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企業倫理は、経営陣および従業員の遵法精神に大きく依存する。

 企業倫理が欠落している環境では、違法行為が広がりやすく、職場での不正行為や対外的な紛争の増加、予期せぬ内部問題の発生が絶え間なく見られる。このような状況は、経営陣と従業員双方の法令遵守に対する意識の不足が主な原因であり、この状態が常態化している企業はしばしば「ブラック企業」と呼ばれる。

 たとえ外観の良い建物であっても、違法行為を公然と行う者がいる場合は、その企業全体が悪影響を受けることになる。俗に言う、一つの腐った蜜柑が箱全体を腐らせる可能性があるように、企業倫理の欠落は時間が経つにつれて企業全体を侵食してしまう。

 経営者であれ、役員や中間管理職であれ、一般従業員であれ、違法行為を黙認または無視する企業は、信頼できない企業に成り下がっているのだ。特に経営陣がそのような場合、状況はさらに深刻となっている。

 筆者がコンサルタントとして経験した中で、違法行為が常態化している企業に遭遇したことがある。パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、役員による恫喝、不公平な人事などの不適切な行為を見過ごすし、嘲笑や中傷は日常的であり、外部からは想像もつかない企業が存在している。

 企業倫理の欠落が明らかになれば、速やかに関係を断たねばならない。もし、そのままズブズブの関係を続けることは、世のため人のためにならず、また、そこで正義を訴え改善を求めると反撃される危険性もあり、関わらぬが懸命となる。

 企業倫理が欠落している企業は、内部の改善を期待しても簡単には改善されることはない。改革を試みる社員が役員によって抑え込まれたり、追い出されることも珍しくない。

 被害者が弁護士に相談し、法的措置を講じることは効果的ではあるが、正義を訴えるスタッフにとってはリスクを伴うことになる。そのため、不正を働く役員はこの動きを阻止し、良心的な従業員を排除しようと躍起となる。

 地方の企業では、違法行為が常態化している例が多々あり、最終的に、被害を受けた従業員は会社を去ることになる。これは、理不尽極まりない「ブラック企業」の実態であるが、誰も止めようとしないところが理解できない。

 解決策として、法的措置以外に効果的な手段は限られているが、実際には改善は容易ではなく時間がかかる。問題は、社外取締役や株主も、悪徳雇われ経営者による虚偽報告によって実情を把握することができず、不正を働く役員や従業員だけが水面下にて暗躍しているのである。

 最悪の場合、顧問弁護士までもが利益を優先し、社内の重大問題を指摘せずに経営者を支持することもあり得る。これを改善するには、外部の有能な弁護士と連携し、社内の浄化を進める決断が必要となる。

 更に、ジャーナリストや捜査当局に実情を報告することで、問題を一掃することも想定内とすべきであるが、しっかりとした組合(ユニオン)を保有しない企業では、組合としての機能を果たせず、前述の法的措置が唯一の解決策となってしまう。

 本来ならば、社外取締役や監査役が、悪徳雇われ経営者や、それに迎合するその他役員やスタッフに対して、厳しく追及し、悪の元凶となる人間を排除するのが最短最適な方法ではあるのだが、そこのところがグレーゾーンとなっているために、改善の余地なしに至っているのが実状と言える。

ブラック企業
職位に溺れる無能な雇われ経営者
Mr.グーパー
尾篭な遊び人
Mr.サウナボーイ
有能なスタッフがどんどん会社を去っていく様子

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