詩   つむじ風

穏やかだった
みんな平和で
明るい笑い声だけがこだましていた
不意に訪れたその風は
何もかもを奪っていった
思い出すら
吹き飛ばしていった
まだ続く長い道のりを
どの手にすがり
進んで行かないといけないのか
すべての人の
心まで吹き飛ばしたつむじ風
またその風が
やってくるのであれば
その時は
もう怖くない
何もかもを失くした僕に
失うものなどない
僕は
つむじ風と戦う
失くしたものを
取り戻すために



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