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第1回鱗kokera賞 好きな句

3月1日に第1回鱗kokera賞(選者が村上鞆彦さん、西村麒麟さん、鴇田智哉さんで豪華!)の結果が発表されました。

受賞作が鱗kokeraさんのホームページに掲載されていました。みなさんの未発表15句連作が読めるので面白いです。

好きな句を挙げます。

◎鱗賞「徂春の匙」 内野義悠
流氷来からつぽの胃の輪郭へ 
はつゆきのひらと造花を信じきる

◎鱗賞「水没」 牧野冴
魔女に火を借りるナースやハロウィーン
町に生まれ町に死ぬ子や石蕗の花

◎村上鞆彦賞「梨に噎せ」 関灯之介
皮うすく隔てて指と梨の肉
梨を食ふほかの響きを失ひぬ

◎西村麒麟賞「西瓜」 田中木江
人さがすごとくに蝶や我を避け
刃に運ぶキッシュ一切れ鳥の恋

◎鴇田智哉賞「茶碗に銭」 加藤右馬
草餅を千切ればゆつくりと縮む
ブラインドタッチで雲の峰育つ

以下、奨励賞の作品より。

恐縮のコーンお粥の真ん中に 岡一夏
風邪の日の亀の視界となりにけり 笠原小百合
カーテンを天使に仕立て聖夜劇 髙田礁湖
病む口へちひさき氷クリスマス 寺澤佐和子
冬の夜や鸚哥の籠に布掛けて 林真理
茹で蟹の手足をたたむ夜業かな 福嶋すず菜

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