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【選挙ウォッチャー】 福岡県知事選2019・分析レポート。

いよいよ「福岡三部作」が完結を迎えます。これまで福岡市長選北九州市長選をお届けし、それぞれ現職が危なげなく勝利する様子をお伝えしてまいりましたが、福岡シリーズの最終章は「福岡県知事選」となり、この選挙は「麻生派」「反麻生派」が激しく競り合う保守分裂の選挙となりました。事の発端は2016年の衆院補選で麻生太郎副大臣が推す蔵内謙さんを現職の小川洋さんが積極的に応援しなかったということで、激おこプンプン丸の麻生太郎副大臣が「オマエを知事から落としてやるからな!」という個人的な恨みから、自民党推薦の武内和久さんを擁立。すべては麻生太郎副総理のご機嫌一つで、この保守分裂選挙が起こってしまったという大変クソな展開です。

小川 洋  69 現 無所属
武内 和久 47 新 自民党推薦
篠田 清  70 新 共産党推薦

かつて自民党推薦だった現職の小川洋さんと、麻生太郎副大臣を中心としたグループが推す武内和久さんの「保守分裂選挙」でした。福岡市長選北九州市長選を見ても分かると思いますが、この福岡県は共産党が勝負できない地となっています。そのため、実質的に「麻生vs反麻生」の戦いとなり、この結果次第では麻生太郎副大臣が九州の地で急速に力を失うことになるというわけです。


■ 麻生太郎副総理の報復マウンティング

鳩山邦夫さんが亡くなったことを受け、2016年に行われた衆議院議員福岡6区の補欠選挙で、福岡県知事の小川洋さんが麻生太郎副大臣が選対本部長を務めた県連推薦候補の応援を断ったため、麻生太郎副大臣が小川洋さんを敵視するようになり、今回の福岡県知事選には必ず対抗馬を出すと言い張っていました。これに自民の大物議員たちも動き出し、山崎拓さん、古賀誠さんは福岡県知事選で小川洋さんを応援する方針を確認。「県連が『麻生vs反麻生』で割れたら選挙どころではない」とこぼしていました。参院選の福岡選挙区でも麻生太郎さんは定数3であれば自民党から2人の候補者を出すべきだと強気な姿勢を崩しません。自民党県連本部は公明党の支持母体である創価学会の九州幹部との間で「2人目は立てない」という密約を交わし、公明党の候補者に配慮する方針を打ち出していましたが、これも麻生太郎がグチャグチャにするかもしれませんでした。本当に迷惑な老害ジジィです。


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