見出し画像

思った以上に美味しかった、肉じゃがグラタン

年末のとある平日の夜、会社の忘年会的催しがあって、夫とひよこに留守番をしてもらうことがありました。こういう日の晩ごはんは、肉じゃががお決まりです。つくるの簡単だわ、コンロで温めた鍋ごとドンとテーブルに出せば食事をはじめられるわ、一皿で済むわで、いいことだらけなので。中身的にも、牛肉大好きな夫と、甘辛な味付けが大好きなひよこの2人組にバッチ来いなのです。2人組というか、わたしも肉じゃが大好きなのですが。味のしゅんだ牛肉、とろとろに煮えた玉ねぎ、ほくほくなじゃがいも、やわらかなにんじん、食感のアクセントの糸こんにゃく。言葉をならべただけで、よだれが。ぶっかけごはん好きとしては、最後にお出汁をかけて食べるごはんもたまりません。無水調理ゆえ、その水分は醤油とお酒と、あとはぜんぶ素材から出たものです。旨味凝縮、ごはんがすすむ君。

その日はそうしてお腹いっぱい食べてもらって、翌日、わたしと夫のお弁当箱に詰めても、まだ残る肉じゃが。カレーとかおでんとか、食べきれる最適な量をつくるのが難しいおかずってありますが、わたしにとっては肉じゃがもそのシリーズに並びます。ついついつくりすぎてしまう。まな板で切ってるときは「これで足りるかなぁ」なにんじんやじゃがいもも、口に入れるとお腹にたまるので、そーんなにいっぱいはいらないんですよね。そうなんだけど、わかっちゃいるけど、やっぱりカットしたものをお鍋に入れた時点では、いまいち心もとない。そして、一応あと1本、念のためあと1個と皮をむいてしまうのです。玉ねぎなんかはくたくたにとろけるから多少いっぱいでも、いやむしろ、その食感が好きなのでいっぱいの方が好都合なのですけど。そんなわけで、こりゃ晩ごはんの分まであるぞ、な肉じゃがのお鍋が、お弁当箱を詰め終わったわたしの目の前にありました。

「朕ハ国家ナリ」なTHE ご長男様の夫は、基本的に、同じおかずが2晩連続で食卓に並ぶのがダメです。わたしの実家は1日目カレー、2日目カレー、3日目カレーうどんな食文化だったので、結婚してすぐの頃、「2日連続カレーとか無理やねんけど」と言われたときは衝撃でした。きれいな夕焼けが見られれば明日は「晴れ」なくらい、結婚式のファーストバイトでは食べきれないほどのケーキをフォークにのせるくらい、「そういうもんでしょ!?」な慣わしだと思っていたのに、ところがどっこい。晩ごはん→翌日のお弁当は、夫にとっても「そういうもん」らしいんですけどね。晩ごはん→翌日の晩ごはんはNG。もちろん、晩ごはん→お弁当ときたあとの晩ごはんなんて、言うまでもなく。

はて、困りました。残った肉じゃが、どうしよう。冷凍するにも、じゃがいもだし。サラダのトッピングに化かすには、量が多すぎる。押しつぶされるレタスが目に浮かびます。とはいえ、王道・コロッケへのリメイクは、平日19:00を過ぎての揚げ物は後片づけを思うと億劫千万。わたしはスマホを手に取りました。そして、cookpadのアプリを起動。検索窓に「肉じゃが リメイク」と入力して、虫めがねを親指でトン。

そうして出てきたのが、肉じゃがグラタン。ほうほう、なるほど、肉じゃがグラタン! これ、ぜったい美味しいわ。水炊きの残り野菜も、カレーのルーを入れる直前のトマト煮状態の野菜も、思いつきでチーズ焼きにしたら、立派なお弁当のおかずになったもの。あのとき、チーズって万能選手だなって改めて思ったんです。ホワイトソースだって、グラタンにしてもクリームシチューにしても、どんな具材も受け入れてくれますもんね。肉じゃがの甘辛さとホワイトソース&チーズのしょっぱさが、合わないわけがありましょうか。

夜、「今日の晩ごはん、何?」と聞いてくる夫に「豚のしょうが焼きと……肉じゃがグラタン」と答えてしかめっ面を寄越されながら、つくりました。そうだよね、そう思うよね、待ってて、ぜったい美味しから。みじん切りにした玉ねぎをフライパンで透明になるまで炒めたら小麦粉と絡めて、塩と牛乳を入れて。フライパン全体をかき混ぜながら、ぐつぐついう牛乳にとろみがついたら、ホワイトソースの出来上がりです。肉じゃがの鍋は隣のコンロにかけておいて、温まったら中身を耐熱皿に。肉じゃがの上にホワイトソースをのせ、パン粉、チーズをまぶして、焼き目がつくまでトースターに入れたら、はい、完成。

「ふつうの肉じゃがより好きかもしれん!」とは夫の弁。ひよこは、3回おかわりして他のおかずが食べられなくなっていました。自分で考えついたメニューではないけれど、昨日のおかずを今日も美味しくできて、おかーさん、ドヤ顔です。

ということで、肉じゃが2日目の肉じゃがグラタン、超絶オススメです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?