国語に特化した 小さな寺子屋

HPを3/14にUPしております。是非、ご覧ください。 指導歴35年になります。 国語…

国語に特化した 小さな寺子屋

HPを3/14にUPしております。是非、ご覧ください。 指導歴35年になります。 国語に特化した小さな寺子屋を、 南武線武蔵新城駅サンモール商店街の一画に 2024.4.1に開校いたします。 よろしくお願いいたします!

最近の記事

蜘蛛の糸・地獄変     芥川龍之介

中国の故事を日本語に翻訳したもの。 人によっては実に訳すだけの簡単な仕事と考えるかもしれないが、実は逆に非常に難しいものである。 自分の考えや文体を持っていないと、活字に翻弄されるからだ。文にならないのだ。そこに皆苦労する。 原千代海先生の、『人形の家』の後書きを読んでみるとよい。訳文の文体と全く異なる。硬質でしまった文だ。その使い分けが自然とできるのが、天才所以なのであるだろう。

    • ライ麦畑でつかまえて   J.D.サリンジャー

      思春期の複雑な心理を、万華鏡のような文体の中に詰め込んだ珠玉の名作。 ぼくの役目は、ライ麦畑で遊んでいる子供たちが落ちそうになったときに、つかまえてあげることだと思っている。 大人の世界をアイロニーをこめて描きながら、それでいて自分を含む世界を肯定するわけでもない。何かを求めながらも、その実そういう自分を否定している。 主人公のラストシーンでの幸福感は、そう言った青少年の非論理的心理の捩れの証である。もちろん回転木馬は人生そのものに他ならない、と感じた。

      • 限りなく透明に近いブルー 村上龍

        ローリングストーンズ、米軍基地、ドラッグ、性に溺れる色彩のない日々。腐ったパイナップルの異臭、戦闘機のジェット噴射。その中にいて、主人公は自分を持っているようでいて、実はその輪郭さえなぞらえてはいない。周りの全てが抽象で実感のない幻覚のループ。 リリー、あれは鳥なんかじゃない! 今という時代への懐疑、未来への軽い失望。 そんな中にいて、刹那時に反射的に正常さを 打ち消してなお、とけるはずのない自分を とかしこもうともがいているように感じた作品 である。 大人向けの📕です

        • 壬生義士伝 浅田次郎

          家族のため、生きるために新選組に入隊した吉村。 斎藤の目には守銭奴と映り、田舎を、家族を大切に思う気持ちがわからなかった。 誰も切ってくれる奴がいないから他人を斬るという齋藤。一方、吉村は生きるために他人を切るという。 対照的に描かれる二人の姿を通して、古いものと新しいものが交錯する幕末という時代が描かれている。 多くは語るまい。 中盤から後半にかけてのストーリーの中で、吉村の考え方、生き方の根底にあるものを活字から想像してほしい。 誰しもが忘れていた何か、秘めていた何か、を

        蜘蛛の糸・地獄変     芥川龍之介

          火垂るの墓 野坂明如

          大学1年生の春。深夜に読みながら号泣した小説。 太平洋戦争で家族を失なった兄妹が、親戚に身を寄せるも肩身の狭い思いをし、やがて捨て去られた防空壕で暮らすことを決める。献身的に妹を世話し、生きるために必死な兄。無邪気で幼い妹。 14歳と4歳で生きようと思った。 やがて栄養失調から妹は亡くなり、失意の兄も生きる希望を無くし、駅で死に絶えていく。 ジブリの描いたアニメでは、サクマのドロップの缶に入れられた妹のお骨を、駅員が主人公の手元から奪い野原に投げ捨てるシーンから始まる。缶が落

          螢川   宮本 輝

          思春期の男女の周りに大量の蛍が飛び交う光景は、今ある生とやがて迎える死の二つの匂いをはらんでおり、美しく艶やかに、しかし静かに生臭く流れていく。 私も小学校の低学年の夏、蜻蛉の大群と蛍の大群を体験している。手を広げて回せば蛍が衣服に静かに止まり緑色に音なく点滅を繰り返した。あるものは網の中に収まり、緑の花火のように風に舞い上がった。 その時、私はぞっとしたのだった。子供の直感である。偶然かもしれないが、その年の夏から秋にかけては、水難事故が相次いだ。本編のストーリー設定、あら

          エルマーのぼうけん

          私が小さな頃、母親が様々な本を読み聞かせてくれました。 本の世界は日常と全く異なる異世界空間。 想像をめぐらし、活字や挿絵から、物語の世界を空想することに夢中になり始めました。 そんな中で出会い、おそらく1番繰り返し読んだ本。 それが、『エルマーのぼうけん』でした。 本日、久しぶりに懐かしく思い出しました。 自分にとっての一冊、お子さんにとっての一冊。 非常に貴重な出会いです。 本屋や図書館へ足を向けてみませんか? 普段とは違う休日になるかもしれません。

          ドストエフスキーの生活  小林秀雄

          「僕にはねぇ、結果ドストエフスキーという人がわからなかったんだよ。キリスト教というものがだね、どうしてもわからなかった。」 近代批評を確立した巨匠は、アイロニーのこもった一言を文中に散りばめる。分析⇨理解⇨再統合のシステムは、人間の文化的範疇を超えるものであり、生半可な理解では、物事の本質はわからないよ、というテーゼある。 わかったふりをすることはない。 また、どうしても正解に把握できるものでもない。 そこに、万人なりの万人の解釈と、考え抜くことの必要性が述べられているように

          ドストエフスキーの生活  小林秀雄

          吾輩は猫である 夏目漱石

          名前のない猫(吾輩)は、ひょんなことから珍野家に 住み着くようになる。神経質で胃の弱い主人(漱石がモデルと言われている)の側で、様々な人間模様を見、やがて哲学するようになる。憧れの雌猫の死によって死生感に変化をきたした吾輩は、、、。 続きは読んで見てください。 私は犬と猫を飼っています。もしかしたら、我が家の愛猫も哲学をしているかもしれません。 哲学は物事を事象的に分析し、生き方や考え方を学んでいく学問です。何かに悩み、苦しみ、驚き、発見する。それも哲学ですね!

          吾輩は猫である 夏目漱石

          構造と力 浅田 彰

          文学部2年の夏。親友のN君から、「読み解けない」と紹介してきたのが、この本である。 僕は1日かけて読破し、フランス現代思想の解説書であり、解体書であること。随所に見られるメタファーは、言語的迷路の右折点、ないしは左折点であると感じた。結論はない。自分で見出すものだからだろう。 シラケつつノリ、ノリつつシラケる。 勉強や仕事に没頭するだけでは駄目であると同時に、勉強や仕事に意味を見出さない姿勢も駄目である。では、いかに生きるのか。答えは自分が見出すものであり、自ら考え、自ら創造

          大学小論文の要旨まとめにおすすめの一冊。

          明確な対比構造とその根拠、またそこから読者が答えを見つけていく際のヒントも残している。正確な読解練習の入門書として、最適である。高1.2段階から進めることをお勧めします。 集中できる自習室を探していませんか? 体験利用もできるので、学校の帰りに寄ってみてください。 お待ちしております!

          大学小論文の要旨まとめにおすすめの一冊。

          銀河鉄道の夜 宮沢賢治

          けれども、ほんとうのさいわいは一体何だろう。 星、人、命、様々なものが交錯し、幻想的なイメージの中で動いていく作品。時に二次元に、またある時は三次元に。100人が100人なりの解釈ができるところが、この作品としての深淵である。作品というものに特徴的な求心力を独自のメタファーでぼやかし、一つ一つのメッセージが星に消えていく。水彩画のような 珠玉の名作。

          銀河鉄道の夜 宮沢賢治

          金閣寺 三島由紀夫

          現象の否定とイデアの肯定。 身近な題材に転換すると、 自分の生活に実際起きていることの否定。 自分の考えるところの肯定。 人はその違和感の中に生きている。イデアとはつまり自分の意識そのものに近いからだ。 主人公の現象とイデアの交錯場面において、頻繁に金閣はその荘厳な美しさで輝く。 やがて、自らの手で火を放つ主人公は、金閣の拒否⇨現象の否定と、イデアの肯定⇨生きたいという願いは表裏一体のものであることを知る。 私たちの話に戻そう。憧れ、嫉妬、恨み、憎しみは不快な感情を我々に感じ

          君たちはどう生きるか

          自分はどう生きるかを考える際、社会科学的な視野で個を見つめる必要があると教えてくれる。 集団と個人 善と悪 嘘と誠 友情と裏切り 相反的な命題の中で、自分を生きることの難しさ、変化への光明にぶつかっていく。 個を生きるとは自分の輪郭をなぞることに他ならず、 時にそれは誇らしく、時にそれは失望を生む。 その繰り返しの中で人は人として成長していく。 そんなメッセージをキャッチする一冊である。

          本当に大切なものはね、目には見えないんだよ。

          思いやり 気づき 後悔 反省 幸せ 希望 目には見えません。 ただ心の眼(まなこ)には、見えています。 幼き日の思い出もそうですね。 1本の薔薇が特別な存在であったように、我々1人ひとりも、誰かの特別な存在に違いありません。 当たり前のことを当たり前としない一段深い思考が、この作品を非常に美しく輝かせていると感じます。

          本当に大切なものはね、目には見えないんだよ。

          勤め人でストレス200%の時、息子が買ってくれた本です。

          ストレスとどう向き合うか、だけでなく、交わし方・逃げ方などを解説しています。読みやすく、2時間ほどで読んでしまえるので、休日に陽のあたる場所で読むとよいですね。救われる一冊です。

          勤め人でストレス200%の時、息子が買ってくれた本です。