マガジン

  • 表現考察

    俳優さんとか、ドラマ、漫画のキャラクターとかの考察。窪田正孝、菅田将暉、市川実日子、安藤サクラ…個性美が好き。

  • 体はぜんぶ知っている?

    28-32歳:松方弘子大好きの働きウーマン。 32-34歳:プチ体調不良にて、働き方検討するも、結局変わらず。デビル承認欲求には勝てず。 35歳:ふいに起きた体調不良を拗らせ、死を覚悟するレベルにまで至る。全身の蕁麻疹が熱を持ち、一時歩けなくなる。 36歳現在:症状がたいぶ落ち着く。35歳で起きたことなどをぼつぼつ書き留めておこうとしている最中。いろんな魔訶不思議体験をしたからね。

最近の記事

多様性って何さ

『多様性』という言葉をよく聞くけど、 多様性を受け入れろ、と言うこと自体、「多様性を受け入れない人」を否定しているような… そういえば多様性で思い出すのは、先日読み返した幽白の世界(笑) 魔界の妖怪って、姿形はおろか倫理観もまるで違っていて、それぞれが好きなように暮らしている。けれど、当然、弱いヤツは死ぬ。もし強いヤツに守ってもらおうとするのであれば下について、遣えるしかない。ディス個性。そうして多様性は死んでいく。 違うコミュニティ同士認めて仲良くなったあとは、個人同

    • 窪田正孝のディレクション

      前期クールの『ヒモメン』は、なんといっても主役の窪田正孝の演技のうまさが光っていたドラマだったが、彼は役柄のディレクションが本当にうまいんだなと心底関心してしまった。 ドラマというのは、全話を通して、よくわからない“あちら側の人”と、一般的な目線をもつ“こちら側の人”との交わりが起こす、「凝り固まった概念壊しちゃろか!」という違う生き方の提案が、物語の骨子となることが多い。 で、ヒモ男の碑文谷翔という、何考えているか一般常識では絶対に理解できないあちら側の主人公と、ゆり子

      • 蔵馬という男2

        蔵馬の考察の続き。 もちろん子供向けアニメで蔵馬の残忍さを表現しろとは言わないし、現にピンク×紅色の蔵馬をかっこいいと惚れていた人間なので文句も言わない。 でも、歴代イケメンの中でこんなにも人気が高いキャラに仕立て上げた理由は、単に宝塚みたいな王子風外見だけではなくて、掘れば掘るほど出てくる蔵馬の狂気さとか、不可解さとか…そういう、人物としての底知れなさが理由だろうと思う。 妖狐と南野君のアンバンスさもしかり。 そこの葛藤もしかり。 緒方恵美さんの声のおかげで、とても

        • 蔵馬という男

          実家に帰った時、ひっさびさに『幽遊白書』を読んだ。 幽白といえば、今からおよそ25年ほど前、それはそれは超超超ドハマりしていて、周りの女子がセーラームーン一色のときに、私は蔵馬様にお熱の日々だった。人生ではじめて「自分の以外の物語」に浸かった漫画である。 しかし、10年ぶりくらいにじっくり幽白を読み返してみて思った。 「あれ、蔵馬ってこんなキャラだっけ?」 私の頭の中にあった蔵馬は、 ・さわやか ・大人 ・やさしい ・儚い ・お兄ちゃん …などなど、あのキレイな微笑

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        記事

          TVコンテンツの行くすえ

          某ニュース記事で、テレ朝の会長が、 『おっさんずラブ』と『dele』は視聴率は悪かったけど、DVDとか配信が好調だから、激賞した、と書いてあった。 …いまさら何いってんだ。 TVってスポンサーの意向ばかり気にしてきた結果、『本当に熱烈なファンがいるコンテンツ』がどれかわかってない。だからファンコミュニティの育て方が極端に下手。もったいない。 はっきり言って、『dele』の続編だったらお金出してでも観たいし、『アンナチュラル』だったらもう1話に1000円くらい払ってでもい

          TVコンテンツの行くすえ

          負けて、残るもの。

          「負けました」 自らの声をもって、その勝敗を終わらす将棋。震えた声が印象的だった。 映画『泣き虫しょったんの奇跡』。勝ちが足らずにプロになれず、20代で将棋を離れた主人公しょったんが、日本将棋連盟のルールを覆し、35歳で再チャレンジをしプロになる、という物語。 夢を持って挑戦をしてきた人なら、おそらくどこかしら感情の琴線にふれる作品だったと思う。これは、あきらめなければ夢はかなう、といった簡単な物語ではない。 主人公のしょったんは、小学生のころから将棋しか興味がなく、プ

          負けて、残るもの。

          コギャルの正義

          私はコギャルでもなかったし、『egg』読者でもなかったけれど、あの90年代後半‐2000年初期の、異質な女子高生ブームの映像を観ると、どうしてこうも胸がぎゅっとなるのだろうか。 映画『SUNNY』。韓国映画の日本版リメイク。30代後半の女性たちが、コギャル時代の仲間を探して、また再結成する物語。 この映画には、たくさんの懐かしいものが登場する。カラオケ、ミニスカート、ルーズソックス、アムロちゃん、おざけん、TRF、アイプチ、シャネルのルージュ… 「大人なめてまーす!」とげ

          コギャルの正義

          菅田将暉の特異性

          『dele』放映中、「祐太郎って優しいけど、たぶん薄情」とか、「すぐに約束とか忘れそう」とか、散々ひどいイメージを書かれていたけれど、 放送終わってみて、結果、めちゃめちゃイイヤツだった。ちゃんと圭のもとに戻ってきたしね。 でも思い返してみれば、たしかに1話、2話あたりでは、いついなくなっても仕方ない野良猫のイメージがあって、後半になるにつれてだんだん足元がふらつかず、実態を持つようになっていった。 そして最後はもうちゃんと『意志』のある圭の相方だった。 こんな難しい

          菅田将暉の特異性

          『dele』の心意気

          演出の美しさと巧妙さにとりこになっていた金曜ナイトドラマ『dele』。何より、W主人公の二人がとても魅力的で、すっかりやられてしまった(現在ロス中) 物語としては、死後のデータ処理会社が舞台で、坂上圭司とアルバイト(?)の真柴祐太郎が、依頼人の死亡確認をし、親族たちにばれないようにデータを削除する、といった、まぁいわゆる“探偵事務所的”な構成スタイルだ。 しかし斬新なのは、そのふたりのキャラクターで、その相反する特性をうまく用いて、世の中の「光と影の曖昧さ」を丁寧に描いた

          『dele』の心意気

          TCC新人賞のツイート

          さて、体調が悪いせいか、非常に涙もろい。   たとえば、ドラマ『アンナチュラル』のDVDの副音声で「最後の夕日はね、実は亡くなった恋人を表現しているんですよ」という監督たちの裏話にどうしようもなくハマってしまって、「わー、なかどーさんよかったね!!」と、おいおい涙が止まらなかった。      うん、おかしい。(←頭が)    しかしちゃんと感情をひも解くと、たぶん「ものを作って表現している人の、真剣さに触れたタイミング」で涙を流していて、自分の琴線はそこにあるんだな

          TCC新人賞のツイート

          松方弘子は消えたのか。

          20代のころ、すがるように崇拝していた女性がいた。 働きマン、松方弘子である。 常に全力投球。彼女が夢と現実のはざまで葛藤するシーンは、こちらも一緒に泣かされ、共感をした。 私はそこまで優秀ではないけれど、彼女のように夢があった。だから上にいくと決めていた。 せっせと仕事をこなしていた30代入口、あることに気がついた。 それは、任された仕事を『それなりのクオリティを担保しながら、量をこなせる中堅は、意外と少ない』、という事実だ。 だいたいの人は50~60点くらいで長距離

          松方弘子は消えたのか。