見出し画像

横濱探店1 - 横浜中華街関帝廟通りの椰達(ココナッツパイ)

新コーナー「横濱探店」を始めます。

上海から横浜の関内へ引っ越してから、3年半が経ちました。関内を選んだのは、いくつかの家庭の事情と「野毛の近くに住んだら楽しいだろうなあ」という適当な理由だったのですが、当初の期待以上に気に入ってます。

何が良いかと言えば、「自分の街で全てが完結する心地よさ」です。関内に住んでから、通勤以外で電車に乗ることがめっきり減りました。

話を「食」だけに絞っても、酒場は野毛があるし、和食の老舗や各国料理のレストランも地味に充実してるし、中華街もあれば、横浜橋商店街もある。外食するにも食材を買うにも、自転車圏内で大抵のものが揃うからです。

まあ、東京の三ツ星レストランのような本当の高級店はないかもしれませんが、別に高級店へ頻繁に行くわけではないので、困ることはありません。

コロナで在宅勤務が増えたこともあり、地元密着型の生活を送ってきたここ数年。その数年を経て、今僕が気に入っているお店を紹介していくのが、このコーナーです。

僕に期待されている情報は「中華街」と「野毛」だと思いますので、そこが多めになると思います。正直に言うと、中華街は近い割にそれほど行かないんですが、その理由は今後書くかもしれないし、書かないかもしれません。

前置きが長くなりました。第一回は、「横浜中華街関帝廟通りの椰達(ココナッツパイ)」。えーと、孤独のグルメ風サブタイトルは、店名を隠してもったいぶるために採用してみました(笑)。

横浜中華街関帝廟通りの椰達

僕は重度の酒飲みだが、甘いものも好きだ。中国に長く住んでいたので、特に中華菓子には結構な思い入れがある。

中華菓子と言っても、空港やスーパーで売っているようなマスプロダクトには全く感心しないけれど、現地で親しまれている作りたての伝統菓子には、地域ごとにハイレベルなものがたくさんあるのだ。

昔、広州に住んでいたときは、週末ごとに早茶(朝の飲茶)へ行くという贅沢な生活を送っていた。最初に2、3種の鹹点心(おかず系点心)をつまみ、最後に甜点心(甘い点心)で〆る。程よい甘さの甜点心をゆっくりと味わった後、中国茶をすする。実に満ち足りた時間だった。

その時間を、日本でも思い出させてくれる店がある。

ここから先は

1,240字 / 4画像
この記事のみ ¥ 300

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは食材と酒徒のやる気に姿を変え、新たなレシピとなって皆さまに還元される寸法です。