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フォークリフトの免許を取ろう! 1

 それは、三月の末日。

 私は、疲れておりました

 先週24日に、介護施設に入っていた夫の母、つまり義母が亡くなり。

 施設へのお迎えやら、葬式(直葬)の手配やら、行政やら通帳やらの、義実家の片付けやら。

 最初の驚きからのナチュラルハイで、色々一気に片付けつつ、仕事にも行ってたので、さすがに疲れてたんだと思う。

 それでも、今年の頭に実母が亡くなったとき、看取るために二週間以上おやすみを貰ってて、あまり休むのは申し訳ないなと、頑張って仕事してた。

 31日がその、精神的疲労のピークだったんではないかと。

 喋るのも面倒になっていたのを、それでもなんとか仕事をこなしていたら、窓口に来た客からコールセンター経由で匿名のクレームがあった。

「応対した女性が無表情で、態度が冷たい。事務的で、ほかの人ならしてくれることをしてくれない。印象が悪くもうそちらを利用したくない」

 内部のシステム的な不備も絡んで、この案件はもろもろ事情はあるのだけど、これを上司に報告したら、

「利用したくない云々、冷たい云々は、コールセンターへの話の中で盛っているだけなのは読み取れます。ただ、確かに無駄なことなんだけど、このお客さんに、『無駄だと判っていても』一応、現状の状態を調べてお伝えしておくと、こういうお言葉はいただかないで済むかと思います」

 これでまぁ、糸が切れました。

 迷惑かけると思って、「義母死んだし夫は頼りにならないので休みます!」とは言わず、私らしくなく頑張って仕事に出てるのに、結局こんな扱いなのかと。しかも、遠因は以前からずっと指摘していた内部の不備。

 さすがにやってらんねーわ。

 帰って、寝る前にいろいろ考えて、思った。

 とりあえず、この仕事、やめる方向で動こう。というか、いつでもやめられるように準備しておきゃいいんじゃね。

 そういや、先月寿退社したKちゃんが、有休消化中にフォークリフトの免許取りに行くっていってたな。

 うちの周り、工場とか多くて需要あるし、今ならまだ職場も人に余裕あるし、とっときゃいいんじゃね。

 ということで、翌日、

いろいろ疲れたから今日は夕方で帰して下さい」

 出勤するなり上司に申請。

「用事がある」とも「体調が悪い」とも取り繕わない私に何かを感じたのか、上司はすんなり了承しました。

 ちょうど、次の期間のシフト作りのために、お休み希望日を聞かれたので、

「フォークリフトの免許を取ろうと思うのでちょっと、予約とったら連絡します」と高らかに宣言したら、たまたま事務所にいた人が、

「そういえば、(会社が提携している)技能講習所、今、お弁当の無料サービスやってるよ」と、チラシを見せてくれた。

 あー、Kちゃんも、そんなこと言ってたな。

 ということで、早退して家に帰ったら、速攻予約の電話を入れました。

「申込用紙を郵送するか、直接来て手続きして下さい」

「じゃあ明日にでも行きます」

 これが、四月一日。

 こうして私の、嘘のような、勢いだけのフォークリフト免許チャレンジが始まりました。

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