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パリで泥棒に入られた件と、スリの話 その2

パリにはロマというジプシーがいて、スリや泥棒を働く(ロマだけではないかもしれないが)。しかしここ数年パリは、相次ぐテロで観光客が激減している。お客がいなくなったため、かれらは南下して、バルセロナで仕事をしているという話を、聞いていた。2018年の8月にパリ入りする前にはバルセロナに行ったので、渡欧前には、スリ対策ばかりしていた。

バックパックなんか絶対ダメ、前がけのカバンでないといけない。財布にも携帯にも、必ず紐をつける。レストランで椅子の上にカバンを置いたりしたら、一瞬でなくなるから、絶対に手離さない。などなど。

地下鉄は危ないと聞いたので、バルセロナでは決して地下鉄には乗らず、移動はつねにバスか徒歩だった。バックパックは切られるというので、街中ではない移動用に、切られない生地でできた防犯リュックも買った。

パリのテロは沈静化したのだが、最近はgilets jeunesつまり黄色いベスト運動のデモの影響などで、また観光客が減っている(それでもたくさんいると思うけれど)。それでかれらは現地の人を襲うようになっている、ということを、最近いろいろなところで、聞くようになった。泥棒が急に増えているというのは、そのせいらしい。

パリの街中では、普通のバックパックで歩いている。そうしたらこの間、メトロの駅の階段から地上に出るとき、誰かが後ろから近づいてファスナーに触っているような気配がした。振り返ってジロっと見たら、黒っぽい顔で黒髪の30代くらいの姉ちゃんが、ゴメンなさいねー(Excusez-moi)、と変な節回しで言ってわたしを抜かし、去っていった。

もしぼうっとしていたら、ファスナーを開けて、中のiphoneをスっていたのだろう。多分泥棒にあった次の日だったと思う。

その前の日には、一緒にいたパリ在住の日本人が、メトロでスリにあった。スリは駅に着くや、口が前からパカっと開く彼女のショルダーバッグの口を開けて、財布をスった。

しかし気づいた彼女は、バッとメトロを降りると、スリを追いかけて財布を取り返し、電車が駅に止まっている2分くらいの間に、なんとまた同じ場所に戻ってきた。バックの掛け方は不注意だったのだろうが、すごい神業だった。

パリに留学していた同僚は学生に、その格好で行きなさいとアドバイスするのだ、とわたしに言った。つまり素敵な格好をせず、フツーの(大阪の 笑)大学生の格好で行けば狙われないから、と言うのだ。

それでわたしも、いつもわりとシンプルな格好をしていた。しかし泥棒にあった前の日は、ツイードのミニスカのスーツに透明なストッキング、ヒールのサンダルといういでたちだった。

大家さんが、わたしが前日帰ってきたとき、変な男がウロウロしていた、という。前日から見ていたのかもしれない。姉ちゃんに後ろから寄られた時も、ストッキングに同じサンダルだった。

ところで。今回盗まれたものは、だいたい買って4年くらいは経っているものなのだが、iPadの一つは、まだ買って1年経っていない。補償期間内ではないかと思ったのだが、ドコモでSIMフリーにすると、保険がかけられないという、わけのわからない仕組みになっていることを、思い出した。

保証のためにわざわざ、年会費1万円もするdカードを作ったが、保証されるのは持っていたから唯一助かった、iPhoneだけ。今度からはアップルストアで買った方がいいのだろう。日本の携帯には、本当に意味のわからない条件がいっぱいついている。それはそれでまた、やれやれ、何だかなあ、という感じ。

#パリ #フランス #バルセロナ #スリ #泥棒 #ロマ #ドコモ #田中ちはる





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