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【選挙ウォッチャー】 野田市議選2022・分析レポート。

 5月15日告示、5月22日投票で、千葉県の野田市議選が行われ、ここには「つばさの党」「NHK党」という2つのカルトが立候補してまいりました。「NHK党」が当選する確率は低いものの、「つばさの党」が当選する確率はそれなりに高いと考え、皆様に警戒を呼び掛けましたが、僕の発信力不足により、7人が落選する選挙でありながら、きっちりと落選に導くことができませんでした。カルトであるにもかかわらず、カルトであることを知らない市民が多いため、間違って投票してしまうようなことが横行してしまったと思っています。

 今回の野田市議選は、定数28に対して35人が立候補したため、7人が落選する選挙です。しかし、「明らかに弱そうだ」と思える人がチラホラいるため、実際には「人数ほどの混戦ではない」と思います。
 この選挙の見どころは、「つばさの党」「NHK党」という反社会的カルト集団が当選するのかどうか。これに加え、今年に入って5戦5勝の「幸福実現党」が6勝目を飾るのか。前回の野田市議選では、勢いのあったN国党を落選に導いている地域なので、今回も落選に導いてくれるかと思ったのですが、「つばさの党」「N国党」のセカンドブランドであることを知らない人が多かったため、よりによって上位で当選してしまいました。それだけ騙されてしまった人が多かったことを意味します。葛飾区や町田市では阻止できたのに、野田市では阻止できませんでした。

 知られていれば当選しなかったかもしれないのに、知られていないから当選してしまう。これはN国党の初期にも起こっていたことなので、これからもレポートが著書が多くの方の目に触れるように頑張ってまいりたいと思います。


■ N国系カルト「つばさの党」が上位当選

 今回の野田市議選は、とても大事なことを無料部分で書きますので、課金をしなくても、とにかく無料部分だけは読んでいただけると幸いです。「つばさの党」が、N国党のセカンドブランドであることを多くの市民が知らないせいで、カルトが上位当選してしまう悲惨な現象が起こっています。

 まず「つばさの党」は、N国党幹事長の黒川敦彦が率いる陰謀論の政党です。ユダヤ陰謀論とコロナ陰謀論を合体させたスタイルで、「参政党」よりも先にこのスタンスに辿り着いています。前身は「オリーブの木」という政治団体ですが、実質的に黒川敦彦が乗っ取り、当初の思想は面影もないほど消え、現在は「つばさの党」に名称を変更し、N国党と合体して「N国党のセカンドブランド」になっています。
 こんな政党に恥ずかしげもなく参加している時点で、だいぶ頭がおかしいと思いますが、「つばさの党」の知名度は猛烈に低いため、うっかりカルトと知らずに投票してしまう人が続出しているのが現状です。

 代表の黒川敦彦がどれだけアホなのかは、こちらの記事を読んでいただければ一目瞭然ですが、どうしてこんなアホな政治団体に所属しているカルトの兄ちゃんが当選してしまうのか。それは選挙戦略が磨かれていることに加え、いくつかの偶然があります。

マスクで口元を隠すとイケメンに見えてしまうビジュアルの妙

 これは完全に錯覚なのですが、まず庄司真生は、マスクをつけるとイケメン風になります。マスクを外すと口元がだらしないので、サングラスを外すとブスになることで笑いを取るバイク川崎バイク(BKB)と同じジャンルの人なのですが、「反コロナ」のカルト政治団体の分際で、票を取るためならウレタンマスクぐらいはつけるため、これで錯覚した人がそれなりにいるということです。地元の女子高生たちのウケが良かったからなのか、若い女性に向かって積極的に声をかけていた印象です。実際、チラシを受け取って嬉しそうにしている若い女の子がいましたが、「そいつ、マスクを外すとブスやぞ!」と教えてあげたかったです。
 しかし、ビジュアルで取っている票はたかが知れています。それより優れていたのは「選挙戦略」です。「つばさの党」は、N国党と同じ駅前戦略を取っており、基本的に駅を利用する無党派層の取り込みを狙います。最近は新型コロナウイルスの影響で電車を利用する人が少なくなったため、駅前戦略を取る陣営は減少傾向にあり、「どうせ駅に行っても有権者はいない」という先入観から、駅前でのライバルは少なくなっています。しかも、野田市議選の準備は1年近く前から進められていたと思われ、たっぷり時間をかけて仕込まれています。駅前での運動量は群を抜いていたと思います。これも庄司真生がカルト党員だからできることかもしれませんが、気合いが入っていたことは確かです。

住宅街をくまなく回り、周辺自治体より議員の平均年齢が高いことをひたすら訴えた

 助手席に朝霞市議の外山麻貴が乗った選挙カーでは、「皆さんご存知ですか?」という切り出しから、柏市や流山市などの周辺自治体に比べ、野田市の市議会議員の平均年齢が高いことをアピール。若い世代の代弁者として27歳の庄司真生が必要なのだということを繰り返しました。実は、まったく同じ切り口でN国信者・佐藤ゆきのが市川市議補選で勝っており、この手法を繰り返されると地方議会の1議席を奪われていく可能性があります。

 さらに、「つばさの党」は政党カーを持っていますが、通常は選挙カーと合わせて2台しか走れないところを、「つばさの党」の幟を立てた自転車を走らせるという手法で、マイクで訴えるでもなく、ただ影武者が手を振って走って、間接的に庄司真生の宣伝をしていました。脱法行為で票を取るという姿勢はN国党譲りです。

マウスシールドで「つばさの党」のタスキと幟をつけて自転車で走り回るカルト党員

 ポイントは、自転車でアピールしているのが本人ではないというところです。自転車を使い、候補者に帯同するのではなく、単独で町中を走り回る作戦です。タスキをつけているので、候補者が自転車で頑張っているのではないかと錯覚する人もいて、「頑張って!」なんて声が飛びます。しかし、こいつはニセモノのカルト党員なのです。厳密に言えば、これも公選法違反ではないかと思えなくもありませんが、現実には取り締まられません。
 このように、「つばさの党」は、葛飾区議選、町田市議選で悔しい思いをしたことをキッカケに、代表の黒川敦彦は相変わらずバカなんですが、政治団体としては選挙戦略がブラッシュアップしています。たっぷり時間をかけて、票を取るために何をアピールすればいいのかがわかってきたため、これから「つばさの党」が地方選で議席を獲得する可能性は否定できなくなってまいりました。
 自分たちの街の政治がカルトに乗っ取られないようにするためには、良い候補をしっかりとした選挙戦略で勝たせ、真面目に働いてもらうことだと思います。なので、カルトのすべてはしっかり把握して、すべて皆様にお伝えしてまいりますので、こいつらに負けないように、しっかり戦術を立てて戦っていただければと思います。

カルト臭をプンプンさせながらガナる黒川敦彦代表の街頭演説が唯一の減点材料

 唯一、黒川敦彦の演説だけは、相変わらずカルト臭がプンプンして、票を逃がしていると感じましたが、圧倒的な運動量があったために黒川敦彦の演説では少ししか票が減らず、上位当選に至りました。葛飾区や町田市の選挙の時には、もっと黒川敦彦がゴリゴリに演説をしていたと思うのですが、肝心のN国党がバタバタしているため、「つばさの党」のためにあまり時間を使えなかったことがプラスに働いてしまいました。
 やはり尊師・立花孝志と一緒にいる時間が長いので、黒川敦彦のキモさがどんどん増していて、「つばさの党」の寿命はそれほど長くはないと思っています。ただ、「参政党」の先行モデルであるため、今後、「参政党」が地方で議席を伸ばす可能性があることを考えると、選挙の手法も含め、しっかりとウォッチングしておく必要はあるかと思います。


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