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本当の復讐の方法とは

私は社会人1年目でパワハラを受けた。
輝いているはずだった社会人生活も、1年後にはもうボロボロ。
ドラマであるように、会社に行くぐらいなら今すぐ来る電車に飛び込んだ方が楽だ。そう本気で思っている自分に気づき怖くなり、白線の内側に並んでいる時重心を後ろにした、その風景を今でも覚えている。
今でもその名残か、電車が来ると時々ヒヤッとしてそうする。

電通の女の子のツイッターを読んで、とても気持ちがわかった。私よりもっと、体力的にも精神的にも辛い思いをしていたに違いないけど、だんだんお風呂も入れない・化粧もできない・自分が生きていても価値のない人間だと思ってしまう・・・
私は幸い、家族と同居していたこと ・隣の部署の上司が見かねて異動を掛け合ってくれたことで今も生きている。

私はそこまで追いやったあいつのことを、赦すことはない。そもそも、謝られてもいないのになぜ赦さなくてはいけないのか。よく、宗教では赦すことから始まるとか言うけど、ばっかじゃないの。その価値観もわかるけどさ。赦さないこと=縛られることだから。でも、まだ早いと思った。

結局、パワハラ上司はもっとあからさまな被害者を大勢排出(ストレスで三半規管おかしくした人、うつ病になった人、辞めた人等)し、その中の一人が勇気を持って通報、事実上の左遷の運びとなった。
私が手を下さずとも神様は見ていた。(ここでは神様を信じよう。)きっともう、自分でもどうしようもないんだと思う。多分、病気の一種なんだと思う。この5年でハラスメントが厳罰化される時代になって本当に良かった、御愁傷様。南無阿弥陀仏。

私は異動させてもらってから、がむしゃらに頑張った。
異動して成果を出せなかったら、私が能力がなかったんだと諦めもつくからだ。結局、新人最速で賞を受賞したことで自信がついた。そして、可能性を秘めた社員を育てられずむしろ潰すようなマネジメント能力がない奴としてあいつは成り下がった。

私は、最大の復讐を達成した。
それは私があいつも思い出さないような、冗談話に出来るほど幸せになること。それが一番の復讐。
例えばそいつやそいつの家族を殺しても、逆に死んで復讐を達成する方法もあるけど、それだと自分が損だから。きっと、加害者はそれなりの報いを受けるよ、放っておいても大丈夫。ずっと被害者でもいいけど、一番効くのは私が幸せになることが一石二鳥なのだ。


しかし、忘れかけていたのに・・・昨日、あいつの妻(妻も同じ会社)から2人きりでランチに誘われた。彼女のことももともと嫌いだった、そもそもあんな奴と結婚することに理解でないし。
ずっとのらりくらりして断っていたけど、なんだかその日は機嫌が良くて行くことになってしまった、とても後悔している。

彼女から自発的に、旦那がまたキャリアを一から頑張ること・降格しても給料は変わらないこと・子煩悩で子育てをしてくれることを話してくれた。私は何も関心がないフリをして、スルーし話をすぐに違う方向に展開させていった。瞬時に、それが一番良いと判断した。気がついたら、ほぼ存在を無視していた。

きっと、彼女も悪気はないのだろう。
それに、あなたも信じたいでしょう、身内だもんね。


そんな出来事があった。
もう、あれから5年が経ち、私は結婚して子供も産んでまた復帰している。


そろそろ、この呪縛から解き放たれても良い頃だと思う。
だから書いた。

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