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仮の住処

実家を出たのは、高校のとき。

以来、大阪、兵庫、神奈川、東京と、大きな街で生きてきました。

どこに行っても気に入るお家が見つかり、たくさん引越ししました。

引っ越すのは、とても楽しかった。
それまでのお家にありがとうして、新しいお家によろしくする。


でも、どんなに気に入ったお家に住んでも、それは「仮の住まい」という感覚がありました。

実家に帰っても、離れている時間が長すぎて、やっぱり「仮」。


いつか「ここが、わたしの場所」と感じられる場所が、見つかると良いな。
そんなふうに思っていました。


夏至の前に、引っ越そうと思い立ち、ふと気づいた。

結局、すべては仮の住まいなのだ、と。

どこに住んでも、誰と住んでも、どれだけ住んでも、どれも「本物」ではなく「仮」なのだと。


何か足りないわけでもなく、本物がいいわけでもなく、ただ、今、たまたまそこであっただけ。


「仮」と感じる感覚の正体は、魂の声なのだろう。

人間のわたしは、本物が良かったけど、魂は、仮を求めてきていた。


結局すべては、仮。
いつか去る場所。

そうであるならば、今しかないこの仮の住処を、ただ楽しもうではないか。

いつか去る場所だからこそ。


今日は素敵な夜でした。
おやすみなさい😘

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