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【選挙ウォッチャー】 大阪府議選2023・大阪市城東区レポート。

 3月31日告示、4月9日投票で、大阪府議選が行われました。
 大阪市城東区は、定数2に対し、3人が立候補しました。自民、維新、無所属の3人が立候補してきたのですが、こうなってしまうと、結果は火を見るより明らかです。
 選挙そのものはまったく面白くありませんので、今日のメインは無料部分の「大阪万博」の話です。「大阪万博」がヤバいことになっているという話がだんだん伝わってきて、いろんな人が話題にしてくれるようになってまいりました。とっても嬉しいです。

紀田 馨  47 現 日本維新の会
鹿田 松男 61 現 自民党
山川 義保 60 新 無所属

 城東区は、衆院選における「大阪4区」にあたります。ここで選出されているのは、日本維新の会の美延映夫さんです。現在は「ミノベテルオ」と全部をカタカナで表記している人ですが、もともとは自民党の大阪市議をしていた人物で、2010年から大阪維新の会に参加。2017年の衆院選では落選してしまいましたが、2021年の衆院選では悲願の初当選を果たしています。
 自民党からは中山泰秀さんが立候補していましたが、典型的なネトウヨであることもあって落選。2015年に「イスラム国」によって日本人が拘束された際、現地対策本部の本部長として陣頭指揮を執ったのが中山泰秀さんでしたが、拘束された日本人が殺害されるという最悪の展開を迎え、出世の道が断たれています。


■ 大阪市城東区・選挙ボード解説動画


■ 「大阪万博」の今を伝える(#12)

工事が進められているが、会場に行く道は1本しかないため、渋滞は必至である

 こんなことで、本当の意味で「成功」につながるのでしょうか。
 大阪万博の協会の副会長が「関西経済連合会」の松本正義さん(住友電気工業の会長)だということで、「関西経済連合会」に加盟している主要企業に1社あたり15~20万枚のチケットを購入するように求めていたことが明らかになりました。
 万博の運営費は809億円とされていますが、関西経済連合会に所属している企業の17社が購入すれば、150億~200億円ぐらいになるという計算になっています。つまり、運営費の4分の1が「お付き合い」でチケット購入されたものということになります。住友電工の売上高は4兆0055億円で、経常利益が連結で1733億円ありますので、
 6000円で大量購入したものを、社員に無料配布するのか、それとも社員が安く買えるようにするのかは知りませんが、住友電工の社員は約29万人いることからして、大阪万博のチケット代に12億円ぐらい使ってもいいのかもしれませんが、はっきり言って、意味のわからない出費であることは確かです。
 これほど大量のチケットが激安価格で回るとなると、定価で大阪万博を楽しもうという人は、ものすごい割高感を感じることになるのではないかと思われます。そもそも「4人に1人が身内」という計算になりますので、数字の上では「たくさんお客さんが来た」と言えるかもしれませんが、その中身を見た時に、これは明らかに「ヤラセ」であり、商売として成り立っていない地方のプロレス興行のような「身内の多さ」になってしまうのではないでしょうか。チケットを買って入るのがバカバカしくなります。

「大阪万博」でマイナ保険証のような姑息なビジネスを始めようとしている

 この大阪万博では、もう一つ、めちゃくちゃ頭の悪いことを始めようとしています。それが「万博史上初となるキャッシュレス万博」の開催です。2025年の大阪万博は「会場で現金が使えない」という不便極まりないイベントになろうとしています。わざわざスマホにアプリを入れて、それで支払わなければならないという頭のイカれ具合です。
 百歩譲って、クレジットカードやペイペイなどが使え、さらにアプリを選択できるなら分かりますが、どうやら専用の電子マネーだけになるという計画のようです。さすがは「マイナ保険証」なるものを導入し、デジタル化をしているのに、今より不便になる国だけのことはあります。河野太郎と大阪維新の会の知性は同じぐらいなので、「未来のイベントなんやから、お金は全部、電子マネーやろ。どうせやったらオリジナルの電子マネーを作ったらよろしいですやん!」ぐらいの感覚なのでしょう。しかし、これほど不便なことはありません。どうして決裁をする時にクレジットカードや電子マネーを使うのかと言えば、「便利だから」という一言に尽きます。便利でなければ現金で払っておいたら良いわけで、僕も「Suica」で払う時もありますが、それは単純に便利だからです。最近はコワーキングスペースやゲストハウスなどで電子マネーでしか払えないところはありますが、変なアプリをインストールしなければいけないことにはなりません。既存の電子マネーやクレジットカードが使える仕様になっているので、「Suica」にお金が入っていれば、実にスムーズに支払えます。
 ところが、大阪万博がやろうとしていることは、大阪万博でしか使えない電子マネーのために、いちいちアプリをダウンロードさせ、支払い口座と紐づけさせ、大阪万博を楽しんでいる間に充電がなくなったら買い物ができなくなるという頭の悪さ。これでは間違いなく、銀行との紐づけがうまくできなくて、何も買い物ができない人が生まれることでしょう。
 めちゃくちゃギャグなのは、この電子マネーの愛称を公募することになって、採用された人には30万円が支払われるそうですが、その賞金は現金で支払われるそうです。誰もがスマホを持っているわけではなく、いまだガラケーの人もいるというのに、スマホじゃないと払えない時点でどうかしているのです。最終的には既存の電子マネーにも対応せざるを得なくなるのではないかと見ていますが、どうしてこんなに頭が悪いのか、全然理解ができません。


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