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1stアルバム「chihitek 1」雑記

2023年11月25日、chihitek名義での初のアルバム「chihitek 1」が各種配信サービスでリリースされました。

ここに至るまでの色々な出来事や自分の思いを残しておこうと思い、この記事を書いています。

アルバムを聴いてから読んで頂くとより一層楽しめますので、お聴きになって頂けると幸いです。

各種サブスク用マルチリンク🎧

Youtubeでも聴けます📻


制作に至るまで

遡ること2023年1月29日、楽曲を応募していた第3回8小節アワードというコンテストでロック・ポップス部門の第2位に入賞しました。

入賞の瞬間🎊(53分23秒~)

自分の楽曲が認められて入賞しただけでも嬉しいのに、副賞でTuneCoreさんのアルバム2年配信無料クーポンを頂きました。

この時はそこまで「アルバム出すぞ!」と意気込んでいたワケではなく「アルバムリリース…そんなこともできるのか…!」という程度のイメージしか持っていませんでした。

転機が訪れたのは4月に入った頃。
そういえばアルバム配信無料クーポンは期限があったような…と思い調べてみると、年内一杯が有効期限とのこと。
12月リリースだとして、作業期間は約7ヶ月…。
最後の1ヶ月はリリース準備にあてるとしたら音源制作に充てられる時間は6ヶ月しかないぞ…と、一気に尻に火が付きました🍑🔥

選曲について

何を収録するかかなり悩みましたが、主に以下の大枠に沿って考えました。

ゆうやけ刑事枠

まずゆうやけ刑事を1曲目に持ってくるとして「ラストはゆうやけ刑事のエンディングテーマが良いのでは無いか?」と自然な流れで思い付いたので「ゆうやけ刑事エンディングテーマ(仮)」を制作することにしました。
これが後にラストを飾る「夕暮れの街」という曲になります。
モチーフは90年代初期のニューアダルトミュージック。
夕方5時くらいに再放送してる刑事ドラマがエピローグに差し掛かった辺りでフェードインしてくるエンディングテーマです🚬

その間をどうするか…と考えた時に「世界観を共有する曲にバトンを渡すのはどうだろうか?」と思い付いたので「ゆうやけ刑事から繋がるドラマの劇中に流れるBGM」を妄想して作ることにしました。
この妄想BGMが2曲目の「落日」になります。

実はもう1曲、妄想BGMがあったのですが、それは通しで考えた時に蛇足になりそうだったのであえなくボツにしました🚮
何か機会があれば公開するかもしれません。

東京情景ミュージック枠

折角のアルバムなので、過去の自分の作品群から「東京情景ミュージック」としてシリーズ化していたインスト楽曲を歌唱曲に作り変えることにしようと思い立ちました。
このシリーズは「80年代後期〜90年代初期の歌謡曲をモチーフに東京の街並みを連想するような雰囲気の楽曲を作る」というコンセプトで制作した楽曲で構成されています。

「東京情景ミュージック」はSoundCloudでお聴き頂けます☁🎶

どれを候補にするかというのは紆余曲折ありまして、最初に選んだ曲と最終的に収録された3曲ではラインナップが異なります。

ラインナップが定まったのは「芝浦埠頭」の作詞をする為に芝浦南ふ頭公園を訪れた時。
公園から続く道を歩いていると、レインボーブリッジを歩いて渡れることに気付きました。
折角だから歩いて渡ってみようと思い、レインボーブリッジを歩いていくと、台場公園が見えてきました。
この時初めて、全く意識せずに「芝浦埠頭」「東京港連絡橋(レインボーブリッジ)」「台場公園」という曲を作っていたことに気付きました。
「これはもうお台場三部作とでも銘打って収録するしかないだろう…!」とその場で思い付いてラインナップが決まりました。

いつも曲名をつける時は結構適当につけているのでこれは本当にミラクルでした。
「芝浦埠頭」に至っては制作当時に「この曲港っぽいな~どこかちょうどいい港はないかな~」くらいのテンションで選んだ場所だったので、まさかこんな形で伏線回収されるとは作者自身も予想していませんでした😅

宮目果林さん枠

以前イラストレーターの宮目果林さんとコラボした「想い出の夏」が頭に浮かんだのでこれを候補にしようと考えました。

「想い出の夏」の詞は宮目さんの原案を基に、トレンディ要素をさらに追究したワーディング調整を行って制作しました🌃
楽曲はバブルの頃のトレンディドラマの主題歌をモチーフに考えました🌹

その「想い出の夏」のカップリングとして妄想していた「夏の想い出」も良い流れができるので是非入れようと考えて採用しました。
「夏の想い出」は前述の「8小節アワード」に応募していた楽曲でもあったので、この時点でサビだけ出来ている状態からフルバージョンを作ることにしました。

ちなみに、この「夏の想い出」は「想い出の夏」ができた時に勝手に妄想して自分でシングルCDのジャケットのデザインを作った時にカップリング曲としてネタのつもりでつけたタイトルに由来しています💿

意外とそれらしくできたジャケット💿
(全て架空の内容)

浅草枠

浅草枠っていうか「浅草」です。

「浅草」というのは2020年の夏にボーカル・作詞にヒロムさん、ギターにヴァイオラ伊藤君を迎えてMVを制作した楽曲です。

この曲もかなり思い入れのある曲で予てより何らかの形で音源化したいと思っていたので即採用しました。
アルバムに収録したバージョンはMVのバージョンから少しだけ音色変更と、微細なフレーズの見直しとミックスを調整してあります。
どこが違うのかわかったら相当なchihitekマニアです(不名誉な称号)

インスト楽曲枠

歌モノがメインではあるのですが、インタールード的にインスト楽曲を挟みたいと思っていたので、前述のゆうやけ刑事枠でも触れている「落日」と、宮目果林さん枠の2曲を繋ぐ「Sunset」というインスト楽曲を作りました。
「Sunset」は何かしらトレンディドラマの世界観のBGMを作りたいと思っていたところ「落日のメロディーを基にアレンジしたら面白いかも?」と思いついて作ってみたらピッタリとハマったので採用した曲です。
タイトルも「落日」と「Sunset」で敢えてどちらも同じ意味になるようにしました🌆

もう1曲「晩秋」という曲が収録されていますが、実はこの曲は全曲が完成して最後のマスタリング作業を開始した時点ではラインナップに含まれていない曲でした。

ちょうどマスタリング作業のタイミングで、プライベートで喪失感を味わう出来事があり、そんな最中で作った楽曲だったのですが「こういう気持ちを封じ込めた曲も折角だから収録しておこう」と採用を決めた楽曲だったりします。
アルバム制作自体がなかなか無い機会なので、その時のリアルな感情を記録する判断をしたのは正解だったと思います。

作詞について

今回のアルバムでは元々詞がついている「浅草」と、宮目果林さんと共作した「想い出の夏」以外の4曲は全て自分で作詞をしました。
作詞は中二病全盛期の中学生以来…というか、きちんと考えて作る詞は初といっても良いかもしれません。

そんなワケなので、物凄く苦労の連続で、途中で投げ出して誰かに頼むことも頭をよぎりましたが…何とか全曲作り終えることができました。

「夕暮れの街」は主役が誰かというのはあまり特定せず、情景を歌うような歌詞を心掛け、「芝浦埠頭」「東京港連絡橋」「台場公園」の3曲は様々なシチュエーションのラブソングとして制作しました。

最初に作ったのが「夕暮れの街」で、主役をおかなかったおかげでひたすらワーディングで変化をつけていくのが大変でした。
制作途中で浅草の作詞でもお世話になったヒロムさんに教えを乞うたりしながら、何とかここを乗り越えたおかげで残りの3曲の歌詞はワリとスムーズに作れた気がします。

「芝浦埠頭」は春、「東京港連絡橋」は夏、「台場公園」は秋から冬、と季節をキーワードに盛り込んで作詞に取り組みましたが、テーマが明確だと言葉選びもやりやすいというのがよくわかりました。

ボーカルについて

歌モノ楽曲ということはボーカルが必要になりますが、「浅草」以外の楽曲はNEUTRINOという仕組みを使ってAIが歌っています。

声は全て東北きりたんを使用していて、男性ボーカルについても東北きりたんを調声したものです。
男性ボーカル用の調声は「夕暮れの街」を作った時に思い付いたものですが、思った以上に難航して「完成しないかもしれない…」と諦めかけましたが、何とかノウハウを確立させたことで完成し、後に続く「東京港連絡橋」でも使用することができました。

その「東京港連絡橋」で今度は「英語の発音」(NEUTRINOは日本語のみに対応)という壁にぶつかるのですが、ここは割り切って「日本人が歌う英語詞」という形で何とか切り抜けました🥷

「浅草」については前述の通り、ヒロムさんに歌ってもらっています。
AI歌唱の中に1曲だけ人間のボーカルという建て付けですが、上手く馴染んでいると思います。
AIが人間に近づいているのか、ヒロムさんがAIに近づいているのか…いずれにしても興味深いですね🤖(※ヒロムさんの歌はとてもすばらしいです)

アートワークについて

いつもSoundCloudやYouTubeで公開する楽曲のアートワークは自分で作成していましたが、アルバムとなるとしっかりしたものを誰かに描いて欲しい…と思い、最初に思い浮かんだのが楽曲の方でも触れたイラストレーターの宮目果林さんでした。

ご自身の個展やイベント出展で物凄くお忙しい中、快く引き受けて頂いた上にティザームービーの制作も宮目さんの方から「是非やらせてください!」と打診があり、多大なるご協力を頂きました。

アートワークのやりとりはTwitterのDMでやりとりをしていましたが、こちらのオーダーに爆速で応えてくれてどんどん仕上がっていく様は今になってDMのやりとりを見返しても圧巻でした🏍

ラフの時点ではもう少しシンプルなデザインでしたが「テレビを置いて欲しい」という自分のオーダーに応えて頂いたことで現在のアートワークの骨格が出来上がったと思います。

なんとなくオーダーしたテレビでしたが、ティザームービーを観て頂くとわかるように結果的に非常に重要なファクターとして働くことになりました。
ちなみにテレビは「パナソニックのTH-14Z1/Nをモチーフに」と型番指定で描いてもらいました。
ティザームービーの方では下の方に「PAPASONIC」と架空のメーカーのロゴが描かれているのもポイントが高いです📺

あと「テレビの上に何か置きますか」と悪ノリしてスカイツリーを置いてもらいました。
「そこは東京タワーじゃないのか!」とツッコミがありそうですが、敢えてこの時代錯誤している感じが面白いかな、と思って置いてもらいました🗼

右下にある電話の受話器も家にある電話機を観ながらサイズ感の調整を依頼したりと、結構細かいところまで調整してもらいました📞

毎回細やかな調整をイヤな顔せずにつき合ってくれた宮目さんには本当にお世話になりました🙇

リリースを終えて

この記事を書いている時点でリリースから約1か月が経ちましたが、不意に思いがけず「アルバム良かったです!」と声を掛けられることがあって、非常に励みになっています💪

自分が音楽を作っている理由のひとつに「こういう曲を聴きたい」という欲求があるので、今は「同じような思いの人にどうやったら届けられるのか」を常々考えています。
てっきりリリースしたら次に何作ろうか考えるものだと思っていましたが「リリースしてからが本番なんだな…」と気付かされる日々です。

聴いてくれた方、広めようと告知してくれた方、感想をくれた方、全ての関わって頂いた方々に感謝感謝です🙇

そして、ここまでお読み頂きありがとうございます。
もしよろしければご感想を頂けるととても喜びます🐱

これからも新たな作品を作り続けていくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします🙌

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