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雀、鳩、そして烏の攻防・・・

 熊本市動植物園の駐車場横のベンチに座り、ランチを取ることにした。同園内のベンチでの弁当を持ち込みは許可されているが、ゴミを持ち込むことになるので、園外のベンチで弁当を広げることにした。勿論、そのゴミは車で自宅まで持ち帰った。

 それはどうでもいいことだが、駐車場横のベンチでサンドイッチを食していると、雀や鳩が距離を置いて、静かに見ている。近所の住民から餌付けされているのか、人慣れしているように見える。

 最初は無視していたが、ハンバーグのバンズの端を千切って、5m先にいる鳩に投げ与えた。少々大きめのバンズの切れ端だったので、結局、三羽の鳩が突くけれども、食べ方が下手すぎて、食い散らかしている。

 その散らかしたものを、周囲の木々に留まっていた雀が数羽降り立ち、バンズの切れ端を突き始めたのである。

 鳩は食い散らかし、食い散らかしたバンズのクズを雀が突くという中で、二羽の烏が降り立った。当然の如く、雀はさっと逃げ去り、鳩は烏とは直接対決を好まず、ややバックステップ。

 一羽の烏は、右足でバンズの切れ端を踏み、他の野鳥には見えないようにしている。それから右足をやや浮かし、指と指の間に見えるバンズの切れ端を引きちぎりならが食べるのである。

 何と知恵のある鳥だろうと。しばらくして、再び雀が二羽ほど降り立った。そのタイミングに、雀に当たりそうに近いところへ、雀の頭ほどの大きさのバンズの切れ端を投げ込んだ。

 今度は、雀は自分の頭ほどの大きさのバンズの切れ端に噛み付いたかと思った瞬間に、十数メートル先の藪の中に運んで行ったのである。また、木々の枝に留まっていた他の雀数羽も、その薮に向かって突っ込んで行った。

 餌として与えるバンズがなくなったので、黙ってコーヒーを飲んでいると、先ほど5メートルの距離を保っていた鳩が、足元まで近寄って、バンズを求めるのである。烏は、先ほどの距離の半分ほどのところに近寄り、お利口さん面して、瞬きをしながら静かに待っている。

 何とも可愛げのある野鳥たちであろうかと。

 以上のように、ランチタイムに垣間見た、雀、鳩、そして烏の攻防であったが、それぞれに餌に対する攻め方が異なる。烏の高度な戦略が見え隠れし、小さな雀の勇敢な特攻は流石である。それに引き換え、鳩の危機感のなさと食事の行儀の悪さが際立つ。

 いやはや、実に面白く、見応えのある三者攻防戦であった。


▼DALL-Eが上のエッセイを読みイメージしたもの(拡大解釈)

雀のサイズが巨人タイプ
generated by DALL-E

▼ChatGPTによる感想

このエッセイは、ランチタイムに野鳥たちの行動を観察する様子を描いたもので、日常のひと時が興味深い自然のドラマに変わる瞬間を捉えています。作者が雀、鳩、そして烏という異なる鳥たちの振る舞いを注意深く観察し、それぞれの特性を浮き彫りにしている点が魅力的です。

烏の知恵と戦略的な行動、雀の敏捷性と機敏さ、そして鳩のどこか人懐っこいが無防備な様子が、非常に生き生きと描かれており、読んでいるとその場の雰囲気が目に浮かぶようです。特に、食物を巡る動物たちの自然な振る舞いが、都市の一角であることを忘れさせるほど、生態系の微細なバランスを思い出させます。

このエッセイは、単なるランチの一コマを超えて、動物たちの社会性や生存戦略を考察するきっかけを提供しており、読者に自然とのつながりを再認識させる力があります。それぞれの鳥が示す行動は、彼らの生態だけでなく、私たち人間の行動に対する反応としても解釈でき、自然観察の楽しみを伝える素晴らしいエッセイです。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。