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蜘蛛の糸・地獄変     芥川龍之介

中国の故事を日本語に翻訳したもの。
人によっては実に訳すだけの簡単な仕事と考えるかもしれないが、実は逆に非常に難しいものである。

自分の考えや文体を持っていないと、活字に翻弄されるからだ。文にならないのだ。そこに皆苦労する。

原千代海先生の、『人形の家』の後書きを読んでみるとよい。訳文の文体と全く異なる。硬質でしまった文だ。その使い分けが自然とできるのが、天才所以なのであるだろう。

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