人間関係で悩む人へ(その1)

大切な家族、親友、職場の先輩後輩、同僚、上司などと良好な関係性を築いているのは望ましいかもしれませんが、私たちは生きていると誰でも「人間関係」で悩まされるものです。

うまくいかない…

一人で過ごしたほうが楽だな…

インターネットがあるから…


と思う人もいるかもしれませんね。しかし、人間にとって「人間関係」はなくてはならないです。

ひとりぼっち=社会的な孤立というのは、こころへの影響だけでなく寿命を縮めるという研究さえあります(レイモンドとカプラン:カリフォルニア大学 1990)。

また、がん患者を対象とした追跡研究においても治療後に誰かとともに過ごす、かかわりを持つ時間が長ければながいほど延命することが分かっており、一方で寂しさを感じている人の寿命が短いという結果もあります(グッドウィン1987)。
うつや不安、統合失調症など精神症状の多くも、人間が関係します。
すなわち、良くも悪くも「人間」は「人間」に影響を受けながら生きていきますし、なくてはならないのです。

そんな大切な人間関係づくりの技術を学校で単元として学ぶことは少ないですし、生まれつき人間関係づくりの技術を持ち合わせている人は誰もいません。
では、私たちはどのように人間関係づくりについて学習していくのでしょうか?


その人間関係を学習する場として、最も重要になるのが「家庭」といえます。
私たちは、関係性の中で「悲しみ」「喜び」「嫌悪」「いらだち」という様々な感情を交流させ、楽しみを共有したり、傷つき、傷つけながら「関係性のスキル:こころの筋肉」を形成します。
当然、虐待のようにネガティブな感情の交流が増えると、「関係性のスキル:こころの筋肉」は不健全な発育をします。傷だけが増えてしまい、癒される経験があまりにも少ないと、大人になっても他者に対して、「この人は傷をつける人?」と不信感を抱いてしまいます。

小さいころは人間関係の土台が形成される時期なので非常に大切です。
家に例えて考えてみると、土台がしっかりしていないと、すぐに倒れてしまいます。
人間関係づくりの技術もまさに同じで、小さいころの体験で傷を負った人は、不信感を抱いたり、関係性を壊そうとしたりします。なぜなら、誰か繋がってしまうと、自分自身が繰り返し傷ついてしまう可能性があると無意識に感じててしまうからなのではないでしょうか。

では、幼少期の土台がしっかりしていないからといって人間関係づくりを諦めた方がいいのかというとそうではありません。

次の記事では関係づくりの技術についてより詳しく考えていきましょう。





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