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たましいの矛先を間違えたのかもしれない。きっとわたしは間違った時間に、間違った仕方で、間違った人のシャツに火をつけてしまったのだ。お母さんにも小学校の担任の先生にも夫のナオキさんにも4歳のケンちゃんにも隣のウエキさんにも「アナタは間違えた」と言われたようなものだから。でももう一度1年前のあの日の午後に戻ってもわたしは同じ時間に同じ仕方で同じ人のシャツを燃やしてしまうだろう。そこにはひとかけらの真実が、わたしにとっては紛れもない真実が含まれていたのだから。

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