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最大50%の大きな下落を受けれる覚悟があるのであれば、一括投資の方が高いリターンを生み出す。

株式投資をするにあたり、いま自分の手元にあるまとまった資金を一括でまとめて投資してしまうか、それとも、毎月5万円ずつといった形で、分割して投資した方が良いかは、どんな投資家でも一度は頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか?

結論、一括投資が良いか、分割投資が良いかは、その人の心理的なリスク許容度やどれだけの期間を「投資期間」として考えているかによって、大きく変わってきます。

もし、投資期間を数十年単位で考えているのであれば、迷わず一括投資した方が、リターンは高くなると言えるでしょう。

世界最大規模の投資会社「バンガード」によれば、1976年から2022年のMSCIワールド・インデックスのリターンを元に計算をしたところ、一括投資が68%の確率で、分割投資を上回りました。

一括投資の方が、リターンが高くなる傾向がある。

ノースウェスタン・ミューチュアルの調査でも、分割で投資するよりも、一括で投資した方が、最終的なリターンが大きいということが分かっています。

この調査では、1950年から1億円投資した場合の10年間のリターンを、一括投資と分割投資の両方で比較しています。(分割投資は1億円を12ヶ月均等に投資し、残りの9年間保有するという形を取っている。)

結果は、株式100%で運用した場合、一括投資のリターンは75%の確率で分割投資を上回り、株式60%、債券40%のポートフォリオの場合は、80%の確率で、一括投資の方が優れているという結果になりました。

英国第2位の投資プラットフォームであるinteractive investorも、一括投資と分割投資のどちらが高いリターンを生むかという調査をしています。

結果は、運用期間が1年間の場合は、分割投資の方が、少し多くのリターンを生みましたが、運用期間が3年間になると、一括投資の£1,800は£2,874になったのに対し、分割投資(毎月£50の分割払い)の場合は、£2,035にしかなりませんでした。

運用期間が5年間になると、£3,000の一括投資は£5,003になったのに対し、分割投資は£3,809、運用期間が10年間になると、£6000の一括投資は£17,436のトータルリターンを生んだのに対して、分割投資のトータルリターンは£10,625でした。

こういった調査を見ていくと、過去のパフォーマンスは未来のパフォーマンスを保証するものではありませんが、これまでの傾向を見る限り、一括投資ができる資金があるのであれば、一括で投資した方が、最終的なリターンは大きくなることが理解できます。

短期では分割投資が勝つ可能性があるが、長期では一括投資の方が強い。

株式市場は長期で見れば、確実に利益を生み出しますが、その代償として、短期的には急激に下落するリスクを受け入れなければなりません。

例えば、2000年から2003年のドットコムバブルの破壊の際には、世界の株式は約半分に下落し、リーマン・ショックがあった2007年から2009年にかけても、世界の株価は大きく下落しました。

いずれの場合も、最終的には市場は回復しましたが、ドットコムバブルは1515日、リーマンショックは1286日という長い時間がかかっています。

ちなみに、コロナ・ショックの際は、市場は約30%下落しましたが、回復はドットコムバブルやリーマンショックと比べると遥かに速く、141日しかかかりませんでした。

そう言った意味では、短期的な下落(最大50%の下落)を受け入れる覚悟があるのであれば、時間という複利が味方につく一括投資の方が、良いと言えるのかもしれません。

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