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ITがもたらす教育の革命

教育の在り方について考えさせられる、大変興味深いお話を伺ってきました。ITの現状やITがもたらす未来の可能性などについて以下の内容で要約します。

1、「いきなりスマホ」現象
2、教育を変えるIT
3、格差のなくなる未来へ




1、「いきなりスマホ」現象

アフリカの国々で、いま「キャッシュレス」が急速に普及している。

アフリカでは、銀行やATMが居住地の近くにないことが多く、そうなるとお金は家のなかに(例えば壺のなかに!)隠しておかなければならない。

しかしそれは安全面から考えると不安なこと。

その課題の救世主となったのが、現金を持たずに決済ができる仕組み、いわゆる「キャッシュレス」。

人々は「銀行」に行かなくても、手元に大量の現金を置いておかなくても、必要なときに必要な分の財産を使うことができるようになった。

同じように、アフリカでは「黒電話」や「ファックス」などの存在を飛ばして、いきなりスマホを使う現象が起きている。

これらの現象は、少しずつ積み上げられてきた歴史がないため、細かな法規制が存在しない。

その結果、ルワンダでは「ドローンで医療用の血液を運ぶ」という、日本ではおよそ実現しにくいことに取り組んでいる。

また、人々の生活が便利になる以外にも、次のような利点が生まれている。それは、

・優秀な人材が集まる
・巨大な投資が行われる

ということだ。

このようにして、優秀な人材と巨額のお金は新興国に流れている。

この話は、見方を変えると、日本の地方都市のように「不便さがあるところ」には「解決したい問題」があり、そこに市場が残っていることを示唆している。



2、教育を変えるIT

現在の日本の教育は、人口増加期に整えられた方法で、人口が減少し格差が広がる今の時代にそぐわなくなっている。

また、約40人もの子どもが一斉授業で何かを学ぶことは、「苦手な方法で学ばされている」ということでもある。

人には、それぞれ感覚に多少なりとも偏りがある。

例えば、「目で見ることが得意で、聞くことは苦手」、「話を聞くことは得意で、書き写すことは苦手」など、得手不得手は誰にでもある。

北欧ではすでに、現状に合わせ「学ぶことは家で」「使うことは学校で」という教育へとシフトしている。

まず、子どもたちは家庭で、動画配信等、様々なコンテンツの中から自分に合った方法で学ぶ。

続いて学校では、学んだことを活用する課題を与えられ、先生は全体をファシリテート・フォローする役割にまわるというもの。

またVR(Virtual Reality)を上手に活用すれば、例えば「周囲が気になると集中できない」という特性をもった子どもに、視界を遮断し、必要な情報をピンポイントで提示することも可能になる。

ペッパー(人型ロボット)を使えば、ひきこもりや肢体不自由の人に、人と関わるチャンスを作ることもできる。

得意なやり方で学び、学んだことをツールとして、直面する課題にどう生かすかを教えることが、これからの時代に必要になる。

人口減少の時代に、合わない学習法によって「落ちこぼれ」を作ることはもったいないことだ。



3、格差のなくなる未来へ

テクノロジーが進化することによって、「どこにいても学習や会議に参加できる」「東京に住んでいなくても高度な教育が受けられる」という環境が整ってきている。

そうすると、わざわざ物価の高い東京に住むメリットがなくなる。

また前述の通り、地方には不便さゆえの市場のチャンスがある。

そのため、地方へ拠点を移す人が増えており、地方の空き家問題の解決につながる可能性を秘めている。

さらに、地方へ人が集まれば人と人が出会うチャンスも格段に増える。

この「人と会う」ことには、実は大きな価値がある。

なぜなら、ネット上にいくら情報が溢れていたとしても、ネットの情報は「自分で取りに行く」必要があるからだ。興味のないことは調べないので情報が入らない。

しかし、人と会うチャンスが増えると、話の中から多くの情報を浴びることになる。

このように、テクノロジーの進化によって「教育の機会」が均等になることや、「人と出会う機会」が生まれることになり、最終的に地域の教育格差をなくすことができるのではないだろうか。





話の途中、「教育」という言葉が何度も出てきました。

「教育はとても大切」だと。

そして、例えばプログラミング教育によって、「プログラミング」というツールを身につけたら、それは「生き抜くための技術」にすることができ、そうすると「あなたの人生は、あなた自身でコントロールできますよ」というお話をされていました。

この言葉が、私はとても深く残っています。

子どもたちの新しいものへの好奇心や、ひらめきは素晴らしいものがあります。

それを大人の固定観念や価値観で「それは違う」「それはダメ」と制限してしまうのです。

しかし、大人が制限していることのなかに、「生き抜くための技術」につながる、好奇心やひらめき、そして「その子に合った学び」があるのではないでしょうか。

私たち大人が、「教育」の概念を大きく変えるときが来ているのだと感じました。



#落ちこぼれをなくす #VR #テクノロジー #LINKS  

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