見出し画像

撮るということ。

先日Twitterへ投稿した、15分ぐらいで書き殴ったメモ書きが、予想以上に読んでいただいたようなので。自分の記憶用にこちらにも残しておこうと思います。

⭐️見出し画像は、バスケ以外ほとんど撮っていないので、チャンピオンシップ最中の、人生初入院の思い出写真にしました笑

Twitterに投稿したものから、最後だけ、加筆させていただいています。

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【再追記】

Bリーグ以外のスポーツのファンの方にもたくさん読んでいただいていたようで、拙い文にもかかわらず、大変恐縮です。

他のスポーツのファンの方にも分かるように経緯を説明しますと、バスケットボールリーグの公式フォトグラファーの方が、ご自身の立場の観点から、一部のモラルのないファンの行為に対して、問題提起をされていらっしゃいました。以下のような行為です。

・選手の家族の写真を無断でSNSにアップする
・チアを性的な目線で撮影された写真をアップする
・それらの写真はデジタルタトゥーとして残ってしまい、消えないものである

そのような、モラル違反やプライバシー侵害の観点から、一般客の写真撮影について、ご意見を投稿されていらっしゃいました。

Twitter上でのご発言は削除されていますが、当時の投稿を引用したします。

…………
B.LEAGUEがお客さんのカメラ持ち込み禁止にしない限り、こういうモラルのない投稿見続けるんだろうな
…………
【写真撮れるよ】"じゃない方向"に、リーグ全体で向かって欲しい
…………

こちらのtweetは、マナーを守った上で写真撮影を行っているファンに対し、ご自身が問題提起したかった真意と違う意味で伝わる怖れがあり、また、全てのファンがマナーを守っていないような誤解を与える可能性を考慮されて、しっかりとファンに向けて謝罪された上で、削除されていらっしゃいます。

今回、公式フォトグラファーというプロの目線だからこそ気が付かれた問題提起。一部のファンによる、モラル違反や、プライバシー侵害。これは本当にリーグを愛するファン一人一人が、深く考えなくてはいけないテーマです。

その一方で、ファンが写真を撮るということは。その立場にない方にとっては、迷惑な行為なのか。禁止されて、無くなってもよいようなものに感じられるのか。私はしてはいけないことをしているのか…。

皆の憧れのフォトグラファーの発言だったからこそ。存在を否定されたようで、心の中が悲しみでいっぱいになりました。一連の投稿を読んだことは、間違いなく真剣に考えるきっかけになりました。

もしかすると。ファンが撮った写真で、大好きな選手を応援することは、無力なことなのか…。




ファンが「写真を撮ること」とは、どういうことか。より良いリーグにするにはどうしたらよいか。自分なりに考えたことを、まとめたものになります。


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完全に話題に乗り遅れましたが、私なりに思ったことを残しておきたいと思いました。

まず、安井さんがはじめに問題提起されていた、家族の写真を勝手にアップする行為によりプライバシーの侵害となる危険性の指摘や、デジタルタトゥーとして残ることを充分に考慮してから投稿すべきという指摘は理解できます。そのとおりだと思います。ですが、その解決策として、一般客の撮影禁止というのは、悪手すぎないかな、と。

まずは、観客への周知・教育じゃないかなと思います。例えば、映画館でNO MORE 映画泥棒のCMを散々見させられますよね?同じように、Bリーグが周知するような機会をまず作って「これはいけないことなんだ」という、共通認識の土台を作ることから始めたらと思うんです。ただ10分待っているチケット購入のウェイティングシステム。あそこ、もったいなく無いですか?絶好のeラーニングのチャンスじゃないですか。

例えるなら、交通事故が無くならないなら、車社会を廃止しよう!とは、ならないと思うんです。さらに、仕組みもできたら良いですよね。著作権侵害者に損害賠償請求とか(←金かw)、SNSの投稿の際に未成年と思われる人物が映り込んでいたら、AIが判断して警告出すとか。抑止が働くような仕組みがあれば、人は学習する生き物です。なんてことを、オフィスのデスクの上で考えていました。

別の角度から。Bリーグに限らず、スポーツに関わるカメラマンの方に知っていて欲しいのは、私たちが撮る写真と、カメラマンの皆さんが撮影される写真というのは、全く別のものなのです。

カメラマンの皆さんが撮る写真は、作品であり、商材です。そして対価、報酬を得ています。

そのため、こう撮って納品して欲しいという、オーダーに応える必要が生まれ、必ずしも個人としての撮りたい写真と一致しないこともあるでしょう。

それに対して、私たちが撮る写真は。仕事をして得た自由になるお金の中から、お金を払わせていただいて撮る写真です。その出発点から違うのです。

仮にコートエンド1列目のチケットが、システム利用料込で11220円だったとします。また仮に、東京都の最低賃金1072円で計算した場合、生活費や社会保険料を無視して計算しても、約10時間30分働かないと、その席に座って写真を撮ることは、出来ないんです。時間もそれだけ使って、座っているんです。

お金も時間もかけて、チケット争奪戦も戦って、それでも。大好きなチームと選手に会いたくて、私たちはアリーナに向かうんです。だからこそ、一枚一枚、思い出も想いもこもった、私だけのオリジナルな景色を残すことができるんです。

上手いプロが撮ってくれた写真より、自分が撮った下手くそな写真のほうが、私たちはやっぱり愛せるから、カメラを構えたいんです。

私は絶対に応援している選手が引退するまで、撮り続けたい。そして、Bリーグももっと盛り上がってもらいたい。それが叶うように、より良い世界を作れるように。禁止!と取り上げてしまうのではなく、実現できるように、同じ歩幅で、同じ方向に歩いていけるような価値観を共有したいです。

私たちが撮っているのは、写真なんですけど。写真だけじゃないんです。そこには、熱も、涙の味も、笑い声も、大好きな選手の笑顔も、全部詰まった歴史を、みんな一人一人で、オリジナルに残しているんです。

撮る理由を聞かれたら、力になりたいからって答えます。ぐしゃぐしゃに負けた試合の帰り道に、想いを添えてアップした写真を、真っ先に選手が見てくれることだって、あるんです。それは、綺麗とか上手いとかじゃなく、心からの頑張れという気持ちが伝わるから。そうだって私は信じてます。


写真で応援することは、無力ですか?

そんなことないって、私は、信じています。









あの日、とても傷ついた、あなたへ。
あなたはきっと私だった。私はきっとあなただった。

だから、言ってあげたいです。あなたのその応援は、絶対に、間違っていないから。絶対に。絶対に、大丈夫!

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