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これだけ繊細に盛り付ける腕の職人が、料理人を辞めてしまった。

 在る日突然、センスの良い職人が辞めてしまった。理由は、ここでは伏せておくが、日頃からちょっとした『勘違い』、『履き違え』により、自ら下したケジメらしい。

 極普通にしておけば、何の問題もなく、何のトラブルにもならなかったのではないかと、『たられば』の世界であるが、実に勿体無い。

 こちらから注文付ける訳でもなく、ちょっと時間があれば、最高のスキルを発揮しては、サプライズを客に与えてくれる『熱血漢』であったことは間違いない。

 ただ、このように腕のある職人の『価値』を見出さない側にも、重大なる問題ありと考える次第。

 兎に角、悪しき昭和の『年功序列』を、今も尚、踏襲する企業も少なくはない。ただ、ぼーっとしているだけで、民度は上がらず、職位と給与だけが上がって行く。

 『おべっか』を言う人間が重用され、ノーと言わない人間だけが職位の上につく。指導力もなく、決断力もない人間ばかりが、『トップダウン』を絶賛する歪な世界である。

 『処世術』なんぞ、どうでも良い話だ。企業力を増強するには、このような高度な技術を持つ職人のマンパワーを、十二分に生かしてこそ可能となる。 

 また、企業内の『教育』を徹底することだ。それも、偏りのある『似非教育』ではなく、人として重要な『人間学』を注入することが必要不可欠となる。

 この職人が辞職を決意した要因として大きなものは、或るトラブルの処理の遅さにあった。その場で解決しておけば、このような馬鹿げた流れになるはずがない。

 畢竟、予期せぬ不慮の事故が生じた場合は、『その場で即解決』で対応するのが、大人としての懸命なる判断である。その『遅延』こそが、すこぶる悔やまれ、全てを台無しにしてしまった感がある。

 最後に、『ボトムアップの時代』となって久しいが、未だ理解できぬ『時代遅れ』の石頭が多いことに、閉口するばかり。


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