西園寺千裕/社会福祉士・行政書士

法政大学法学部で法律を学び、卒業後、法律事務所・司法書士事務所で10年以上勤務してきま…

西園寺千裕/社会福祉士・行政書士

法政大学法学部で法律を学び、卒業後、法律事務所・司法書士事務所で10年以上勤務してきました。 現在は、おおごだ法律事務所で弁護士の秘書を務めながら、社会福祉士・行政書士として、成年後見、高齢者・障害者の権利擁護活動に取り組んでいます。

最近の記事

自筆証書遺言のルールが変わりました

最近になって、自筆証書遺言の新しい制度が始まり、 自筆証書遺言が利用しやすくなりました。 相続法は、1980年以来、大きな見直しはされてきませんでした。 一方で、高齢化が進むなど、社会経済情勢は刻々と変化しており、このような変化に対応するために、2018年7月に、相続法の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立しました。 今回は、「自筆証書遺言の方式緩和」と「自筆証書遺言書の保管制度の開始」につい

    • 映画『凱歌』

      映画『凱歌』は、東京都東村山市にある国立療養所多磨全生園を舞台に、国の終身隔離政策によって、強制的に入所させられたハンセン病の元患者の方々を9年間にわたって撮影したドキュメンタリー映画です。 想像できないくらい残酷な事実を目の当たりにしますが、元患者のきみ江さんご夫婦や中村さんを見ていると、人と人の結びつきの強さ、人の心の美しさとあたたかさを感じます。 坂口監督は、大胡田弁護士が書籍を出版する際に、編集協力・構成をしていただき、大変お世話になりました。 坂口監督は、文化庁

      • 音訳者養成講座のこと

        今日は、音訳者養成講座で学んだことをお話ししたいと思います。 「音訳」とは、視覚に障害のある方のために、文字(墨字)で書かれている書籍などを「音声」にして伝える活動です。 私は、今、おおごだ法律事務所で大胡田弁護士の秘書を務めています。 大胡田弁護士は、全盲で司法試験に合格した日本で3人目の弁護士です。 大胡田弁護士の秘書になった最初の頃、私は、裁判の書面やあらゆる情報をうまく伝えることができませんでした。 毎日必死に取り組んでいましたが、全然うまくいかず行き詰っていたとき

        • 成年後見関係事件の概況

          裁判所のホームページで、令和2年1月から12月までの「成年後見関係事件の概況(最高裁判所事務総局家庭局)」が公表されています。 この資料は、全国の家庭裁判所の成年後見関係事件(後見開始、保佐開始、補助開始および任意後見監督人選任事件)の処理状況について、その概況をまとめたものです。 〇成年後見関係事件の申立件数は、37,235件で、前年より約3.5%増加しています。 〇申立人については、市区町村長が最も多く(約23.9%)、次いでご本人の子(約21.3%)、ご本人(約2

          「まだ判断能力に不安はないけれど、今から支援を受けたい。」~任意後見のお話②~

          任意後見は、将来、判断能力が低下してからの支援です。 でも、まだ判断能力はしっかりしているけれど、今から支援を受けたいという場合があります。 ご本人の判断能力が、いつ低下するのか? それは誰にも分からないので、 ご本人の心身の状況や生活を見守り、支援する体制を整えておく必要があります。 また、判断能力はしっかりしているけれど、足腰が不自由になったり、寝たきりになってしまった場合、生活面や各種手続きなどが難しくなります。 このような場合に、次のような支援の方法があります

          「まだ判断能力に不安はないけれど、今から支援を受けたい。」~任意後見のお話②~

          「今は元気。でも、将来のことが心配。」~任意後見のお話①~

          成年後見は、大きく分けて2種類あります。 すでに判断能力が不十分な場合の「法定後見」と、 将来に備えて、誰に、どんな支援をしてもらうかを自分で決めておく「任意後見」です。 例えば、現在、すでに判断能力が低下している認知症の方や精神障がい、知的障がいの方は、法定後見になりますが、 任意後見は、現在、判断能力に問題がない方や障がいを持つ子のご両親などが、必要になるかもしれない制度です。 具体的には、次のような流れになります。 1 何をしてほしいか?を決める将来、自分の後見人

          「今は元気。でも、将来のことが心配。」~任意後見のお話①~

          「戸籍の調査」について

          今日は、「戸籍の調査」についてご紹介したいと思います。 当事務所では、相続の手続きをご依頼いただくと、まず行うのが戸籍の収集です。 それは、相続人が誰なのか、を客観的に証明するためです。 具体的には、お亡くなりになった方(被相続人といいます)の出生から死亡までの戸籍をそろえて、相続人を確定させます。 また、例えば、被相続人に、お子さんがいなくて、すでにご両親も亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人となりますので、被相続人のご両親の出生までさかのぼった戸籍謄本も収集します。

          成年後見について

          成年後見制度は、認知症の方や、知的障がい、精神障がいなどの 精神上の障がいによって、物事を判断する能力が十分ではない方が、 その方らしい生活が送れるように、法律面・生活面から支援する制度です。 成年後見制度は、2000年に、介護保険制度と同時にスタートしました。 支援者(後見人等)は、 ご本人の意思を尊重した生活ができるように、心身の状況と生活を見守り、 ご本人が不利益を受けないように、権利と財産を守ります。 具体的に何をするのか?よく分からない方も多いと思います。 具体

          はじめまして。自己紹介です。

          はじめまして。 西園寺千裕(さいおんじちひろ)と申します。 今日から、noteを利用することになりました。 私は、法政大学法学部で法律を学び、卒業後は、 都内の法律事務所・司法書士事務所で10年以上勤務してきました。 現在は、おおごだ法律事務所で大胡田弁護士の秘書を務めながら、 社会福祉士・行政書士として、成年後見、高齢者・障害者の権利擁護活動に取り組んでいます。 社会福祉士として仕事を始めて感じていることは、 「社会福祉士」という資格が、世間ではあまり知られていないとい

          はじめまして。自己紹介です。