
https://www.webchikuma.jp/articles/-/3022


📙花沢健吾『アンダーニンジャ』第9巻、ヤンマガKCスペシャル、講談社(2023年1月上旬)

かつて栄華を誇った日本の忍者たちは、戦後GHQによって組織を解体させられ消滅した。しかし、実は今でも忍者は秘密裏に存在しており、その数は20万人とも言われている。そして一部の精鋭忍者は国家レベルの争いごとの裏で暗躍していた。一方で、末端の忍者は仕事にありつけないことも多く、その一人・雲隠九郎もニート同然の暮らしをしていた。しかし、そんな九郎のもとについに重大な「忍務」が‥‥!

「アンダーニンジャ」既刊・関連作品一覧|講談社コミックプラス


📘『ele-king』vol. 30、ele-king books、Pヴァイン(2022年12月下旬)

2022年ベスト・アルバム回。


📘佐々木敦『増補・決定版 ニッポンの音楽』扶桑社文庫、扶桑社(2022年12月下旬)

「Jポップ」はいつ誕生したのか。Jポップ以前と以後でなにが変わったのか。それらの疑問を見つめるとき、日本のポピュラー・ミュージックの新たな一面が見えてくる。
本書は、一九六九年から半世紀にわたる日本のポピュラー音楽の歴史を、十年ごとの単位に切り分けつつ、はっぴいえんどやYMO、小室哲哉、中田ヤスタカなど、時代の主人公ともいうべき音楽家の物語から解き明かす。
ほかにも、フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴ、安室奈美恵、宇多田ヒカル、つんく♂、きゃりーぱみゅぱみゅ、tofubeats、星野源、折坂悠太……等々、それぞれの時代を彩る音楽家たちが登場。
日本の音楽史を通覧する画期的入門書、新章増補のうえ文庫化!

増補・決定版 ニッポンの音楽|書籍詳細|扶桑社


📕『スピン』第2号、河出書房新社(2022年12月下旬)

河出書房新社 創業140周年カウントダウン企画。日常に「読書」の「栞」を――ジャンルを超えた書き手の共演! オールジャンルの新雑誌「スピン/spin」第2号。

スピン/spin 第2号 |河出書房新社


📗セリア・ホデント『はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学──脳のはたらきとユーザー体験(UX)』山根信二(監修)、成田啓行(訳)、福村出版(2022年12月中旬)

おもしろいゲームを作るには、人間の心の理解が必要! 『フォートナイト』など人気ゲーム開発に携わってきた心理学の専門家が、ゲームと心理学の関係をわかりやすく解説。

はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学 - 福村出版株式会社

◉購入のきっかけ
・【Youtube】哲学の劇場「#138 注目の新刊/『江戸パンク!』『ホメロスと色彩』『日本の保守とリベラル』『システム・エラー社会』『社会学の力』『はじめて学ぶビデオゲームの心理学』ほか」(2023年1月20日)の山本貴光さんの話


📙和山やま『女の園の星』第3巻、FCswing、祥伝社(2022年12月上旬)

ある女子校、2年4組担任・星先生。
生徒たちが学級日誌で繰り広げる絵しりとりに翻弄され、
教室で犬のお世話をし、漫画家志望の生徒にアドバイス。
時には同僚と飲みに行く…。

な~んてことない日常が、
なぜこんなにも笑えて愛おしいんでしょう!?
どんな時もあなたを笑わせる未体験マンガ、お確かめあれ!

女の園の星 1巻 | 株式会社シュークリーム


📕赤染晶子『じゃむパンの日』palmbooks(2022年12月上旬)

時を超えて。生まれ育った京都へのおもい。こぼれだす笑い。
『乙女の密告』で芥川賞を受賞。
2017年に早逝した著者によるエッセイ55 篇。岸本佐知子との「交換日記」併録。

日常を描いていながら、想像が羽ばたき、 ことばで世界を様変わりさせていく。 ここに生きている人たちがいとおしくて、読んでいると、 ふしぎと気持ちがあたたかくなる。初のエッセイ集にして、マスターピース。

じゃむパンの日 赤染晶子(著/文) - palmbooks | 版元ドットコム

◉購入のきっかけ
・【ラジオ】TBSラジオ『アフター6ジャンクション』(2022年11月29日)の岸本佐知子さんの話


📙大白小蟹『うみべのストーブ──大白小蟹短編集』トーチコミックス、リイド社(2022年11月下旬)

期待の新鋭、大白小蟹(おおしろこがに)・初単行本。生活から生まれた絵とことばが織りなす、珠玉の7篇。

俵 万智
「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」

雪のように静か。冬の朝のように新鮮。
自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。

株式会社リイド社 » うみべのストーブ 大白小蟹短編集


📗キム・チョヨプ/キム・ウォニョン『サイボーグになる──テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』牧野美加(訳)、岩波書店(2022年11月中旬)

世界が注目するSF作家と、俳優にして弁護士の作家。ともに障害当事者でもある二人が、私たちの身体性とテクノロジーについて縦横に語る。完全さに到達するための治療でなく、不完全さを抱えたままで、よりよく生きていくための技術とは? 韓国発・新しい社会と環境をデザインするための刺激的な対話。韓国出版文化賞受賞作。

サイボーグになる - 岩波書店


📙クール教信者『小林さんちのメイドラゴン』第13巻、アクションコミックス、双葉社(2022年11月上旬)

アパートに住む小林さんのもとに、メイドとして押しかけて同居しているトール。トールは、人類のことは基本、下等で愚かだと思っているけれど、小林さんには過去に助けてもらった恩があるため、全力でご奉仕。今日もあの手この手で頑張るのでした。ドラゴン娘と1人暮らしお疲れOLの人外系日常コメディ!

コミックス一覧 | 『小林さんちのメイドラゴン』|双葉社|コミックス公式サイト


📘後藤護『黒人音楽史──奇想の宇宙』中央公論新社(2022年10月)

奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。今こそ「静かなやり方で」(M・デイヴィス)、新しい歴史を紡ごう。本書は黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、黒人音楽の精神史をひもとき、驚異と奇想の世界へと読者をいざなう。古今東西の文献を博捜した筆者がおくる、新たな黒人音楽史。

黒人音楽史 -後藤護 著|単行本|中央公論新社


📕小川哲『君のクイズ』朝日新聞出版(2022年10月)

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:君のクイズ


画像②の本

📗平尾昌宏『日本語からの哲学──なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?』(犀の教室Liberal Arts Lab)晶文社(2022年9月)

二つの文末辞の違いを掘り下げていった末にたどり着いたのは、
全く異なった二つの世界像=哲学原理だった

〈です・ます〉体で書き上げた論文が却下された著者が抱いた疑問。「なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?」

国語学、日本語学の成果をふまえ、日本語で哲学することの可能性を追求した画期的な論考。〈である〉と〈です・ます〉それぞれが表す哲学原理とは? 愛、正義、ケアの概念は〈である〉で語るべきか、それとも〈です・ます〉で語るべきか? 世界には〈です・ます〉でしか描けないものがある。スケールの大きな思考実験にして、唯一無二の哲学入門。

日本語からの哲学 | 晶文社

◉購入のきっかけ
・『みすず』2023年1・2月合併号の阿部公彦さんの文


📗橋場弦『古代ギリシアの民主政』岩波新書、岩波書店(2022年9月)

およそ二五〇〇年前、古代ギリシアに生まれた民主政。順ぐりに支配し、支配されるという人類史にかつてない政体は、いかにして考え出され、実施されたのか。公共性を、一人ひとりが平等にあずかり、分かちあうことを基本にして古代の民主政を積み重ねた人びとの歴史的経験は、いまを生きる私たちの世界とつながっている。

古代ギリシアの民主政 - 岩波書店

◉購入のきっかけ
・『みすず』2023年1・2月合併号の國分功一郎さんの文


📗清水晶子/ハン・トンヒョン/飯野由里子『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』有斐閣(2022年9月)

誰もが手軽に表現するSNS普及後の世界で研究者の視点はどのように活かせるのか。ジェンダーとフェミニズム,セクシュアリティとクィア,障害と社会モデル,エスニシティと社会的な望ましさなど,私たちが生きる現代社会の不均衡を知り,別のありかたへ。

ポリティカル・コレクトネスからどこへ | 有斐閣


📗植原亮『遅考術──じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」』ダイヤモンド社(2022年8月)

本書では、遅く考えること―意識的にゆっくり考えることを「遅考」と呼ぶ。それを使いこなす方法こそ、「遅考術」である。レッスンを通じて、思考の間違いを回避し、よりよい思考を生み出す技を身につけよう。豊富な「練習問題」や、先生と生徒たちの「対話」によって、自力で「深い思考」に到達できる。

遅考術 / 植原 亮【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

◉購入のきっかけ
・読書猿(@kurubushi_rm)さんのツイート


📗三木那由他『会話を哲学する──コミュニケーションとマニピュレーション』光文社新書、光文社(2022年8月)

『ONE PIECE』『鋼の錬金術師』…あの登場人物たちが会話を通じて企んでいること―。私たちは会話を通じて何を伝え、何を企んでいるのか。あるいは相手の心理や行動にどんな影響を及ぼそうとしているのか。漫画や小説など、27のフィクション作品を題材に、「会話」という営みを徹底分析!

会話を哲学する / 三木 那由他【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

◉購入のきっかけ
・川添愛「川添愛 私たちは「約束事」を積み重ね、誘導をしている」日経BOOKプラス(2022年11月11日)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/110200150/110200001/


📗ジョナサン・ゴットシャル『ストーリーが世界を滅ぼす──物語があなたの脳を操作する』月谷真紀(訳)、東洋経済新報社(2022年7月)

文明を築くのに一役を買ったストーリーテリング。その伝統あるストーリーテリングが近い将来文明を破壊するかもしれない。
ストーリーテリングアニマルである私たち人間の文明にとって、ストーリーは必要不可欠な道具であり、数え切れない書物がストーリーの長所を賛美する。
ところが本書の著者ジョナサン・ゴットシャルは、ストーリーテリングにはもはや無視できない悪しき側面があると主張する。
主人公と主人公に対立する存在、善と悪という対立を描きがちなストーリー。短絡な合理的思考を促しがちなストーリー。社会が成功するか失敗するかはそうしたストーリーの悪しき側面をどう扱うかにかかっている。
陰謀論、フェイクニュースなど、SNSのような新しいテクノロジーがストーリーを拡散させ、事実と作り話を区別することはほとんど不可能になった。人間にとって大切な財産であるストーリーが最大の脅威でもあるのはなぜなのか、著者は説得力をもって明らかにする。
「ストーリーで世界を変えるにはどうしたらいいか」という問いかけをやめ、「ストーリーから世界を救うにはどうしたらいいか」と問いかける書。

スティーブン・ピンカー、ダニエル・ピンク絶賛!

ストーリーが世界を滅ぼす | 東洋経済STORE


📕タリアイ・ヴェーソス『氷の城』(タリアイ・ヴェーソス・コレクション)朝田千惠/アンネ・ランデ・ペータス(訳)、国書刊行会(2022年4月)

私はこの誓いを絶対に忘れない。

雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。

凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。

【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】
【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】

Is-slottet(1963)

***

【推薦のことば】
大人になっていくことの残酷さとイノセンスからの解放を、こんな風に鮮烈に描いた物語を他に知らない。
――山崎まどか(コラムニスト)

誰にも会いたくない日に読んだ。静かな言葉で書かれるからこそ、少女二人の燃えるような気持ちが胸にぎゅっと迫ってくる。
――朝吹真理子(作家)

なんと平明で、繊細で、力強く、類のない小説なのだろうか。唯一無二の、忘れがたい傑作だ。
――ドリス・レッシング(英・ノーベル文学賞作家)

世界で一番有名でないことが不思議な本をもし選ばねばならないなら、それはタリアイ・ヴェーソスの『氷の城』だろう。
――マックス・ポーター(英・作家)

私がこれまで出版した最高の小説
――ピーター・オーウェン(英・ピーター・オーウェン社社主)

氷の城|国書刊行会

◉購入のきっかけ
・国書刊行会創業50周年フェア
・何かで読んだ(失念してしまった‥)小池昌代さんの文


📕『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』西崎憲(編)、柏書房(2021年6月)

世にも精緻な文の祝祭がここに──。
西崎憲プロデュースの短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第三弾。「夕暮れの草の冠」をテーマに、稀代の文章家17人が、小説でも詩でもない「短文」を書き上げました。作品同士が響き合い、さらに余白に配された超短文「エピグラム」によって一篇の物語のようにも読める、かつてない破格のアンソロジーです。

kaze no tanbun 夕暮れの草の冠 | 柏書房株式会社


📗永田希『積読こそが完全な読書術である』イースト・プレス(2020年4月)

情報が濁流のように溢れかえり、消化することが困難な現代において、
充実した読書生活を送るための方法論として本書では「積読」を提案する。
バイヤールやアドラーをはじめとする読書論を足掛かりに、
「ファスト思考の時代」に対抗する知的技術としての「積読」へと導く。

たしかに本は、人に「いま」読むことを求めてきます。
でも、それと同時に、書物は「保存され保管される」ものとして作られたものだったことを思い出してください。
情報が溢れかえり、あらゆるものが積まれていく時代に生きているからこそ、
書物を積むことのうしろめたさに耐えて、あなたは読書の前にまず積読をするべきなのです。(本文より)

書籍詳細 - 積読こそが完全な読書術である|イースト・プレス

◉購入のきっかけ
・【Youtube】哲学の劇場「人文的、あまりに人文的 #016 2020年6月号/『積読こそが完全な読書術である』『移民の世界史』」(2020年6月12日)の山本貴光さんと吉川浩満さんの話


📙植田りょうたろう『はなちゃんと、世界のかたち』ビームコミックス、KADOKAWA(2019年9月)

雨が上がるとな、世界のかたちが変わるんさぁ。大注目の新鋭デビュー!

田舎町に暮らすはなちゃんは、時に危うくて時に優しい世界の断片に触れながら、少しずつ大人になっていく……。どこまでも奔放で愛おしい“あの頃”の物語。大注目の新鋭が贈る待望の初コミックス。

はなちゃんと、世界のかたち | ビームコミックス | 月刊コミックビーム


📗『マンガ視覚文化論──見る、聞く、語る』鈴木雅雄/中田健太郎(編)、水声社(2017年3月)

〈マンガ〉は何を可能にしたのか?
前著『マンガを「見る」という体験』に続き、マンガ研究の最前線を走る12名によるマンガ論のハードコア!!
〈マンガ的体験〉を〈近代〉の枠組みのなかに置き、マンガを「見る」「聞く」「語る」という知覚体験から捉えなおし、コマ/フレーム/フキダシについて斬新な切り口から論じる画期的な論集。

blog 水声社 » Blog Archive » 3月の新刊:マンガ視覚文化論――見る、聞く、語る


📕ジャック・ヴァンス『宇宙探偵マグナス・リドルフ』(ジャック・ヴァンス・トレジャリー)浅倉久志/酒井昭伸(訳)、国書刊行会(2016年6月)

ある時は沈毅なる老哲学者、ある時は知謀に長けた数学者、しかしてその実体は宙を駆けるトラブルシューター、その名もマグナス・リドルフ! 魑魅魍魎の異星人たちを相手に、白髪白鬚の老紳士マグナスの超思考が炸裂する痛快無比な宇宙ミステリシリーズがついに登場。奇習に彩られた惑星ココドでの合戦賭博を中止させるよう依頼を受けたマグナスが講じたアクロバティックな手段とは?代表作「ココドの戦士」の他、歓楽惑星のカジノ経営者の犯罪アリバイトリックを暴くために己の数学センスを駆使する「数学を少々」、閉鎖された空間〈ハブ〉で起きた殺人事件をめぐるフーダニットもの「とどめの一撃」など、ミステリからファンタジー、秘境探検に海洋冒険、さらにはハードSFまで、ヴァンスのヴァラエティに富んだ世界が堪能できる連作全10篇収録。

宇宙探偵マグナス・リドルフ|国書刊行会

◉購入のきっかけ
・国書刊行会創業50周年フェア
・【Youtube】tb_award「Twitter文学賞2017 結果発表会」(2017年3月6日)の大森望さんと豊崎由美さんの話


📗橋本治『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 後篇』河出文庫、河出書房新社(2015年8月)

📗橋本治『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 前篇』河出文庫、河出書房新社(2015年8月)

大島弓子、萩尾望都、山岸涼子、陸奥A子…「少女マンガ」がはじめて公で語られた伝説の漫画評論集。三浦しをん氏絶賛、待望の復刊!

花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 前篇 / 橋本 治【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

◉購入のきっかけ
・【ニコニコ動画】PLANETSチャンネル「【大島弓子】少女マンガ及び猫マンガの巨匠の「移行期」的性格について(石岡良治の最強伝説 vol.57)」(2022年12月26日)


📙鳩山郁子『ミカセ[新装版]』復刊ドットコム(2014年8月)

誌的な台詞と、あまりにも繊細な描画により生み出される、美しく静謐な世界---。
少年の危うい美しさ、一瞬の煌きを閉じ込めた作品集『ミカセ』がよみがえる。
単行本未収録だった「スパングル」「薄荷の諧楽(シンフォニー)II」の2作品を加え、
カバーイラストとあとがきを新たに描き下ろした新装版。

『ミカセ [新装版](鳩山郁子)』 販売ページ | 復刊ドットコム

◉購入のきっかけ
・皆川博子『辺境図書館』講談社(2017年4月)


📕詠坂雄二『電氣人閒の虞』光文社文庫、光文社(2014年4月)

「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!? ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘う――。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!

電氣人閒の虞 詠坂雄二 | 光文社文庫 | 光文社


📕堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』港の人(2013年9月)

◎2007年「やがて秋茄子へと到る」30首で「短歌研究」新人賞最終候補となった新鋭歌人の第一歌集。
◎20代の歌よ、こんにちは。そしてさよなら。美しく、せつなく、不思議な余韻がひびく青春歌集。
◎1頁に1首を配して、195首をおさめた。ブックデザイン:関宙明(ミスター・ユニバース)

■推薦のことば
生駒大祐さん(俳人)
ここは不思議なほどひどく静かだ。
昼過ぎの遊具の反射する光。
歌が聞こえる。
丁寧な飛び石のように配された言葉たち。
ゆるやかに回転をはじめる詩。
そして繰り返す、光。
千種創一さん(翻訳家・歌人)
堂園の描く世界には塩が光り、花束が尽きない。
塩は生(せい)ではないが生のために必要であり、花束は生ではあるが死に近い。
その眩惑を、子どもが、老人が、何度も生きる世界だ。

樽本樹廣さん(OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年)
「いつかブルーシートが波打つ風の日に君と春待つ将棋がしたい」
おそらく「君」と将棋ができないことがわかっている。それでもそう思ったことを肯定する。過ぎ去ってしまったことに感傷的になるのではなくスケッチするように記憶しておく。否定することなく肯定するために。ただ、読んでいる僕は昔を少し思い出して感傷的になってしまうのだけど。そこが好きなところでもあるのだけど。

梅﨑実奈さん(紀伊國屋書店新宿本店)
初めて読んだあの時を忘れていない。自分のなかのなけなしの純粋へ手を差し出されたようで、それからどんなに頑張っても冷静な評をほとんど言えなくなった。短歌を読み始めて20年、わたしは生まれてはじめて歌集と恋に落ちた。

文月悠光さん(詩人)
水辺に浮かぶ舟のようで惹かれる。その浮かべる手つきを見抜きたくても、歌のかがやきに迷い込んでしまうから、ずるいなと思わず嫉妬する。言葉で立ち現れる世界は、孤独でよるべない。でもそこは、生き直すことがゆるされた、僕らのユートピアでもある。

石川美南さん(歌人)
もしも光や涙が自ら言葉を発したならば、こんな歌をうたうだろう。
臆面もなくロマンチック。頑固なまでに、詩。
ずっと待っていた美しい歌集が、秋の光の中に生み落される。

内山晶太さん(歌人)
読者という読者は、堂園作品の鮮烈さに必ずや心打たれるだろう。

今橋愛さん(歌人)
歌稿を拝見して、ピンセットを使ったのかと思うくらい ことばが繊細に選ばれ、配置されていると思いました。すごい。
堂ちゃん、歌集出版おめでとう!

藪内亮輔さん(歌人)
歌とは、こんなに涙ぐましいものだったのか。
僕はこんなに感傷的だったのか。
これは、生前の記憶の練習だ。
私たちが泣くのはただ、はるかな草原に花咲くゆえだ。
ならば彼は歌を作ることによってひたすらに、繰り返し言うのだ、「はるかな草原に花が咲く」と。

やがて秋茄子へと到る | 出版社 港の人

◉購入のきっかけ
どなたかのツイートをみて興味をもったのだけれど、これも失念‥くうう。


📗徳井淑子『図説 ヨーロッパ服飾史』(ふくろうの本)河出書房新社(2010年3月)

衣服は人を語り、時代を映す。古代から近代までヨーロッパで発展した衣服の歴史を概観し、色、模様、時代性、ジェンダーなどを論考し、衣服が放つメッセージを読み取る。

図説 ヨーロッパ服飾史 :徳井 淑子|河出書房新社


📙士郎正宗『ブラックマジック──士郎正宗初期作品集』青心社(1985年12月)

超古代の金星を舞台にコンピュータとバイオロイドによる統治、科学と魔法の戦いなど、のちの士郎世界のルーツとなる作品。

士郎正宗info

◉購入のきっかけ
・【ラジオ】TBSラジオ『アフター6ジャンクション』(2023年1月10日)の佐久間宣行さんの話




今回は(買ったのが一年前ということもあり‥)いろいろ思い出すのが大変でまとめるのに思いのほか時間がかかってしまったけれども、買いながら記録するようになればもうちょい楽にできる気がする。


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