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正義と悪の映画を観たら、家族愛の難しさに気づいた話

ワイルドスピード/ジェットブレイクを見た。
主人公ドムの弟が闇堕ちして悪の枢軸になっている話だった。
原因は過去からある兄への羨望と敗北感なのだが、ダークサイドに染まり世界を牛耳ろうとしている。
そんな弟を阻止しようとするドムと弟の壮大なケンカが始まる。
ケンカはエスカレートし、最終的に衛星に突撃するまでのスケールになっていた。

もう、奥田民生が歌詞にするレベルを超えた大迷惑である。


007もそうだった。
スペクターというシリーズで、オーベルハウザーという超悪党が出てくるのだが、彼はジェームズボンドの義理の兄である。
父親が自分よりボンドを可愛がったことへの恨みと嫉妬心から、社会を巻き込んだ復讐劇に発展する。

もう、家でやったらいいのに。


正義vs悪の話の場合、だいたい悪は正義と近い存在だ。
その方が物語的にドラマチックというのもあるけれど、現実的にも身近なほど気持ちがこじれやすいという真理を映しているんだろう。

この流れからすると、アンパンマンとバイキンマンも実は兄弟なんちゃうか?と私なんかは勘繰り始めている。

結末を想像してみる。

アンパンマン最終回、ジャムおじさんの口から飛び出す「アンパンマン、バイキンマン、君たち実は兄弟なんだよ」という衝撃の事実。
それを知った子供達は、朝テレビの前でショックのあまり大泣きするだろう。
子供達が幼稚園に行ってくれなくてお母さん達は困り果てる。
お母さん達が会社に行けなくて、日本中の仕事がストップする。
日本企業の株価は急激に下がり、景気後退に拍車がかかる。
経済学者達は後にそれを「バイキンマンショック」と呼ぶことになる。
この現象は日本中で大論争を巻き起こす。
アンパンマンの最終回は幼稚園児には刺激が強すぎたという現実論者と、正義と悪は表裏一体なので幼少期からその事実をアニメを通じて教えるべきだという理想論者との争いだ。
だいたい前者は子供を育てるお母さん、後者はお父さんが支持基盤である。
お父さんはこう言う。
鬼平犯科帳だって善いことをするために悪いことをする、これが社会のセオリーだと。
お母さんはこう言う。
ほな、あんた子供の世話してやと。ご飯作りながら泣き止むの待って送り迎え出来んのかいと。
国民は、最終的に教育のスペシャリスト尾木ママのコメントを待つことになるだろう。
そうこうしつつも、映画業界の大人達はこの様子を黙って見てはいない。
バイキンマンがバイキンマンたる所以を、なぜアンパンマンと生き別れたのかその過程を、エピソード0かスピンオフかでシリーズ化しようと企むに違いない。

あれ、これ、どっかで見たことあるな…STARWARS…
そう、STARWARSこそ家族の仲違いが大いにこじれた話なのだ。


世界中の家族が仲良ければ世界は平和になるのに。それが実は一番難しいということを映画は教えてくれる。

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