コギャルの正義

私はコギャルでもなかったし、『egg』読者でもなかったけれど、あの90年代後半‐2000年初期の、異質な女子高生ブームの映像を観ると、どうしてこうも胸がぎゅっとなるのだろうか。

映画『SUNNY』。韓国映画の日本版リメイク。30代後半の女性たちが、コギャル時代の仲間を探して、また再結成する物語。
この映画には、たくさんの懐かしいものが登場する。カラオケ、ミニスカート、ルーズソックス、アムロちゃん、おざけん、TRF、アイプチ、シャネルのルージュ…

「大人なめてまーす!」とげらげら笑うコギャルたち。高校生が中心の世の中。異質で、ばかげていて、最高に楽しそうな、そんな世の中だった。

ただ、めちゃくちゃだって言われていた(実際たぶんめちゃくちゃだった)コギャルの中にも、大人からは到底信じてもらえないような、ちょっとかっこいい『筋』みたいなものを持つヤツもいた。よっぽど、変な大人連中よりも、真摯な目線を持っていた…気がする。ああ、いまどうしているかなぁ。

あの時代を思い出して少しだけ感傷的になるのは、単に懐かしいだけでなく、芹香やナナみたいな、すでに大事なものを理解していた『クソガキ』のカッコよさに今更ながらに気づいてしまったからなのかもしれない。
そういう連中にとってコギャル時代とは、「一度おもっきりバカなふりをして世の中に反抗してみないと、前には進めない、成長の通過儀礼」だったのかもな。

願わくば、その『筋』を持ったまま、生きていてくれていることを。

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