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種田山東頭火 句集

芭蕉にも一茶にもならなかった極めて人間的な俳人。様々なものを失う過程において、彼自身はブレることなく句作を続け、病み、傷つき、絶望し、今という瞬間の狭間にいた。そして、全ての負の感情を横に忘れ、聖なる感性の赴くままに言葉を紡いだ。孤独な作業の中に、山頭火は何を掴みえたであろうか。重いはずなのに重くない。感性を芸術的領域に昇華させた価値ある句集である。

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