見出し画像

【選挙ウォッチャー】 松戸市議選2022・分析レポート。

 11月13日告示、11月20日投票で、千葉県の松戸市議選が行われました。昔から「マツドシティ」改め「マッドシティ」と呼ばれ、来春の統一地方選に向けた「前哨戦」と位置づけられることもあり、今年は定数44に対して64人が立候補する大激戦となり、今年は葛飾区議選と並ぶ「珍獣博覧会」となりました。

 昨年の秋に行われた「珍獣博覧会」の様子は、こちらのレポートをご覧いただければと思いますが、葛飾区議選は定数40に対いて60人、松戸市議選は定数44に対して64人となっており、同じくらい密度が濃くなっています。
 葛飾区が「珍獣博覧会」となってしまった原因は、NHK党の尊師・立花孝志が議員になってしまい、「バカでもアホでも議員になれる聖地」として認識されるようになったからですが、この松戸市議選も「尊師・立花孝志の彼女」という位置付けだった中村典子が当選したことで、やっぱり「バカでもアホでも議員になれる聖地」として認識されるようになり、魑魅魍魎たちの巣窟となってしまいました。
 今年はNHK党や参政党のほか、日本改革党という「N国党の変異株」と呼ばれる政治団体をはじめ、迷惑系ネトウヨYouTuberの令和のタケちゃんも立候補。カオスすぎて、選挙レポートがいつになく大作に仕上がってしまいました。

 最大80人まで対応できるポスター掲示板も圧巻です。
 さて、僕の選挙レポートは、写真1枚10円、記事1000文字10円という明朗会計です。取材できた量に応じて値段が変動するシステムになっていますが、今回の松戸市議選は、特筆すべき要注意人物があまりに多すぎることに加え、ツッコミどころ満載のポンコツ候補がたくさんいたので、かなり高額なレポートに仕上がってしまいました。それだけ解説が充実しているとも言えますが、無駄に金額が高くなってしまったレポートは、今月はこれだけなので、ぜひお付き合いいただければ幸いです。


■ N国党の中村典子は、今年も当選した

 非常に残念なことではありますが、今年も「NHK党」の中村典子が当選をしてしまいました。世の中に「NHK党が反社会的カルト政党である」という認識を持つ人が少ないために、YouTube広告や駅頭でのパフォーマンスを見て、うっかり投票してしまう人が絶えません。また、今年7月の参院選で「ガーシー」こと東谷義和が当選したことによって、尊師・立花孝志の実力を本物だと考えるアホが増殖。尊師・立花孝志の評価や人気が急回復してしまい、今、NHK党には、より純度の高いアホが集まるようになってしまいました。

後ろの「やきとりセンター」の看板と色合いがマッチし、尊師のニワトリ加減が増している

 古くはMXテレビ、最近では週刊文春やテレビ朝日を訴えている尊師・立花孝志ですが、こうした裁判攻撃は効果てきめんで、今では「NHK党」に批判的なスタンスを貫くメディアは壊滅してしまいました。
 逆に、「東スポ」「デイリースポーツ」など、尊師・立花孝志のことを本気で「NHK会長に最もふさわしい男」だと思ってしまうN国信者が記者をしてしまうような低脳メディアが、やたらポジティブに伝えるようになってしまった結果、「ガーシーが国会に行かないのは、仕事をしない議員への最高のアンチテーゼだ!」と考えてしまう極限のアホが増加。今、尊師・立花孝志のやりたい放題がストレートに通用する世の中になっているとも言えます。そりゃあ、この国が滅びるのも当然ですがな!

馬橋駅前に立ち、事前に政治活動を続けていた中村典子

 中村典子は、ふんわりとした見た目とは裏腹に、気の強い女性です。それと、N国信者たちは僕のことを「どれだけ党の批判をしたところで、ちっとも影響力がなく、それどころか東谷義和が当選を果たすくらいに党の宣伝に貢献しているアホ」と認識しています。なので、新参者のN国信者は僕を「バカにする対象」と見ており、昔のような「敵認定」ではなく「嘲笑する相手」となっているので、ヘラヘラしながら挨拶をしてきます。
 しかし、中村典子は僕に写真を撮られて、ご覧の表情です。どんな批判を書かれるのかが分からないので、できれば写真を撮られたくないというのが本音でしょう。
 さて、中村典子は、「尊師・立花孝志の元カノ」というNHK党内でも特殊な地位にいることから非常に優遇されており、YouTube広告に700万円を投じたとされています。その他にポスティングなどを大々的に行っているので、総額で1000万円近いお金を投じ、金満選挙を展開していると言っても過言ではありません。春日部市議選に続き、NHK党として全力を尽くしている選挙で、尊師・立花孝志は「この選挙に負けるようなことがあったら地方選には挑戦しないかもしれない」とホザくほどです。長期間にわたって駅前でのドブ板を積み重ね、さらに700万円の広告費を使い、当日は尊師・立花孝志が連日にわたって入り込む。ここまでやって落選したら面白かったのですが、残念ながら、松戸市で真面目に働いている議員たちよりも多くの票を獲得して当選してしまいました。一体、どこをどう評価したら投票できるのかは分かりませんが、なにしろ投票用紙に「ガーツー」と書いてしまう奴が28万人もいる世の中ですから、不思議ではありません。

最近は、俳優・三浦春馬さんの死を政治利用している人として最低な黒川敦彦と「つばさの党」

 NHK党がどれだけクソなのかについては、これからもずっとお伝えしていきますし、今回、初めて僕のことを知ってくれた皆さんは、ぜひ「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」という本を読んでいただきたいと思いますが、最近、黒川敦彦と「つばさの党」は、2020年7月にお亡くなりになった俳優・三浦春馬さんの死を利用し、連絡会などのコミュニティーを作り、これを投票につなげようとしています。現実を受け入れられない、あるいは、現実を受け入れたくない、心の整理がつかないファンは全国にたくさんいるかもしれませんが、こうしたファンの心理を政治に利用するというのは、三浦春馬さんを冒涜しています。人として最底辺のクソ野郎だと断言してもいいでしょう。こういう奴が幹事長をしている政党が「NHK党」であると言っておかなければなりません。
 なお、9件のスラップ裁判(それぞれ被告の僕が勝訴しているため、すべて控訴しており、これもカウントすれば18件)の裁判を起こされても筆を止めない、批判的なメディアがこの世に僕しかいなくなってしまい、彼らは僕のことを心底バカにしているはずなのですが、僕が現れると幹部たちは渋い表情をされます。

 今回、中村典子は2174票を獲得しました。
 言うても、中村典子よりは市民のために働いてきたベテランの木村美弥子さんらが落選する中で、中村典子は2174票。松戸市の先進的な新型コロナウイルス対策に尽力してきたDELIさんが2046票ですから、真面目に仕事をしている人が票を取れず、真面目に働かないカルトが票を取るという現象が起こっているということは、皆さんに知っておいていただきたい話です。
 中村典子をはじめ、NHK党は、駅頭に立って「NHKの被害者をお守りする」とアピールすることで、なんだか良いことをしているかのような演出をして、同じ周波数のアホをオルグしていきます。
 そもそも「NHKの被害者とは何か?」ということですが、現在の日本の法律では、テレビを持っている限り、NHKの受信料は支払わないといけない仕組みになっています。俗に言う「集金人が来る」というのは、テレビがあるにもかかわらず、未契約であったり、あるいは、料金の支払いを滞納しているケースがほとんどです。これらをNHK党は「被害者」と呼んでいるわけですが、実際は被害者でも何でもなく「支払わなければならないお金を払っていない人」に過ぎません。まるで悪者のように扱っていますが、法治国家の原則からすれば、悪いのは集金人ではなく、受信料を支払っていない人ということになります。
 ただテレビを持っているだけで強制的にお金を払わされるなんて酷いと考える人もいると思いますし、実際、そういう面もありますが、本当にそれを変えたいのであれば、やるべきは「仕事をしない国会議員を生み出して、不正競争防止法違反や威力業務妨害に問われるような犯罪をすること」ではありません。やり方を間違えてしまうNHK党に期待している人たちは、完全に脳味噌をアハつかせている「N国信者」です。

NHKではなく、民主主義を破壊する男が評価されるのは「ガーシー」を当選させたから

 いまや尊師・立花孝志は、一部のアホの子たちの間で猛烈に評価されています。その理由は、「ガーシー」という絶対にアカン奴を擁立し、見事に国会の議席を獲得することに成功しているから。つまり、尊師・立花孝志には実績があるというわけです。
 ただ、まっとうな仕事で年商100億円の会社を作ったのなら、「それはすごいですね」ということになるかもしれませんが、「オレオレ詐欺」で年商200億円を叩き出したとしても、「それはすごいですね」ということにはなりません。「詐欺でも何でもお金を稼いだ者がスゴい」ということにはならんのです。尊師・立花孝志がやっていることは、「海外逃亡中の詐欺師を擁立し、当選しても国会に行かない」です。話題になる人物なら「へずまりゅう」さえ参院補選に擁立したことがあり、暴露系YouTuberという芸能人並みの人気者を擁立し、これまで政治について、ろくすっぽ考えてこなかったアホの子たちを煽動し、議席を獲得する。松戸市議選のYouTube広告に700万円を必要とする理由も同じです。

立花孝志の彼女になると、仕事をしない議員としてぬくぬく生きられるという特典がある

 尊師・立花孝志は、実に甲斐甲斐しい男です。
 元カノの加陽麻里布には毎月100万円(今年7月の参院選で東谷義和が当選したことで政党交付金が増額された時にお手当も倍増されたのではないかという話がある)が渡され、顧問司法書士として仕事を斡旋。その前の元カノである中村典子には、松戸市議として生きていけるようにYouTube広告に700万円を投資し、もし落選しても党職員として迎え入れ、次なる選挙の準備をしたことでしょう。そして、その前の元カノである粟飯原美佳はガールズバーで働く女の子から公設秘書へと昇進。全員が税金ですが、それなりの収入が担保されています。
 一方、尊師・立花孝志の女にならなかったのが「ゆづか姫」こと新藤加菜です。彼女は「NHK党の美人広報官」というポジションに就き、東京都議選や印西市長選などに立候補。党にも貢献していたはずですが、その時給は東京都の最低賃金と同額。「尊師の女になるかならないか」で優遇のされ方が全然違うというのは「NHK党」という立花孝志王国なのです。
 もちろん、松戸市民の皆さんは「NHK党」の内部がどれくらいカルトなのかを知りませんから、駅前に立っている姿や、NHKの集金人が来なくなったとする立花孝志が主張する実績(実際は「コロナのせい」である)、あるいは、YouTube広告を見て、うっかり「NHK党」に投票しています。

最終日の19時半の街頭演説は、ご覧のように人がたくさん集まったが、全員「男」だった

 最後に、かねてからずっと指摘していることですが、今年の参院選を機にN国信者の層が大きく入れ替わりました。尊師・立花孝志が「次の衆院選までに改名し、今度は『NHK』の文字を入れない」と宣言していることからも分かるように、今のN国信者たちは「NHKの受信料問題」にはほとんど関心がありません。
 では、何に興味があるかと言うと、尊師・立花孝志が次から次へと民主主義をぶっ壊し、炎上すればするほど元気になる姿に感動を覚え、これまで以上に「迷惑系YouTuber」として、もてはやされるようになっています。いまやN国信者たちは、立花孝志というコンテンツを心底楽しんでいる状態になっており、それはイコール、「より純度の高いアホが集まるようになってしまった」ということを示します。見てもらえば分かりますが、集まっている奴らは全員「男」です。むさくるしいくらいに「男」しかいません。
 11億円の借金をして、やりたい放題に人生を楽しんでいる尊師・立花孝志の姿を見て、ある種の「憧れ」を抱いているのが、現在のN国信者の姿であり、NHKを相手に吠える立花孝志に共感していた古参のメンバーは、大橋昌信を筆頭にどんどん離れています。かつてコールセンターで働いていたメンバーも、全員どこかに行ってしまいました。それくらいにN国党の内部は変化しています。

批判する者を見てもヘラヘラする人間ばかりが集まるようになり、アホの純度が高まっている

 今後も「NHK党」は、地方で議席獲得を目指し、動いてきます。
 12月11日の笠間市議選には、堀江貴文関連のフランチャイズに参加している村田大地、12月18日の八千代市議選には2期目を目指す現職の宮内鋭、12月25日の西東京市議選には丸吉孝文が立候補する予定です。それぞれに当選の可能性があります。
 尊師・立花孝志が東京高裁でも「懲役2年6ヶ月・執行猶予4年」の判決が下されても、「ガーシー」こと東谷義和が一度も国会に出席せず、ドバイから名誉毀損を繰り返していても、それでもなお「NHK党」に投票してしまうアホが存在し、当選させてしまうぐらいに力を持っていますので、もうNHK党が何をしても投票するレベルのアホが掘り起こされ、熱烈に支持していることになります。なので、NHK党は7月の参院選で完全に息を吹き返し、より強くなってしまいました。尊師・立花孝志のスラップ裁判を恐れて批判記事すら書けなくなってしまった日本のメディアの情けなさも相まって、与党である自民党も「統一教会」という「反社会的カルト集団」と切っても切れない関係にありましたが、NHK党をはじめとする新興野党は「政党そのものが反社会的カルト団体」になっていますので、より多くの方に現実を注視していただきたいと思っております。
 なお、「NHK党は反社会的カルト集団である」という話は、安倍晋三銃殺事件が起こる前から書き続けていることであり、「カルト」という言葉が話題になる前から「カルト」であると指摘しています。


ここから先は

32,588字 / 78画像

¥ 980

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。