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お高くとまる、厚顔無恥なる人たち。

 無知なる者に勝るものはない。アナーキー状態をこよなく愛し、価値あるものを無力化して行くスタンスは、無敵の存在ではなかろうかと。(冗談であるが)

 地方で営業を掛けている人物の話を聞けば、「ここの土地柄は、何でもタダで手に入れようとする人が多いんですよ。1円でも安く手に入れたいという人も多いし、価値観にかなりズレがあります。」と嘆く。

 無知と言えば、「法の不知」なる人たちと随分出くわしてきたが、持論がすこぶる素晴らしい。「知らなかったので!」で終わってしまう。いい大人が、著作権侵害も名誉毀損も脅迫も法に抵触することを「法の不知」として知らないと豪語するのだから、始末に負えない。

 全国的に活躍している方々へも、カントリーサイドの威張り腐ったおじさん族は、筆舌に尽くし難いほど「厚顔無恥」であり、態度もでかい。古井戸の主のような風貌にて、言葉も荒く、時代錯誤のカビ臭さが漂ってくる。

 ところが、そのようなローカルスタンダードにどっぷり浸かっている人ほど、東京や京都、大阪と聞けば、スマイリーでウェルカムの表情に変わり、目を瞑り契約印をバンバン押印してしまう。

 特に、鼻の下を地面にまで引きずっているようなエロなおじさん族は、大都市部から舞い降りた女性たちには、締める脇の下など持ち合わせがない。この豹変ぶりは如何なものかと首を傾げるが、その程度の民度でローカルは回っているのだろうと情けなくなってしまう。

 随分昔の話だが、或る大型劇場の事務所からホームページの打診があった。しかし、当時、講演活動で打ち合わせに行ける時間もなかったので、暫くして電話連絡を掛けることにした。急ぎではないとの事だったので、1ヶ月後だったろうか。

 その時に電話を受けたのは、中年男性だった。開口一番に、「ああ、ホームページのことですね。先日、二度見するような別嬪さんが二人も来てくれたので、そこに契約が決まりました!」と自慢げに語っていた。

 実は、某省から出向でこちらへ来ている方の紹介だったので、しっかりしたところだと思いつつ電話をしたけれども、「別嬪さん」の言葉に唖然としたのである。

 紹介してくれた方にも失礼であるが、このように低空飛行を続けているローカルスタンダードのとんでもない価値観や所作には驚かされる。

 厳格な契約を、「別嬪さん」で片付けるのだから、失笑するしかない。

西田親生の自由気まま書「天地」

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