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【選挙ウォッチャー】 杉田水脈議員が炎上した後、日本は何かが変わったか。

ネトウヨ界のヒロイン・杉田水脈さんが「LGBTは生産性がないから税金を投入するべきではない」とする記事を書き、大炎上に発展した騒動から約2週間。いまだ炎上の火は消えきっていませんが、あの騒動から日本は少しでも何かが変わったでしょうか。認知の歪んだ議員たちは、少しぐらいこれまでの自分の考えと向き合ったでしょうか。

8月5日、渋谷ハチ公前で杉田水脈議員に対する抗議活動が行われました。猛暑の中だということもあり、集まった人は自民党抗議前よりは少なかったのですが、それでも渋谷を歩く人たちの目に触れることで、人々に考える機会を与えました。たまたま通りかかった人たちも、この抗議活動が杉田水脈さんの発言に端を発していることに気が付くと「あぁ、あの議員のヤツか」と感想を漏らしており、どうやら杉田水脈さんが炎上していることを知っている人は多かったようです。

自身がレズビアンであることをカミングアウトしたYouTuber・なとせさんは、杉田水脈さんを擁護するかのごとく「同性愛は趣味だ」と発言した自民党の谷山とむ議員の発言に触れ、「同性愛は趣味ではない!」と訴えました。10歳の頃からどうして自分は女性が好きなのか、自分がおかしいのかと悩んできたという、なとせさん。こうして大衆の前で力強く訴える彼女に勇気づけられた若い世代の女性たちも多く、前回の自民党本部前抗議の後はかなり反響があったようです。自民党は杉田水脈さんに対し、口頭で注意をしたようなのですが、本当かどうかは分かりませんし、杉田水脈さんから反省の弁は聞かれません。「一応、注意しておきましたんで!」ということで、この問題を収めてしまっていいのでしょうか。


■ 行方をくらませることになった杉田水脈先生

杉田水脈さんの寄稿文が問題となった「新潮45」が発売されたのが7月18日。その後しばらくは「自民党の大臣クラスの先生には炎上なんて気にするなと言われた、自民党最高!」みたいなことを言っていたのですが、7月23日に嘘か本当か「殺人予告が届いたから北海道に旅立つ前に赤坂警察署に来た」と書き込み、その後は8月2日に「週刊文春の記事は事実無根だから法的措置も視野に検討」とスタッフが書き込んだぐらいなもので、杉田水脈さんはネット上から姿を消しました。あれだけ活発にTwitterをしていたのに、ここから先は何を言っても炎上すると感じたのだと思いますが、おそらく炎上の火が消えるのを待って、いずれ書き込みを再開しようとしているのだと思います。しかし、僕は杉田水脈さんがこれまでのようにTwitterで活発に活動するのは難しく、そのうちネトウヨは離れていくことになるだろうと考えています。もしかすると、この読みはとっても浅はかかもしれませんが、これから杉田水脈さんは何を書いても「うるせぇ!」と罵声を浴びせられ続けることになるだろうと考えるからです。何を書いても「うるせぇ!」と言われるのは、「うるせぇ!」と書き込む方にも問題があるんじゃないかと思うかもしれませんが、政治家が批判されるのなんて当たり前です。実は杉田水脈さん、この問題に一切の謝罪がありませんし、発言の訂正や撤回もありません。「これに屈するのは言論弾圧に屈することになる」という痛い思想は変わらないからです。世の中には言っていいことと悪いことがあります。いくら「表現の自由」があると言っても、殺害予告は表現の自由として認められません。もし「実際に殺すわけじゃないんだから、殺すと宣言するところまでは自由じゃないか」と言う人がいたら、それは自由の定義を間違えているアホです。そもそも杉田水脈さんは「不当な言論弾圧を受けている」と思っているかもしれませんが、これは「不当な言論弾圧」ではありません。杉田水脈さんが国会議員でなければ、どれだけ「チャンネル桜」で同じような発言をしても、そこらへんにいる「痛いオバサン」であり、その発言は著しくモラルに欠けますが、ここまで大きな騒動にはならなかったことでしょう。今でも一部のネトウヨたちは「パヨクの言論弾圧に屈しないように杉田水脈さんを支えよう!」と言っていますが、杉田水脈さんを支えている人たちが「断固屈するべからず」なので、杉田水脈さんは引き下がれない状況に追い詰められています。まさかこんなところで「情弱のネトウヨをこじらせた末に認知が歪んだ末に不適切な発言をしてしまい、申し訳ありませんでした」などと言ったら、それまで杉田水脈さんを支えてきた全国の情弱をこじらせた末にネトウヨになったオジサンたちが大失望してしまい、今度は身内のアホから切りつけられることになります。それなら「ぱよぱよちーん!」と強がっている方がマシなので、謝罪して撤回する以外に炎上の火を止める方法はないのに、絶対に謝ることができない。杉田水脈さんはもう「一人イスラム国状態」なのです。


■ 杉田水脈さんを擁護するネトウヨ界のニューヒロイン登場

衆議院議員の杉田水脈さんが「LGBTは生産性がない」と言ったかと思えば、それを擁護するのは地方議員の役目のようです。杉田水脈さんと同じく「次世代の党」に在籍していたこともある杉並区議の小林優美さんは、この夏、ゴリゴリのネトウヨ議員として、ネトウヨウォッチャーの皆さんの間で一気に知れ渡ることになりました。小林優美さんが知られるキッカケとなったのは、杉田水脈さんの発言を擁護する、このツイートです。

小林優美さんは「言葉だけ切り取らずに文脈を見ると、あの『生産性』は『子供を産めるかどうか』という意味だとわかります。言葉を文脈から切り取り、感情的になり過ぎてはいけませんね」とおっしゃっているのですが、『生産性』が『子供を産めるかどうか』という意味だから批判されているのに、小林優美さんは根本から理解していないことがわかります。しかも、スウェーデンに留学した経験を語り、「人口が減り、国が滅びていくことを懸念せざるを得ない」とまとめているのですが、人口が減ったのはLGBTが増えたからではありません。日本人の平均所得が下がり、貯金できない人が増え、共働きしないと生活できなくなったのに保育園の数が増えず、ろくすっぽまともな少子高齢化対策を取ってこなかった政治責任です。小林優美さんが議員になる遙か昔の先輩議員たちがポンコツだったからなのですが、それを引き継ぐ現代の議員までポンコツだとすると、この問題は永久に解決しそうにありません。

そんな小林優美さんは、杉並区議会議員で自民党公認の議員というわけではないのですが、なぜか7月24日に安倍晋三総理と会っています。豪雨災害もあり、猛暑災害もあり、かなり忙しいであろうタイミングで、安倍晋三総理は小林優美さんと会う時間を作っているのです。どちらが会いたいと言ったのか、誰に紹介されて面会が実現したのか知りませんが、小林優美さんと会う時間は惜しまなかった安倍晋三総理。思想が近い人は積極的に招き入れるスタイルです。そして、小林優美さんはこうなりました。

「安倍首相、万歳!」です。しかも、「いつも日本のために汗を流していただき、感謝でいっぱいです」とおっしゃっていますが、西日本豪雨災害の時には、日本のために汗を流すどころか、自民党総裁選の票集めのために汗を流し、こっそり秘密会合を開いていらっしゃったことがわかっています。そんなオッサンのことを疑いもなく感謝できる小林優美さんは、とってもピュアな心の持ち主、とっても可愛いです。「ツンデレ」とか「ヤンデレ」とか、いろんなタイプの「萌え」がありますが、彼女はまぎれもなく「ウヨデレ」です。「小林もいくら叩かれても構わないので、日本と世界の平和の為に努力します!」と宣言していますが、その行動がろくすっぽ平和に役立っていないどころか、LGBTの方々が生きにくくなる世界を実現しているので、痛々しくて仕方ないのですが、とっても萌えです。ただ、もっと僕の心を揺さぶってくる「萌え」な写真は、コチラです。

どれだけ無表情で写真に写れるかを競う「無表情グランプリ」があったら優勝できそうな前法務大臣の金田勝年さん。小林優美サキュバスに魂を抜かれた後みたいになっていますが、小林優美さんに言わせれば、この無表情からは想像できないほど「お茶目な冗談を飛ばしていた」そうです。金田勝年さんが言うお茶目な冗談って、どんなでしょうか。「おっぱい触らせて!」でしょうか。人によっては、そんなセクハラまがいのことを言っても許してもらえるのかもしれませんが、僕が言うのは絶対にNGです。たとえ冗談のつもりで言ったとしても目の奥が笑っていないのでガチ感が伝わってしまい、女のコがドン引くからです。

そんな小林優美さんは、ネトウヨ界のアイドルでいらっしゃるため、日頃からキリッとした感じで「日本のため!」みたいなことは言っているものの、まさに西日本豪雨災害が大変なことになっている7月8日に「日の丸コーディネート」をご紹介くださっておられました。この頃には西日本がだいぶヤバいことが報じられていたと思いますが、それよりも「日の丸コーディネート」を紹介するところが、とっても可愛いです。僕も服を着る時に参考にさせていただこうと思いますが、こんな価値観でいらっしゃるため、冒頭の「言葉だけ切り取らずに文脈を見ると、あの『生産性』は『子供を産めるかどうか』という意味だとわかります。言葉を文脈から切り取り、感情的になり過ぎてはいけませんね」に繋がるのだと思います。なお、こうなってくると「ちゃんと日本語を読めているのか?」と思わずにはいられませんが、センター試験の国語の点数は、漢字の問題を1問間違えただけだったので199点(のちに198点と訂正)だったそうで、国語力には問題がないことを主張しておられました。

国語力に問題がなくて独特の解釈をしているのだとすると、他の何かに著しい問題があるということになろうかと思います。「暑さ」でしょうか。ちなみに、こんな人が議員になるなんて杉並区はどうなっているんだと心配される方もいらっしゃると思いますが、どうもこうもこざいません。先日、杉並区長選杉並区議補選がありましたが、公用車乗り放題のパワハラ区長が危なげなく勝利する街であり、ほとんどの方が政治に無関心。小林優美さんはその美貌もあって、2015年の杉並区議選では定数48に対して70人が立候補した中、なんと、8番目の得票数で当選を果たしています。


■ 谷川とむ議員の「同性婚は趣味発言」

浄土真宗の僧侶で、元俳優で、現在は自民党青年局次長という谷川とむさん。現在42歳で、大阪19区から立候補し、小選挙区では日本維新の会の丸山穂高さんに敗れ、比例復活で衆議院議員になりました。希望の党の吉羽美華さんと結婚していましたが、2016年に離婚。吉羽美華さんは離婚の理由を「言葉や経済の問題でのDV」だと主張しています。「日本会議」「もくもく会」に所属しており、典型的なネトウヨ議員です。7月29日にAbemaTVの「千原ジュニアのキング・オブ・ディベート」に出演し、「同性婚や夫婦別姓は趣味みたいなもの」という発言をして、同性婚は認めないというスタンスを公言しました。今後はネトウヨ議員としてマークしたいと思います。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

杉田水脈さんの記事に対する炎上が止まらない中、自民党の二階俊博幹事長は改めて「大騒ぎするほどの話ではない」との見解を示しました。与党である自民党の国会議員が人権を踏みにじるような発言をしているのに、大騒ぎしている方がおかしいというのです。また、それでも杉田水脈さんを支持しているネトウヨは「LGBTを政権批判に利用するな!」と斜め上の正義を振りかざしています。杉田水脈さんは税金を使うかどうかの基準を「子供を産むかどうか」に定めているので、これはLGBTだけの問題ではなく、結婚できなかった人、子供が欲しくても恵まれなかった人、病気や障害で子供ができない人を含む、すべての日本国民に向けられた発言なのです。「LGBT以外は当事者ではない」という認識こそ大きな間違いであり、これに抵抗するのは日本国民として当然のことです。すべての国民が「子供を産まない」という理由で冷遇されるべきではありません。杉田水脈さんからのコメントを求めたいと思いますし、もしこのまま黙っているというのであれば、情弱をこじらせたネトウヨのオバサンは、議員をやってはいけないのだと思います。[了]

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