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【文学】 手のひらサイズの短編小説と、現代短歌集と。

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掌説(しょうせつ)。ショートショートよりも短い世界最小の小説統一フォーマットを作りました。基本、400字ちょっとで完結。スマホ1〜2画面ぶんの長さ。ヘミングウェイが作った?と言わ… もっと読む
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記事一覧

【短歌ベスト10 #12】 お題は「コピー」。あなたのお気に入りは、どれ?

広告の文案(コピー)を書く仕事をしている。短歌もキャッチコピーもショートフレーズではあるが、両者は全く別物である。 短歌にはこれといった目的がない。あるとすれば作者の自己満足。読者の感動すら “目的” にする必要はない、と思うのだ。 一方、コピーには明確な目的がある。まず目に留めて読んでもらうことはもちろん、その結果、企業や商品のイメージが上がること。さらには、購買行動を誘発させること。 似て非なる短歌とコピーではあるが、はたして両者の融合は可能なのだろうか? 今回、一

【短歌ベスト10 #11】 お題は「ガール」。あなたのお気に入りは、どれ?

いつの時代も、ガールは輝いてる。 ガールの憂いは美しい。 ガールは最強。 そんな彼女たちの声に三日間、耳を傾けてみた。   ※NHK「ドキュメント72時間」風 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #10】 お題は「東京」。あなたのお気に入りは、どれ?

TOKYO1964には希望があった。 TOKYO2020でその幻想は打ち砕かれた。 東京に長く住んでいて、今でも大好きな都市だ。 けれども、世界一安全で清潔な街が、世界一美しいとは限らない。 そこに住む人々が幸せそうな街が、やっぱり一番美しいと思う。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #9】 お題は「言葉」。あなたのお気に入りは、どれ?

自分の言葉は気にならないのに、他人の言葉は妙に気になる。 同じ言葉を使っているのに、ほんの少しだけ、イメージやニュアンスがずれていたり。 完璧な言葉というものは存在せず、あくまでも実体の仮の姿にすぎないのだ。 そんな不完全な道具を使って作る短歌もまた、不完全。 だから、大目に見てくださいね。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #8】 お題は「日常」。あなたのお気に入りは、どれ?

前回の#7「幻覚」ではかなりトリップした世界に行きすぎたので、今回は逆にリアルな世界、「ふとした日常」に目を向けてみた。 とはいえ、その日常も、少し視点をずらせばたちまち非日常に変わる。 また、忠実に描写したつもりでも、31文字に変換した途端、非日常が立ち昇ってくることもある。 短歌って、不思議だ。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #7】 お題は「幻覚」。あなたのお気に入りは、どれ?

酒を飲んでいるわけでも、違法薬物をやっているわけでもない。 それでも時折、“幻覚”を見ることがある。 ふだんロジカルな思考で生きているぶん、何も考えずにボーっとしていると、脳の再生回路が極端にイメージへと振れるのだろうか……。 こうして10首を並べてみると、それは10の生首にも似て、死へのほのかな憧れや破滅願望が垣間見れる。意外だ。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10

【短歌ベスト10 #6】 お題は「母」。あなたのお気に入りは、どれ?

ママ、お母さん、母さん、おふくろ、オカン……。 人によって呼び方はさまざまだが、一人一人の母にはどこか共通しているところもあって。 不器用なLINEメッセージが送られてくると、つい、こちらが“保護者”のような気持ちになったりもする。 叱られたこともケンカしたことも沢山あったけど、思い出の中の母はいつも聖母だ。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽

【短歌ベスト10 #5】 お題は「学生街」。あなたのお気に入りは、どれ?

社会人に飽きたときは、いつも学生街に行く。 スーツじゃなくて、いろんなファッションの若者がいる。 定食屋があり、喫茶店があり、名画座があって、古本屋がある。 そんな街を歩きながら、自分の人生を短歌にしてみた。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #4】 お題は「仕事」。あなたのお気に入りは、どれ?

世の中にはいろんな仕事がある。いろんな仕事人がいる。 仕事人はときに孤独で、もがき苦しむこともある。 でも、その一人一人が、きっと誰かを幸せにしている。 と思いたい。 そして今、この瞬間も、どこかで誰かが仕事をしている。 (そして、どこかで誰かがサボっている) ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #3】 お題は「挫折」。あなたのお気に入りは、どれ?

挫折は果たしてマイナスなのか、プラスなのか。それは後になってみないとわからない。 無理矢理にでもプラスにする、してみせる。 そんな意志と行動力をもっている人を私は尊敬する。自分もそうありたいと思う。 「少し苦い後味」が残るように、それぞれのキャラクターでショートストーリーを作ってみた。 最近好きな飲み物は、IPA系のクラフトビール。苦い。でも美味しいよ。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されま

【短歌ベスト10 #2】 お題は「時代」。あなたのお気に入りは、どれ?

中島みゆきの「時代」という歌が好きで、ここ1週間ばかり、ずっと頭の中で流れていた。 自分の中で、回る時代を一瞬だけ止めて、最近のニュースから発想して作ってみた。2024年という時代を記録しておくために。 10年後の人々にとって、今はどんな時代に映るのだろうか。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。どれが出るかはお楽しみ。

【短歌ベスト10 #1】 お題は「紐育」。あなたのお気に入りは、どれ?

着いた頃の第一印象は「なんと、まあ、汚い街だなあ」だった。 それでもしばらく居ると、そういうところも愛おしく感じてきたりして。 そんなニューヨークで過ごした日々を思い出しながら作ってみた。 生涯この街を撮り続けた写真家、ソール・ライターになった気分で。 実際には写真に撮らなかったけど、心のフィルムに焼きつけた風景の数々……。 ※ちょっとした特典 ♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。あなたに贈る素敵なメッセージが1つ表示されます。メッセージは全部で10種類。

【1分で読める小説】 その9 珍獣と珍虫

独立したムルリン王国から“親善大使”として贈られたのは、最近発見された幻の珍獣だった。姿形はパンダの赤ちゃんに似ていたが、色は白と茶で、動作も鳴き声も全てが愛らしかった。日本政府から飼育を任された動物園はある難題に直面していた。その珍獣は現地では“恐るべき名称”で呼ばれていたのだ。 「どうします、園長?」「仕方あるまい。ムルリン語での正式名称を変えてはならないという条件で特別に贈られたのだ」かくして、その珍獣は正式名称である『ゴキブリ』という名前で一般公開された。ゴキブリを

【1分で読める小説】 その8 試合前の瞑想

6オンスの赤のグローブをつけ終わると、俺はいつものようにロッカールームのベンチに横になった。試合をイメージし、集中力を高めるための瞑想に入るのだ。俺は八度目の防衛に臨むミドル級の絶対王者であり、相手はランキング12位の無名選手。だが油断は禁物だ。 ———左ジャブと見せかけて左フック。奴のガードの後ろをガツンと通す。怯んだ隙に、俺は右ボディを放つ。奴もジャブの連打で反撃。俺がフェイントで距離をつめた瞬間、奴の高速ワンツーが火を吹く。今だっ。0.5秒差でかわし、渾身の右ボディ