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【選挙ウォッチャー】 戸田市議選2021・分析レポート。

1月24日告示、1月31日投開票で戸田市議選が行われました。この選挙には、NHKから国民を守る党、あなたの党(旧・しょぼい政党)、スーパークレイジー君など、キワモノ系候補が多数。なぜ戸田市に集中してしまったのかという話なのですが、それは「戸田市が当選しやすい」と見られてしまったことにあると思います。戸田市の人口は約14万人ですが、定数が26となっています。戸田市より少し人口が多い静岡県藤枝市が定数22、埼玉県三郷市が定数24なので、他の自治体に比べて狙い目であることは確かです。ただ、キワモノ系候補が乱立したことにより、今年は36人が立候補する大激戦となってしまったため、逆に当選が難しくなりました。立候補する人が多くなり、選択肢が広がるのはとても良いことです。

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新型コロナウイルス感染防止のため、電車で移動ができず、カフェで原稿を書くこともできなくなってしまったため、ほぼ半日しか取材ができなかったのですが、とてもラッキーなことに、会いたい候補に全員会えるという奇跡が起こりました。しかも、「あの駅にいそうな気がする」という勘が完全的中。今年に入ってから「選挙ウォッチャー」の仕事は、絶好調です。


■ 半年以上の超ドブ板選挙でN国党が落選した

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まずお届けするべきトピックスは、NHKから自国民を守る党の黒瀬信明が当落ラインに遠く及ばずに落選したということです。黒瀬信明は半年以上前から毎日のように駅前に立ち続け、これほど長い期間、事前の活動をしている人間はいませんでした。ある意味では、誰よりも努力をしてきた候補だと言えるかもしれませんが、通常、これだけドブ板を続けてきたら勝てないはずがないのですが、どうして落選したのかと言えば、答えは一つです。「NHKから国民を守る党の人間だから」です。N国党員やN国信者たちは「コロナ禍で集金人が来なくなったから」だと言っていますが、その分析はまったくの間違いです。千代田区議補選に立候補した加陽麻里布がステルス的に無所属で立候補したにもかかわらず、「あたらしい党」の女装オジサンに負けているところを見ても分かるように、これは世間から「NHKから国民を守る党」が、ただの反社会的カルト集団だということがバレてしまったからです。こうなってくると、立花孝志がどれだけパフォーマンスをしようとも人気の復活はありません。これから未来永劫、どの選挙でも「NHKから国民を守る党」の候補者が勝つことはできないことを意味しています。

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なんと、5月30日から4週連続で「NHKから国民を守る党」の候補者が出てくる期間があるのですが、今年も1議席も獲得することはないと思います。せっかくなので、昨年の戦績を振り返ってみることにしましょう。

【2020年・N国党の当落状況】
[落選]1月26日:吉川市議選(鬼沢宏孝)
[落選]1月26日:取手市議選(岡本介伸)
[落選]2月 9日:前橋市議補選(前田みかこ)
[落選]2月16日:弥富市議選(宮部英雄)
[当選]2月16日:新座市議選(小野沢健至)
[当選]4月12日:志木市議選(古谷孝司)※無投票当選
[落選]4月12日:福山市議選(加陽輝実)
[落選]4月12日:坂戸市長選(尾崎全紀)
[落選]4月12日:坂戸市議選(石川新一郎)
[落選]4月19日:鹿児島市議選(最勝寺辰也)
[落選]4月19日:魚津市議選(谷口隆司)
[落選]4月26日:衆院補選・静岡4区(田中健)※供託金没収
[落選]4月26日:倉敷市長選(越智寛之)※供託金没収
[落選]4月26日:丹波篠山市議選(大久保祐太)
[落選]4月26日:京丹後市議選(尾瀬健一郎)※供託金没収
[落選]6月 7日:港区長選(柏井茂達)※ホリ新、供託金没収
[落選]6月28日:野田市議補選(渡辺晋宏)※ホリ新
[落選]7月 5日:東京都知事選(立花孝志)※供託金没収
[落選]7月 5日:東京都知事選(服部修)※供託金没収
[落選]7月 5日:東京都知事選(斉藤健一郎)※供託金没収
[落選]7月 5日:東京都議補選・北区(新藤加菜)
[落選]7月 5日:東京都議補選・大田区(小林隆弘)
[落選]7月19日:印西市長選(新藤加菜)※供託金没収
[落選]8月23日:箕面市長選(服部修)※供託金没収
[落選]8月23日:箕面市議選(信時一則)
[落選]9月13日:和泉市議選(多田ひとみ)
[落選]9月20日:摂津市議補選(近藤真由美)
[落選]10月18日:岡崎市議選(畑山浩一)

ということで、2020年のNHKから国民を守る党の戦績は、28戦して2勝26敗となり、うち1勝は無投票当選です。無投票でも勝ちは勝ちだとして、2020年が終わるまでに22連敗中。今年は、1月24日の倉敷市議選、同日に行われた千代田区議補選と合わせ、戸田市議選でも落選しているため、25連敗ということになります。

【2021年・N国の当落状況】
[落選]1月24日:倉敷市議選(越智寛之)
[落選]1月31日:戸田市議選(黒瀬信明)
[落選]1月31日:千代田区議補選(加陽麻里布)※無所属

2月7日には前橋市議選が行われ、亜塩素酸ナトリウム水溶液にクエン酸水溶液を混ぜて飲む「致死レベルのアホ」である前田みか子に当選の可能性はほぼありませんので、26連敗は濃厚です。「選挙のプロ」を自称する立花孝志は、途中まで「天才的な頭脳を持つ立花孝志にしか分からない実験的な戦略」だと言い続け、N国信者たちが一緒になって「頭の悪い選挙ウォッチャーには何もわからないんだ!」と言っていたのですが、これだけ勝てない人間を信じ続けるN国信者というのは、一体、どんな脳味噌の構造になっているのでしょうか。ちなみに、2020年の幸福実現党の戦績が、東京都知事選を含めて11戦していて「3勝8敗」となっています。今年は早くも菊川市議選で当選を果たしていますので、NHKから国民を守る党は、諸派として扱われている幸福実現党よりも勝てない政党であると言えます。これは今年の衆院選も絶望的な数字を叩き出すのではないでしょうか。いずれにしても、票を取れなくなっているのは、とても良い現象です。


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