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鉄雄ならどうする

現時点ではバッドエンドと呼んでもいい島編の終わり。
どんな終わりをあなたは望んでいただろう?

正直途中から、「心中」的なエンドには興味を失っていた。そのエモさはわからなくは無いが。
そもそも生き物として「生きる」「逃げる」は基本であり、葉っぱたちの行動原理は、周囲を巻き込んで迷惑をかけることにも、秘密を貫くことで結果的にちいたちを騙してセイレーンを討伐させることにも、多少の罪悪感はあれど、生き抜くことこそがより「正しい」と確信したものだった。
そのためならあらゆる困難に立ち向かうことを覚悟している以上、島民に秘密が発覚しようがセイレーンたちが追ってこようが、最期の瞬間まで2人で生き抜くことを諦めない。それが彼らなりに「筋を通すこと」だったろう。

僕が島編の終盤から妄想していたのは、たった1枚の絵で。それは樹木が絡まり合うようにして作られた玉座に表情の見えない2枚葉っぱが鎮座し、その片手からこぼれ落ちた無数の「タンサン」が足元や周囲にバラバラと散らばっているシーン。
もちろん1982~90年にヤングマガジンに連載されたマンガ「AKIRA(大友克洋)」へのオマージュである。

裸の王様となった41号。
無数に散らばるのは彼の「タンサン」たる向精神薬だ。

セイレーンたちの猛攻を1枚葉っぱの自己犠牲で逃げ延びた2枚葉っぱが緋の目を発現。植物を操る能力を駆使したゲリラ戦でセイレーン達に対抗する。緋の目の代償はその寿命たる電力消費の増大だったが、2枚葉っぱは残りの人魚を刺身や天ぷらにして取り込み、単三3本のスロットに進化してそれをカバー。1枚葉っぱの形見のびんよよを使った電撃攻撃も会得し神獣を追い詰める。(コレってその後のセイレーンの反撃で秤vs鹿紫雲戦みたいに海中に放電させられちゃう展開が浮かぶね)

この戦いがどんな結末を迎えるにしろ、僕が思い描いた島編の結末は、「ずっとくらいとこ」でも「絶えることなくともだち」でもなく「永遠」の闘争(逃走)で、その未来で葉っぱたちが「ちいかわ」の物語に再登場する日を、心待ちにしている。

島編、全てが納得のおもしろさだったし、何よりちいの成長の描写が素晴らしかった。これからどんな回想として活かされていくか、本当に楽しみである。

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