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観光バス横転死亡事故で、運転手が即逮捕、容疑者となる。・・・3年前の池袋母子死亡事故では!?

 冒頭で申し上げておきたいことは、個別の交通死亡事故について、筆者がとやかく言うような立場ではないが、余りにも理不尽さが見え隠れするので、敢えて今回の『観光バス横転死亡事故』の報道から連想したことを書き綴ることにした。

 今回の『観光バス横転死亡事故』の報道で、直ぐに頭に浮かんだのは、4年前の『池袋母子死亡事故』と、6年前の『軽井沢スキーバス横転事故』。多くの罪なき人たちの命が奪われたのである。

 しかし、違和感が走ったのは、今回の『観光バス横転死亡事故』では、運転手が即逮捕、容疑者として報道されている。これが、一般的な流れだと思うが、『池袋母子死亡事故』では、『元○○○○○○』と、上級国家公務員=上級国民として特別待遇かのように、報道では長期に亘り容疑者という呼称を遣っていない。

 今回は即逮捕で、容疑者として手錠を掛けられ、護送車に乗り込む瞬間の映像が流れた。ところが、『池袋母子死亡事故』では犯人が直接歩行者に対して、超高速で突っ込み死に至らしめているにも関わらず、呼称は容疑者ではなく、『元○○○○○○』。更に、犯人の釈明が、事故原因を『車(トヨタ プリウス)の不具合』を強調し、猛省もなく責任転嫁に傾注していた。

 あくまでも憶測だが、『池袋母子死亡事故』の容疑者については、キャリア時代の同僚や同期が多く存在し、警察庁やその他国家機関に対して何らかの連絡網が機能し、「ご高齢であるので、よしなに!」の伝言ゲームが繰り広げられたのかと邪推したくもなる。

 いくら後期高齢者だからと言っても、凄惨な死亡事故を起こしたことには違いない。そもそも、職業や年齢で、警察やマスコミの取り扱いが異なるのもおかしな話で、その違いをどう説明するのか、直接お聞きしたいほどである。結局は、高齢の容疑者は禁錮5年の実刑判決を受け、受刑者となっている。

 しかし、被害者ご遺族の立場になって考えてみると、凄惨な殺人を起こしておいて、後期高齢者だからと『禁固刑』で済むのか。交通刑務所内で普通の生活をして、三度の食事や寝具も風呂も全て完備した状態で寝泊まりしている。体調が悪ければ、医療行為が施される。それも、全て税金で賄われることになる。

 大変に危惧するのは、後期高齢者のドライバーへ『悪意ある心の隙』を与えてしまうことだ。極論ではあるが、後期高齢者であれば、凄惨なる死亡事故を引き起こしたとしても、厳しい『懲役刑』にはならず、『禁固刑』にて楽々な老後の受刑生活を保障されることになると勘違いすることだ。

 容疑者が、口頭や手紙でどんなに謝罪しても、更に、受刑者になって償おうとも、亡くなった人たちが現世に戻ることはない。蛇足ながら、上級国家公務員であれば、5000万円を超える高額退職金やら年金を貰っている。更には、上位の叙勲受章者になっているはずなので、それら全てを剥奪すべきである。

 マスコミの報道がどのような基準で、どのタイミングで犯人扱いをして容疑者と呼ぶのか。上の二つのケースを見て、『職業差別』としか言いようがない。上級国家公務員=上級国民そして後期高齢者だから、最初から弱々しい善人扱いをしているに過ぎない。それは、『加害者と被害者の摺り替え』が行われているだけの話となる。

 今回の死亡事故を起こした一般のバス運転手であっても、罪は罪として、即逮捕、容疑者扱いで問題ない。ただ、『池袋母子死亡事故』についても、同様に、即逮捕、容疑者扱いとして動くべきであった。どう見ても、今回の容疑者と『池袋母子死亡事故』の容疑者と比較すれば、全く平等な取り扱いとは言えない。

 何の罪もない被害者の方々は、旅行先の宿で豪勢な料理や語らいを、スキーの楽しみを、そして親子の平穏な生活を、一瞬の内に絶命に追い込まれ、闇世へと葬られた。ご遺族の方々は、凄惨な現実を直視しても受け容れられず、その悲しみや心の傷は一生消えることはないと推察する次第。

 何とも、理不尽なる世の中である。

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