３月３１日告示、４月９日投票で、大阪府議選が行われました。
　大阪市都島区の定数は１となっていて、この選挙区も前回と同じ顔触れでの戦いとなりました。４年前は４０００票ほどの差だったため、そこそこ接戦と言っても良い感じではあったのですが、今年は「やっぱり自民党に期待する気になれない」ということで、維新に追い風が吹いていましたので、結局、ここでも維新が議席を獲得しています。
　大阪はもう完全に「維新帝国」が出来上がっており、自民党がどう逆立ちしても勝てない状態になりつつあります。もちろん、自民党が勝てないのですから、それよりも弱小政党である立憲民主党や共産党は、もっと勝てない環境に置かれつつあります。

　今回、どうして大阪に維新旋風が吹き荒れているのかを知るため、これまでできなかった「居酒屋で話を聞く」という取材ができました。コロナ禍になってしまい、感染を防ぐために、居酒屋に行くことなんて絶対なかったのですが、新型コロナウイルスに感染し、抗体ギンギン総本山になってしまった怪我の功名で、かなり貴重な話を聞くことができました。
　これからも新型コロナウイルスに感染しないように気を付けて生きていきますが、それでも感染してしまった時には、こうして居酒屋などで積極的に話を聞いてまいりたいと思います。

■ 大阪府議選・都島区の選挙ボード解説動画

■ 大阪万博の今を伝える（＃２）

　２０２５年に行われる大阪万博は、大阪市此花区の「夢洲」で開催される予定です。「夢洲」は、東京で言うところの「お台場」のような雰囲気ではあるのですが、ゴミが埋め立てられている島ということで言えば、「夢の島公園」みたいな感じのところです。
　ゴミの埋め立て地であるということを考えてもらえば分かりますが、まさか大阪のド真ん中にゴミを捨てるわけにはいきませんので、夢洲は大阪の繁華街からはずいぶんと離れたところにあり、車で行くにはかなり不便な所にあります。電車で行く場合には、大阪メトロ中央線に乗り、終点のコスモスクエア駅が延伸される予定ですが、２０２４年には夢洲駅が完成する予定です。
　今のところ、万博以外に誰が利用するのかが分からない夢洲駅まで延伸するために５４０億円（既に夢咲トンネル建設で４４４億円を執行済となっている）の予算が計上され、国費で６４億円、大阪市の一般会計６４億円、夢洲の開発事業者が２０２億円（ただし、これも将来的には大阪市の負担になる可能性がある）、残り２１０億円が大阪メトロが大阪市などから資金借り入れを行い、運賃収入から返済することになっています。夢洲から先の延伸計画もあるようですが、あんまり利用する人が見込めない路線の開発にお金をかけているので、利用客からの収入がない場合には、大阪メトロ全体の運賃が高くなるリスクを秘めています。

　もっと大きな問題は、一大イベントである「大阪万博」さえ、どこまでお客さんが来てくれるのかが分からないのに、果たして、カジノを建設したところで、お客さんが来てくれるのかということです。
　東京で言うところの「東京ビッグサイト」や「幕張メッセ」にあたる「インテックス大阪」がある咲州は、橋下徹さんが知事だった時代に、大阪府庁を移転しようと試みたことがあります。当時は橋下徹さんが、かなり咲州に力を入れていたのですが、その咲州はホテルが潰れてしまうほど、人が来ていません。イベントのある日はともかく、日頃から人がたくさん訪れるような場所ではないということです。咲州でさえこの状態であるため、果たして夢洲にカジノが建設されて、いくらギャンブル狂のオッサンがたくさんいたとしても、わざわざ夢洲まで行くのが大変なので、それなら地元のパチンコ屋さんで遊べば十分だということにならないのかという話です。わざわざ遠くの夢洲に行くぐらいだったら、近くのＷＩＮＳで馬券を勝って、スマホでレースを眺めていた方が良いのではないかとさえ思うわけです。スマホを使いこなせる世代は、わざわざＷＩＮＳにも行かなくなっているような時代ですから、わざわざリアルなカジノでギャンブル漬けになるのでしょうか。
　政治の世界では「ギャンブル依存症の問題」が語られ、確かに、それはそれで非常に大きな問題ではあるのですが、それ以前に「そもそもカジノに行く人がいない」という現象が起こる可能性が非常に高く、維新お得意の投げっぱなしジャーマンで、税金で莫大な維持費が賄われる巨大な新廃墟ができるだけなのではないかという予感がしてなりません。