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どの投資商品を買うかではなく、どの資産に投資をするかで、リターンの9割が決まる。

資産運用をしていく中で、「アセット・ロケーション」という言葉をよく聞きます。

アセット・ロケーションとは株式、債券、不動産、金、そして、コモディティなど、どの資産にどれくらいの割合で投資するかということを決めていきます。

よくアセット・ロケーションとポートフォリオが同じものだと考えている人がいますが、ポートフォリオとは資産配分ではなく、emaxis slimやニッセイ日経225などと言った具体的にどのファンドに投資するかを決めるものです。

アセット・ロケーション=どの資産にどれくらいの割合で投資するか。

資産運用と言うと、投資するタイミングや選ぶ銘柄がリターンに大きな影響を与えると考えがちですが、実際は、長期投資の9割の利益要因はアセット・ロケーションによって決まるという研究結果があり、経済学者のハリーマ・コーウィッツ氏が提唱したアセット・アロケーション理論はノーベル経済学賞を受賞しています。

もちろん、どの資産にどれくらの割合で投資するかというのは、その人が独身なのか、既婚なのか、子供がいるのか、どんな仕事をしているかなどによって異なるため、正しいアセット・ロケーションというのは、その人によって大きく変わってくるのでしょう。

例えば、一般的にリスクが高いとされる株式とリスクが低いとされる債券の割合は、100-年齢ぐらいが適切だと言われます。40歳であれば、株式60%、債券40%、60歳であれば、株式40%、債券60%のような形で、年齢が上がるにつれて、リスクの低いアセット・アロケーションを組んでいくのが望ましいのです。

もちろん、これはあくまで一般的な目安なので、20年〜30年の長期で運用し、株価が乱高下するリスクを許容できるのであれば、株式100%の資産運用でも問題ないのでしょう。

長期投資の9割はアセット・ロケーションで決まる。

また、株価が大きく下がった時に、安値でしっかりと株を購入できるように、一定の割合の現金を取っておくことも大切です。

過去100年間で、全体の株価が30%以上下がったのは、リーマンショックやコロナショックなどを含めて8回しかなく、この暴落のタイミングでしっかりと買い増しをすることができれば、その反発で利益を上げることができます。

イエール大学基金を運用し、20年間で、S&P500の指数を大きく上回る実績を上げたデイビッド・スウェンセン氏は、資産配分は株式を中心にすることが大切だと述べています。

スウェンセン氏が運用していたイエール大学基金は、ベンチャーキャピタルやヘッジファンドなどリスクが高いものから低いものまで様々なものがミックスされていますが、基金の78%は株式で運用されていました。

また、スウェンセン氏の運用の特徴としては、非伝統的な資産とも言われる不動産やコモディティにも手を広げて運用をしていました。

暴落のタイミングで投資できるように現金を残しておくことも大切。

投資のタイミングや分析よりも、アセット・アロケーションをどうするかが大切だと言うことを提唱したハリーマ・コーウィッツ氏の「アセット・アロケーション理論」は、インデックス投資が注目される一つのキッカケになりました。

アセット・アロケーションをどうするかによって、利益要因の9割が決まってしまうということですから、10年〜20年という単位で、どの資産にどれくらいの割合で投資し続けていくかという部分をもう一度しっかりと考えていくべきなのかもしれません。


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