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アラフィフJAMの夜きみ感想

そもそも見るつもりなかったんですよ。
中高生に人気の小説が原作の胸キュンラブストーリーとか言われたらねぇ(ターゲット層外にも程がある)
瑠姫があまりにもプロモーション頑張ってるんで(笑)

原作は未読。
胸キュンだろうがチューだろうが何でも来やがれ!!!と開き直って挑んだんですが想像していたような話ではなかった。
恋愛要素もあるにはあるけど、むしろこの年頃特有の悩みだったり迷いだったり色んなものを溜め込んで息苦しく生きている女の子がとある男の子と出会うことで救われ、そして実は男の子もまた…という。
まぁ割とよくあるやつ。
ちょいちょい出てくるツッコミどころが一昔前のケータイ小説を思い起こさせるな(苦笑)
ただ決して安っぽさはなくとてもこだわって丁寧に作られた映画だなと思いました。
色んな意味できれいな映画でした。

りんくまちゃんがすごく良かったのです。
演技といい雰囲気といい茜というキャラクターにぴったりだった。
ウジウジしすぎてないのでそんなにイライラせず見てられた。
もっとエグい描写も覚悟してたんですよ。
イジメとか親からの虐待とか恋愛のドロドロとか。
そういうのがほとんどなかったのもしんどくなり過ぎないでよかった。

一方で青磁のキャラがいまいち掴み切れなかったんですよね。
いきなりの茜呼びからの一方的に大っ嫌いとか言い出すし。
ちょっと尖った感じでクラスの人気者、所謂俺様系のキャラなのかなぁ。
かと思えば嫌い嫌い言う割には謎に親切だし、青磁が何考えてんのかわかんねーーー
終盤種明かしがあったものの何だかあまり消化できないまま終わってしまいました。

ただ青磁が完璧に青磁だった。
そこは素晴らしかった。
事前に見たビジュアルは瑠姫にハマってたけど実際どうなんだろう、あまりにハマりすぎて白岩瑠姫として見えちゃうんじゃないだろうかと心配してたのです。
なめてた。本当にごめん。
深川青磁がそこにいた。
単に見た目がハマってるだけじゃなく青磁として生きてた。
動き・ちょっとした声音(こわね)がリアルすぎた。
あと30若かったら好きになるところだったぜ。危ない。

とにかく青磁のターンに入るのが遅すぎた&駆け足だったのが勿体なかった。
もうちょっと早く気付けてたらなぁ。

これ青磁最初っから茜のこと好きじゃん!!!!!!!

茜に対するあれもこれもぜーーーーーんぶ好きだからこそじゃん!
と突然気付いた真夜中。
いや読解力のない自分が悪いのだが(泣)

それを踏まえて青磁目線で見た2回目。
もう青磁が愛おしくて愛おしくて。
例の最初の「茜」の声がもうめちゃめちゃ優しいの。
他人行儀な反応に伏せる目が悲しげなの。
茜に構うのも当たりが強いのも優しいのも全部茜への想いからだったんだ。
子供の頃からもうずっと青磁にとって茜の笑顔は1番綺麗で御守みたいなものでヒーローだったんだよね。
それがこんなに変わってしまって自分のことも覚えてないのが悲しくてもどかしくて"大っ嫌い"なんだよね。
はーーーーーーー(言葉にならない)
なんていじらしいんだ青磁……(ていうかめっちゃ伏線あるじゃん。何で気付けなかったの)
そこへきてGradationの歌詞がもうね……
何これ何これもう純愛じゃん!!!!(大泣)

是非茜目線、青磁目線でそれぞれ見てください。
見える景色がまるで変わるので。
カメラワークや色使いなど細かい部分にも色々工夫があって見る度に新しい仕掛けが見えてきます。素晴しい。
歳が歳なんであれなんですけどとにかく若い二人がかわいくてかわいくてね………
いやーーー若いっていいですね(しみじみ)
いや、いい映画でした。
何となく敬遠されてる方がいらっしゃったら食わず嫌いせず是非見てください。
お前が言うなって話ですが!

※以下余談

タイトルの"夜が明けたら〜"というのは文字通り夜明けを一緒に見るという他に"夜=未来への恐れ"と解釈もできるなと。
恐れに打ち勝って自分に自信が持てるようになって茜に会いにきたのが5年後のあの青磁なのかなと。
"5年後の青磁"が見れるのかとワクワクしたけど出てこなかったなぁ。
想像にお任せしますってやつか。
実は青磁死亡エンドかとも思ったんですよね(ひどい)
ちゃんと生きてるようでよかった。

瑠姫は基本完璧に青磁の顔をしてたんだけど、文化祭のダンスの時とラストのペンキぶちまけてキャッキャウフフしてる時は瑠姫の顔が出ててちょっと笑っちゃった。かわいい。

あと皆美術の先生好きでしょ(笑)

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