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叶えたいことが、叶った

先日リストアップした「叶えたいこと100」の36個目は、「ベランダでPC作業できるように、テーブルと椅子を調達する」でした。

前々から想っていたんです。西向きだから、朝、眩しくないし、家の中より断然風が通って気持ちいいだろうなって。ふっと意識にのぼったときにgoogleで画像検索して、雨風も砂埃も虫をもしのぐメンテナンスフリーなアイデアを探すのだけど、これがぜんぜん、ありません。オープンカフェのテーブルと椅子がざらざらしていないのは、毎日店員さんが拭いてくれているからであって。レストランのテラス席のソファーとクッションだって、ホテルのプールサイドのデッキチェアだって、そう。「心地よさ」って、「お手入れ」と隣り合わせなんだ…!と世紀の大発見をして、うなだれて、以上、終了。が、お決まりのパターンでした。

それが、リストをつくった日、なんかこう、啓示が降ってきたんですよね。「夫のPCデスクを使わせてもらったらいいんじゃね?」と。夫のPCデスクは、いわゆるサイドテーブルってやつ(まさにこれ)です。夫はいつもリビングのソファーにどかっと座り、そのサイドテーブルにノートPCを置いて、テレビ観つつPCしつつ、余暇を愉しんでいます。ひよこ対策でPCは毎晩ちゃんとしまって寝るので、わたしが朝起きたときには、ひとりぼっちで、「だれでも、どこででも、使いなはれ」な状態で佇んでるんですよ。ソファーからベランダの窓までは、たったの1メートル。

さっそく拝借して、ベランダに持ち出してみました。椅子は、ベランダに据え置きしている無印の頑丈ボックス(これ)。週イチで拭いてはいるけど、タオルを敷けば、パジャマのままでも心置きなく座れます。サイドテーブルも、天板の角度だけ変えたら、あとは高さはソファー仕様のままで、ばっちり!夫のPC用に常駐延長コードもあるから、電源ケーブルもベランダまで引っ張れるし。

なんで、今まで何年も気がつかなかったんだろう。おしゃれさゼロだし、夫が寝ている朝しか使えないけれど、それでもちゃんと、朝の空気にさらされて、心地いい。「叶えたいなァ」と文字にしたときに脳が目でキャッチして、いつも見過ごしてるアレとソレとを繋いでくれたんでしょうね。想いを書き出す(言葉にする)効用を、さっそく実感しました。

ジャングルの中には「とりあえずその用途や実用性がわからないもの」がそれこそ無数にあったはずである。どうして「今はその用途や意義が知れぬ」無数のオブジェの中から、とりわけ「それ」が彼の関心を惹きつけたのか。私は彼がそうやって拾い上げた「モノ」はそれからあとのある時点で、必ず彼にとって死活的に重要な役割を果たし、「ああ、これをあのとき拾っておいてよかった」と嘆息をつく、という場面があったのだろうと思う。
そういう経験の繰り返しを通じてしか、「とりあえずその用途や実用性がわからないもの」の用途と実用性を先駆的に察知する能力は涵養されないであろう。「どうふるまってよいか」を指示するマニュアルがない状況でも、「どうふるまえばいいか」を先駆的に知ることはできる。できなければ生き延びることはできない。

内田樹「ブリコルールの心得

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