オペラの記録:オッフェンバック《ホフマン物語》(7月27日、ミュンヘン・ゲルトナープラッツ劇場)


オッフェンバック作曲《ホフマン物語》を7月27日、ミュンヘンのゲルトナープラッツ劇場で観ました。

この日の劇場。《Hoffmanns Erzählungen》(ホフマン物語)という垂れ幕がかかっています。

オーケストラ・ピット。小さい編成です。

プログラム。

この日は学校プログラムでしょうか、15〜16歳のティーンエージャーたちが先生に引率されて多数来ていました。私の席の周りは若者たちだらけ。
男子は襟付きのシャツ(襟付き、というのがポイント!)、女子はそこそこおしゃれしていました。
ドイツは観劇やコンサートの服装に厳しくはないのですが、子供の頃からこういう習慣を身につけるのは悪いことではないと思います。

そういえば、先日、バイロイトの開幕で、男性は襟のないTシャツ、連れの女性は寝巻きのようなワンピースの(アジア系?)カップルがいたのですが、いくら自由とはいえ、ちょっと・・という気がしました。この子供たちの方がずっとマシな格好でした。

ところが、子供たち、最初はおとなしくしていたものの、休憩後は大変。
男子の中でひときわ体の大きいボスのような子が、私の前に座りました。
彼の左は多分No.2。
右にはボスの顔色を伺う「パシリ」のような男の子。
しかも先生と同列で少し離れた所です。つまり先生からは見えません。

そして、No.2とパシリがボスをチラチラ見て、他にちょっかいを出す。
公演中、ヒソヒソ話す、体を動かす。女子の関心をひこうとコソコソ動く。
ただ、ボスは泰然自若。時折、No.2とパシリの子の肩を抱き締める。この時は私がどう横に体をずらしても、全くステージは見えません。
女子の中には、ステージより彼らを見ている子もいれば、眉を顰める子もいて・・。

こういうことは大人の社会でもあるなぁと思い、まさに社会の縮図を見たようでした。

彼ら、ろくに観てもいないのに、拍手は盛大、「ウォー」っと叫ぶ。それはそれで盛り上がるのですが・・・。
これも大人の社会にありますよね。よく見ていないし、知らないのに、知ったふりをする、大騒ぎする。

しかし、私はステージが見えないし、集中して観ることも聴くこともできません。
ボス、No.2、パシリの席の背もたれを、(偶然を装って、つまり私の隣も子供たちなので報復を恐れ)何度か足で蹴ったのですが、びくともしません。

というわけで、厳しい観劇となりました。

カーテンコール。


FOTO:©️Kishi

以下はプログラム中の写真です。

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